うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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四天王の実力、お見せしよう!

「光波回避、ヨシッ!」

「何も良くないんっすけどー!?」

 

 

 唐突に始まった回避訓練だが、これが中々。

 彼女達──特に以前から親交のあったうちの面々以外の、今周回で加わった新しい面子の能力を測るにはある意味丁度良かったというか。

 

 

「当たっテモ問題無けレバそれでいいのデハ?」

「ダメです。出直して参れ」

「ちぇー」

 

 

 まずは日本被れさん。

 彼女の能力は『不死身』──異常なまでの回復力による超耐久だが、あまりにも強力過ぎるせいか攻撃を避けよう、みたいな感覚が存在しないことが明らかに。

 

 聞けば服も含めて全ての傷が回復するとかいう超性能であるため、全く避けようという気が浮かばないとのこと。

 大抵の回復能力というのは己の体のみに及ぶものであるため、彼女のそれは単に珍しいという言葉で片付けていいものか甚だ疑問である。

 

 

「だからこうして避けないと酷いことになるものを用意する」<ドヤッ

「エッチョッ、これエッチなやつデハ?!」

「そういう目に会いたくないなら頑張って避けて。大丈夫、優しくしてくれるから」

「そういう問題デハありませんガー!!?」

 

 

 で、そんな彼女の意識改革のために用意されたのが、見るからに怪しい触手生物であった。

 ……いや、こんなものどっから持ってきたし。

 

 なお、なんかR-18(エッチな展開)を危惧する声が日本被れさんから上がったが、そもそもそういう動きをする触手なんて実在せず、仮に起こるとしたら取っ捕まって四肢をバラバラにされる……みたいな、グロテスク方面のR-18だろうとは言わないでおく俺である。

 

 いや、そっち方面だと逆に捕まってもいいやー、となりそうな気がするというか……。

 勘違いでも貞操の危機としておいた方が、回避の重要性を学ぶ意味ではいいんじゃないかなーというか。

 

 そんなわけで、教室の隅で唐突に触手との戦闘を開始した日本被れさんは置いておくとして、次は成金君。

 

 

「相手が放射線であるならば、それを通さぬ金属を使えばよいだけのことだろう」

「生憎ですが、これは放射線じゃありませんので……」

「なぬ?ってぬぉわーっ!!?

「成金くぅーん!!」

 

 

 金と言えば原子量が多く、放射線を遮るための壁として最適……だが、高価であるために実際には利用できない・しにくいものとして有名だが、彼はその名前通り金を成すもの。

 ゆえに真っ当な放射線なら普通に遮断できてしまうのだが……生憎これはデーモンコアを(略)。

 

 そのため、回避以外の行動は全て無意味。

 ということで、哀れ成金君はこの光波の効果である『それが通った場所が青く染まる』という現象の餌食になってしまったのであった。

 具体的には額に『まぬけ』と書かれてしまった。……なんと具体的な罵倒か!

 

 

「では次は私ですね。まぁ私の能力はこういう話には全く使えないわけなのですが」

「そういえば子細を聞いた覚えがないけど、君の能力ってどういう類いのものなんで?」

「風聞を流布します」

「ねぇ?やっぱりこいつこの場で処しといた方がいいんじゃないかな???」

「おっと、仮にそうなった場合その場面を瞬時に流布しますのでお気を付けを……フフフ」

「うわこいつ色んな意味でやべぇ」

 

 

 性根が腐ってやがる……もしくはいい性格してる。

 

 ともあれ、確かに今回の授業にはまったくと言っていいほど役にたたないのは事実。

 結果、彼は胡散臭い笑みを浮かべたまま、額に青く『ゲスメガネ』の文字を刻まれることになったのだった。

 

 

「あ、次はあーし?じゃあ空手部の本領見せるし!」

「頑張れギャル子さーん、今のままだと影薄いぞー」

「いきなり失礼すぎんだけど!?」

 

 

 で、お次は空手部もといギャルのギャル子さん。

 あだ名が大分雑だが、そもそもここまであまり主張してこなかったので仕方ない。

 なのでここらで一つ、どかんと何かイメージを一新するような出来事を、と期待したのだけれど。

 

 

「───」

 

 

 しん、と張り詰めた空気はまるで寒空の下のよう。

 先程までの軽薄な空気は霧散し、そこにあるのは一人の武道家の姿。

 周囲が息を呑むほどの集中は、次第にその構えた右手へと集約されていく。

 

 

「チェストォーッ!!」

 

 

 刹那、彼女らしからぬ雄叫びと共に放たれた手刀の一閃は、過たず獲物を断ち斬れり。

 その威容、まさしく侍の如き……って、

 

 

「……斬った!?

「え、ダメだった?」

「いやダメというかなんというか……」

「今光波ごと叩き斬りましたね……」

「まさかギャル子がそんなことができるとは。全部ぶった斬れば当たらぬも同じとは中々に剛毅」

「ちょっ、そんなに褒めても何もでないケド!?」

 

 

 いや、これ褒め言葉かな?

 

 哀れにも縦に真っ二つになったデーモンコア(仮)を前に、思わず唖然とする俺である。

 ……いやうん、確かに凄かったけどさ?でもほら。

 

 

「……私の出番……」

「え?……あっごめんどくっち忘れてた!?」

「出番……」

 

 

 その後ろで涙目になってる読書家ちゃんを見ると、そういうの(コアの破壊)は最後にやって欲しかったなーって。

 いやまぁ、元を正せば四天王の五人目、なんてやってる読書家ちゃんが悪いところもあるんだけどさ?

 

 ……ってな感じで、微妙に慌ただしい羽目になるのでしたとさ。

 

 

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