うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

502 / 728
トラブルメイカーになれとは言わないが

「一日に二度も蹴り飛ばされるとかとんだ災難だぜ……」

「お疲れさまっす。もうあの二人を呼んじゃダメっすよ?」

最初に呼んでたの君だよねぇ???

 

 

 幾ら彼らが永久不滅としても、日に何度も呼び出されてたらそのうち三下半喰らうわ。……何の話だ???

 

 ともかく、再び部屋の外から室内に戻ってきた俺は、改めてそこに揃った面々と対峙することに。

 これで全員か、と問い掛けたところ部長であるらしい同人ちゃんからは「もう一人いますね」という言葉が帰ってきた。

 

 ……つまり二度あることは三度ある、ということなので、いい加減学んで入り口から離れた位置に移動する俺である。

 AUTOさんが大層微妙な顔でこっちを見てきていたが、みなまで言わんでくれマジで。

 

 ともかく、戻ってきた二人に改めて着目すると。

 

 

「……その両手に抱えているものis何」

「戦利品」

「おう、さっきもそんなこと言ってた気がするけど、ことと次第によっては説教しますよ俺?」

「お兄さんが珍しく怒ってる。怖い」

「全然怖がってるようには見えないんっすけどそれは」

「いいえ同人さん、あれは未だかつてないレベルで震え上がっていらっしゃいますわ……」

「あれでぇ!?」

 

 

 二人が抱えていたのは、大きめの段ボール箱。

 蓋の空いた部分から中身が見えている状態のそれは、しかしてことと次第によっては彼女達に教育的指導を施す必要を感じさせるものなのであった。

 

 勿体振らずに言うと、パソコンとかサッカーボールとか矢とか……まぁ、色々。

 どう考えてもどっかから強奪してきた物品としか思えず、ゆえにこちらも子細を尋ねる声が低くなるというもの。

 それに関して外野が何か言っていたが……その辺は割愛。

 

 

「おおっと、このママでは空気が死滅(デッド・エンド)!流石にソレハ見過ごせマセンので、ここからハ私が解説致しマショー!」

「うわでた」

「……先生?年頃の乙女に『うわでた』はカナリ失言(バッドコミュニケーション)なのデハ?」

「いや君扱いとしてはモンスターみたいなもn」

「何か仰いましたか?」

「ノー!!軽いジョーク!!怒るの良くない!!!」

 

 

 不死身の女の子を普通の乙女扱いは無理じゃねぇかなぁ……と思わないでもない俺なのだが、返ってきた視線が絶対零度過ぎて撤回せざるを得ない(震え)。

 ……隣のAUTOさんからは『そういうところですわよ』みたいな眼差しが突き刺さってくるし、どうしてこうなった。

 え?お前が悪い?デスヨネー。

 

 ……迂闊な発言即即死、みんなは気を付けよう!

 的な教訓めいた呟きを残して正座に移行した俺を眺めていた日本被れさん(なんかいつの間にかいた)は、小さく咳払いをしたのちに改めて口を開いたのであった。

 

 

「まず始めにデスが、これらの戦利品は正当な権利を得た上デノもの、というコトを生徒会長とシテ証明する次第デース」

「……その話に付随して聞くんだけど、なんで日本被れさんまでこの部室に?まさかとは思うけど、君もこの部活に所属してたり?」

「ソレに関してはノー、と答えておきマショウ。私は生徒会長デスので、特定の部活に肩入れするノハ大問題(ビッグ・プロブレム)・良くない展開マシマシというやつデスので」

「はぁ……?」

 

 

 おっかしいなー、最後の一人この人だと思ってたんだけど。

 そんな俺の予想をあっさり両断しつつ、日本被れさんは続けざまに語っていく。

 

 曰く、彼女(TASさん)達が抱えているそれは、正式な部活戦に勝利したことによる戦利品である、と。

 

 

「部活戦……???」

「おおっと、内心の疑問がボディランゲージにありありと現れてマスねー。とりあえず雑に説明しマスと、部活戦というノハ各部活が部費等を賭けて行う対抗戦のことデス」

「部費を賭けて、」

「戦う……?」

「アレ、説明したノニ何故宇宙を抱える人が二人に……?」

 

 

 何言ってんだこいつ(真顔)。

 ……いや冗談じゃなく。部費ってそんなバトル漫画的展開で勝ち取るようなものだっけ?

 普通は活動内容と功績などを考慮して配分するものだと思うんだけど。

 

 

「ソレだと強い部活はいつマデも強いママデスからねー。ある種の公平性を期した結果、というのが正解なんジャないでショウか?」

「……それ今の状態にも言えるのでは?」

「ソコはほら、どっちか片方ってだけデハありマセンので……」

 

 

 彼女の言うところによれば、部費には二種あるとのこと。

 普通に活動実績などを見て配分される基礎的なものと、こうしてTASさん達が強奪してきたようなもの。

 それぞれ基礎部費と強奪部費とでも呼んでおくが、これらの合計がその部活に分配される来年度の予算の形状にも用いられるとかなんとか。

 あれだ、備品も資産には変わりないので、こうして奪ってくるとそこの予算として計上される……みたいな?

 

 

「……蛮族過ぎやしない?」

「勘違いしてるようナノで捕捉しマスと、さっきも言った通り『正式な手続きの上で』入手したものデスからね?」

「正式な手続きっていうと……」

「……先までの説明からすると、部活戦のことですわね」

「わぁ不穏」

 

 

 具体的には『戦』って付いてる辺りが不穏。

 ある意味戦闘狂の類いのTASさんがいるからその不穏さは更に倍だ。

 

 こっちのマジかよ、みたいな視線を受けたTASさん本人はというと、何故か照れたように頭を掻いていたのだった。

 いや褒めてないからね?これ全然褒めてないからね???

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。