はてさて、反省のため床に正座する俺達と、それを仁王立ちで上から眺めているROUTEさんの図から始まりました今回、皆様いかがお過ごしでしょうか?
俺は現在、場の空気に耐えきれなくなる限界を迎えております()
なんでかって?そりゃ勿論、
「…………」
(珍しいくらいに拗ねてそっぽを向いていますわね、TASさん)
(珍しいどころか、この様子は初めて見たかも)
(貴方様がそう仰るということは……余程珍しいのでしょうね、この状況)
そう、なんだかんだ言っても所詮はいつもの延長線上・おふざけの一種に過ぎず、TASさんが謝ればそれで話は済むはずなのだが。
何故か彼女は、謝るどころかROUTEさんに視線を合わせることすらせず、そっぽを向いて頬を膨らませていたのであった。
端的に言ってしまうと、明らかに拗ねていたのである。
……はっきり言ってしまうと、今まで彼女と一緒に暮らしてきた中で、初めて見たかもしれない表情だった。
まぁ、端から見ると『ちょっと拗ねてる』風にしか見えないくらいの、いわゆるいつもの『※当社比』案件でもあったのだが。
その辺りを気付いているのかいないのか、ROUTEさんは変わらず仁王立ちしている。
正直、ちょっと空気を読んでどうにかして欲しいところなのだが……もしかするとあれか、これって
(と、言いますと?)
(いや、もしかしたらROUTEさん自身、TASさんがこうなった理由を知ってるんじゃないかなー、みたいな。なんというかこう、ちょっと不自然だし今の状況)
(言われてみれば……そうですわね)
あれだ、仁王立ちでこっちを見てるだけ、というのが特に奇妙だというか?
こっちには単に立っているだけに見えるが、その実裏もとい念話的な部分では、今も目には見えぬような攻防を行っていてもおかしくないという予感があるというか。
……ともあれ、単に立っているのが悪目立ちしてることは間違いあるまい。
「……ってん?そういえばROUTEさんが持ってるそれは一体……」
「……戦利品だ」
「戦利品……?」
で、そこまで考えてようやく、彼女が何やら見慣れないものを持っていることに気が付く。
彼女の体が影となって隠されていたが、それは恐らく……。
「……正直に話して下さいROUTEさん。貴方何処と部活戦やってきたんですか……???」
「…………」
「逸らした!?今露骨に視線を逸らしたよこの人!?」
「ええいうるせぇうるせぇ!俺が何処で何を取ってこようが勝手だろうが!」
「流石にそれは看過できないよ!?」
そう、携帯灰皿。
あからさまに吸い殻を捨てるためだけのアイテムを持っていることに気付き、俺は思わず声をあげることになったのであった。
……これ職員室にカチ込んでるやつぅ!!
「ROUTEはズルい。私の未来視に引っ掛からないように行動することで、私が彼女を害したという未来の可能性を生み出し、そのあり得ざる可能性でみんなの目をごまかしたのち自分の目的を押し通そうとしていた。それは流石にズルい」
(TASさんが滅茶苦茶怒ってる……)
(出汁に使われたのが、相当腹に据えかねているみたいですわね……)
先程とは打って変わって、床に正座させられているROUTEさんである。
表情に反省の色は全く見えないが、それゆえ余計TASさんがヒートアップしているような?
……まぁ、彼女が熱くなっている一番の要因は、先程から繰り返し述べている『
以前説明した通り、彼女のTAS技能はそのあり得ざる未来視技能に端を発するもの。
……ほぼというのは、今回ROUTEさんがその辺りを回避したっぽいからなのだが。
無論、そんなことをされればTASさんのプライドに火が着くのは自明の理。
裏を返せば、こうして激しく詰られることを理解していたため、ROUTEさんは強行突破をしようとしていた……と解釈することもできてしまうわけである。
「……相変わらず気持ちの悪い推理力してんなお前」
「これぐらい察せないとやってけないんでね!」
「別に褒めてはねぇんだが……ったく」
で、ここまで予想されてしまったROUTEさんは観念したように声をあげ、TASさんに一つの取引を持ち掛けていた。
曰く、テメェの目をごまかした手段を教えてやるから、俺が
「わかった」<ガッ
「ひえっ!?」
「即答した上に蚊帳の外だった同人ちゃんに詰め寄った!?」
その後のことは詳しく語るまい。
結果として、飾られた戦利品のうちの一つ・石膏像が中身をくり貫かれ、その中に
なお、部長たる同人ちゃんは以後、その日の部活が終わるまでずっと涙目であった。
未来視能力者を軽率に仲間に入れるからそんなことになるんですよ……。
「びぇー!!もうTASとかこりごりっすー!!」
「こんごともごひいきにー」
「絶対にイヤっすー!!」
「えー」