うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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これを授業と言い張る図々しさ

「読書家は甘い。出番がなくなったんじゃなくて余計な手間を回避したと考えるべき」

「……!なるほど、流石はTAS。参考になる」

「ふふふ、もっと褒めて」

 

 

 それははたして本当に参考になるのだろうか……?

 TASさん的ポジティブシンキングって他の人にも適用できるものなのかなぁ?……と思わず首を捻ってしまう俺である。

 

 まぁ、やらかしたと正座して反省してるギャル子ちゃんが、これを機に反省を止められたのだから、ある意味それで良かったのかもしれないが。

 

 

「やー、張り切りすぎちゃった。メンゴ☆」

「いやまぁ、止めなかったこっちにも責任はあるというか、ギャップが凄くて止める暇もなかったというか……」

「おっ、先生ってばうちに見とれちゃった?いやー、モテる女は辛いってやつー?」

「まぁモテるだろうね(女子に)」

「……うん、そっちは求めてないんだわ私」

「なんかゴメン」

 

 

 あ、そういう。

 ……うん、さっきのギャル子さんはなんというかカッコいい感じだったが、どうやらこの様子だと『カッコいい』は嬉しくないご様子。

 その結果がギャルに扮するというのはなんとも言えないが……まぁ、本人が真剣にやっていることをあれこれ言うのも問題だろう。

 

 そんなわけで、この辺りの話は一先ず置いておくことにして。

 

 

「で、結局読書家ちゃんの分はやらない、ってことでいいので?」

「この面々の中だとできない方がおかしいから」

「実質的な免除と。んじゃまぁ、キリもいいしここらで一時間目は終わり、ってことで」

「……いつの間にか結構時間が経ってたんだね」

 

 

 教室に備え付けられた時計を見れば、時刻は一時間目の終わり間際。

 ここから更に別のことを……というのもあれなので、一先ず休憩ということにする俺なのであった。

 

 

 

・A・

 

 

 

 古い世代である俺からすると驚くことに、最近の学校というのは小学校であってもジュースが飲めるようになっているのだとか。

 

 水飲み場が設置されていることが多かった気もするのだが、あれはあれで衛生面で問題があるし、使わないなら使わないに越したことはないのかもしれない。

 ……えっ?なんで唐突に小学校云々の話をしたのかって?

 

 

「絵面がそれ系に見えなくもない人がいるからでぐぇ」

「なぁ?それは私がちっさいって言いたいんだよね?喧嘩売ってるんだよね???」

「俺売店じゃないんでそういうのはちょっと……」

「売店の人が喧嘩売ってるみたいな風評被害は止めろや!!」

 

 

 正解は、ふと目を向けた先で汗を拭いつつスポドリ飲んでるCHEATちゃんが居たから、でした。

 ……うん、絵面だけだとまんま小学生が教室で飲み物飲んでる図でしかないんだもの。

 まぁこれがTASさんだと更にその感覚が増すぎゃーっ!!?

 

 

「……前々から思ってたんだが、テメェはマゾかなんかか?」

「誤解にも程がある……」

 

 

 TASさんには頭を噛まれ、CHEATちゃんには脇腹を小突かれ続ける……。

 なんなら面白がった読書家ちゃんまで脛蹴りで参加してくる始末だが、別に望んでこんな状況に追い込まれているわけじゃない。

 

 なので助けて下さい、という視線を付近を通り掛かったROUTEさんに向けるものの、返ってきたのは「自分でなんとかしろ」とばかりの完璧なスルーであった。

 この薄情もの!鬼!悪魔!!TASさん!!!

 

 

「……脳みそが弾けるかと思った」

「わざわざ喧嘩売って来といてその程度で済んでるんだから文句言ってんじゃねぇよ、ああ??」

「すみませんでした」

「わかりゃいいんだよわかりゃ」

 

 

 ……うん、こっちの思考を読むのがデフォルトになってるの止めてくんないかな。

 え?お前が読みやすすぎるだけ?そりゃまたなんとも。

 

 ……ともかく、自身への罵倒に反応したROUTEさんから飛んできたストレートは見事に俺の顔面に的中。

 結果、顔面陥没の憂き目にあったわけなのですが、結果として纏わりついていた他の三名が離れてくれたので結果オーライです。……え?ドン引きしてるだけ?それはそう。

 

 気を取り直して、服とかに付いた汚れを払う俺である。

 その頃には陥没した顔面も元に戻っていたが……ふと視線を前に向けると、何やらキラキラした目でこちらを見る日本被れさんが立っていた。

 

 

「ええと……何?」

「シショーと呼ばせて下サイ!!」

「嫌だ!!」

「オー!?そう言ワズ何卒!何卒!何でもしマスから!!」

「止めてー!!?他所の人に聞かれたら誤解どころの話じゃないこと言うの止めてー!!?」

 

 

 そんな彼女の口から飛び出したのは、これまた唐突な弟子入り志願。

 

 ……うん、今の俺の一連の流れを見て、不死身系の能力者として学ぶところがある……みたいなことを思ったのだろうけど。

 俺のこれはTASさんとの付き合いの結果生まれた副産物のようなものであり、他者に伝授するものでも羨ましがられるモノでもないので止めてほしいとしか。

 

 まぁ、そんな言葉で彼女が止まるわけもなく、暫く追いかけ回される羽目になる俺なのであるが。

 

 

「頷いてくれないとダーリンと呼びマスよ!?」

「それ以上いけない」

「えっちょっ、アダダダダ?!ワッツ?!今の私何が悪かったデスか!?」

「その発言を続けるとお兄さんが社会的に死ぬ」

「えっ」

 

 

 なお、他所のクラスの先生が連絡事項?とやらを伝えにきたため、その辺りの騒ぎは有耶無耶になった。

 ……うん、そのまま続けてたら聞かれてましたね、さっきの話……。

 ありがとうTASさん、フォーエバー……!

 

 

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