「これ授業で習ったところだ!」
「いやこの状況を習う授業ってなに!?」
「おー、ナイスノリツッコミ。TASから聞いてた通り」
「アイツシンジンニナニオシエテンノォ!?」
「おお、これも聞いてた」
(んー収拾が付かないヤツだねこれ???)
はてさて、場面は変わってさらに別の場所。
こちらではMODをリーダーにCHEATと読書家の三人が組んだパーティとなっているが、その期待値と実際の動きには大きな乖離が見られていた。
いわゆる理論値と実数値の差、というやつである。
「ナンカシラナイケドイマカオモミエナイダレカニバカニサレタキガスルンダケドォ!?」
「君はどこの電波を受信してるんだい?」
「アーッ!!イマMODガワタシノコトメンドクサイジライケイtuberッテイッター!!」
「おお、これも(TASに)聞いてたところ。流石は我が終生のライバル、目の付け所がエッジ効いてる」
「アイツノライバルワタシナンデスケドォー!!?」
「これも聞いて「いやもうええから」むぅ」
これ収拾が付かないやつだ、とMODはため息を吐いた。
……大まかな性格面、及び見た目の面からして、読書家はTASのカラーバリエーション……もとい類似キャラであると見なす考えは多い。
こうして二人のやり取りを
ゆえに、この話が始まる前に二人の組分けは分けるべき、とTASに直談判したのだが……。
「……?ピクニックに行くのだから、仲良くなれるように頑張るべきでは?」
などと、脳内お花畑みたいな返答が返ってきたため断念したのであった。
無論、TASが本当にお花畑みたいな提案をしたとは欠片も思っていない。
単に「これ何言っても意見が翻らないやつだ」と察しただけである。
……とはいえ、予想できたからといって納得できるかは別の話。
こうして余計な負担が襲い掛かってきているのを見ると、予め回避した方が手間が掛からず良かったのではないか?……みたいな不満が立ち上ってくる。
いやまぁ、そのままだと良くないという、表の意見もわかるわけだが。
共同生活中に変なしこりがあっても宜しくない、というのは誰だって共通認識だろうし。
その上で、どうしても噛み合わない相手なら、表面上の付き合いだけで済ませるという方法もあるだろうに。
……みたいに再度ため息を吐いて、そういえばさっきから静かになったな?と視線をそちらに向けてみると。
「ふぉおおおお……ここここれはまさか……あの伝説の大○林……!?」
「初版のファ○通創刊号もあるよ」<ニュッ
「すごーいみたことなーい!」<キャッキャッ
「……んん?」
あれ、なんか仲良くなってる?MODは思わず首を傾げた。
いや、さっきまでなんかバチバチにやりあってなかった君達?どっちかというと突っ掛かってたのはCHEATの方のような気もするけど。
そんな風に思わず困惑する中で、二人は和気藹々と何やら分厚い本や薄い本を手に盛り上がっている。
周囲をゾンビ達に囲まれた中で何を呑気に、と思ったMODは次の瞬間、
「よーし、このデータがあるならできるはず……ここを、こうして、こう!」
「はい?」
「おー、任意コード実行。スプライトオーバーしそうだったから確かにできてもおかしくない」
「でしょー?でも実はちょっと足りてなかったから、その辺りは……こう、ね?」
「CHEATの面目躍如、いえーい」
「いえーい!」
「ちょっと待てぇい!!?」
「「あっ」」
急に体が引っ張られたと思ったら、いつの間にか視界が増えた。
……何を言ってるのかわからないと思うが、自身の目を通して見える情報が突然倍以上に増えたのである。
そんなことになれば突然増えた情報量に脳がパンクしかねないところだが、当のMODは若干の酩酊感を覚えるだけで特に発狂することはなかった。
……なかったのだが、よくよく自身の体を確認すると、何やらおかしいことに気が付く。
具体的には、増えたのは視界だけではなかった。手とか足とか心臓とか何もかも全部増えていたのである。
発狂しなかったのは、偏に彼女自身姿を変幻自在に変えられる存在だったから、というところが大きいだろう。
いい加減勿体ぶらずに言うと、彼女はいつの間にか周囲のゾンビ達を取り込んだ
若干の酩酊感は、恐らく周囲のゾンビを取り込んでしまったことによるウイルスの侵食によるものだろう。
あとでDMにでも治して貰えばいいとはいえ、突然味方を犠牲にするその暴挙。
無論、MODがキレるのは当たり前の話であり。
「うわぁあああごめんってばぁぁぁぁっ!!?」
「許さん私お前まるかじりぃぃぃぃぃぃっ!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」
「──なるほど、予習通り」
調子に乗らせやすく、そうすると貧乏くじを引く。
そういうTASの評価を聞いていた読書家は、彼女達のやり取りを興味深そうに眺めていたのであった。