うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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海千山千、さらに石の上に三千

 はてさて、TASさんへの襲撃に巻き込まれることが確定した同人ちゃん。

 彼女が感じていた命の危機、とやらは恐らくこのことなのだろうなぁと小さく頷く俺である。

 

 

「なんで先生はそんなに落ち着き払ってるんすか!?巻き込まれるのは一緒っすよねぇ!?」

「ははは、一緒だからだよ」

「えっ」

「もう慣れた」

「……ご、御愁傷様っす」

 

 

 ははは、笑えよ同人。

 正確には今のループとは関係ないけど、似たようなパターンで酷い目にあったのは片手じゃきかねぇんだ俺。

 その度、死にそうになりながら切り抜けて来たのは伊達じゃねぇぞ……!

 はい、別に自慢できるような話じゃないですね鬱だ死のう。

 

 

「ええ……情緒不安定過ぎるっす……」

「そのくらいじゃないとTASさんの相手は務まらんのさ」

「ええー……」

 

 

 TASさんに振り回されてることに変わりはないからね仕方ないね。

 ……まぁともかく、久方ぶりのTASじゃないさんの登場ゆえ、俺達も張り切らなければならないと確認したところで……。

 

 

「同人上田(うえだ)!」

「え!?なんすかいきなり!?誰?!っていうかその槍……槍!?どっから出したんっすかそれ!?」

「そんなことはどうだっていい!敵襲じゃー!!」

「敵襲!?」

 

 

 予め用意しておいた槍を構え、天井に向かって突き刺す俺である。……ちぃっ、逃がしたか!!

 

 天井に開いた穴からチラリと見えたのは黒い装束。

 あからさまに忍者なわけだが、どうやらお相手は本気でTASさんを亡き者にするつもりらしい。

 

 

忍者!?今忍者って言ったっすか!?いんの!?リアルで!?

「不死身の生徒会長が実在するんだから忍者くらいいるでしょそりゃ、それより早く手伝って!ここで捕まえないと後でTASさんに怒られる!」

「はぁ、ここで撃退……いや待った今捕獲って言ったっすか?!

「そうだよ!忍者ゲットできなきゃ俺達の明日がないYO!」

「さっきから先生のテンションどうなってるんっすか!?」

 

 

 どうもこうも、破天荒状態じゃないとまともに動けないってだけですが?

 TASさんに引っ張られるのが基本だから、こうして彼女の助力無しだと結構無理があるんだよ!察せ!!

 

 ……てなわけで、未だ困惑する同人ちゃんに手元の槍を投げ渡しつつ、俺は俺で次なる武器を用意。

 

 

「逃げ回るというのならその足から潰したらぁー!!」

ぬぉわぁっ!?アサルトライフル?!?んなもんどっから持ってきたんっすか!?つか危ない!?」

「安心しろ峰打ち(ゴム弾)だぁ!!」

普通に天井貫通して二階の床ぶち抜いてますけどぉ!?

 

 

 照準もそこそこに、当たれば儲けとばかりに弾をばら蒔く俺。

 下手人である忍者は天井裏を機敏に動き回って逃げており、中々命中しそうにないが……それでも、ここで俺が攻撃を止めればTASさんに危機が迫ることになる……!!

 

 

「ゆえに俺がお前を撃つ!◯に晒せぇぇぇぇぇぇっ!!!」

「ひぃぃぃぃぃぃっ!?先生が狂った!?何とかしてくださいっす読書家さん!?」

「(あれも作戦らしいから)むーりー」

「んな殺生なぁ!?」

 

 

 なお、ここまで必死に見せているのは、忍者がとっとと別動隊を投入するのを待っているからである。

 

 読書家ちゃんには(念話で)説明してあるが、忍者一人なわけがないからね、襲撃者。

 自分に掛かりきりになっている間に、他の仲間を呼び寄せ本丸(TASさん)を撃つ……中々に考えているじゃあないか……。

 まぁ、相手が狙っていることがわかったとしても、俺の身体は一つしかないので(普通なら)対処できないんですけどね。

 

 その辺りのカバーを読書家ちゃんに任せた、というわけである。

 彼女なら明らかに俺より(戦力的に)上だし、精々(TAS)の居ぬ間を狙ってやってきた空き巣泥棒的襲撃者なら、指先一つでダウンさせることだって可能だろう。

 

 

「流石に指一本は無理があるけど、やってみる。何本目で倒れるかな~」

「ひぃっ!?こっちはこっちでビジュアルが(こわ)い!?」

 

 

 で、タイミングよく窓から侵入してきた襲撃者……黒スーツの男は、その動きに合わせるようにして突き出された読書家ちゃんの人差し指によって、サングラスごと右目を攻撃されたのであった。

 うーん、これは最悪失明する奴。……ところで、忍者とスーツの組み合わせは流石に異色すぎない?

 

 

「ツッコむところ本当にそこでいいんっすか?!他に指摘すべきとこあるんじゃないんっすか!?!?」

「さっきから同人ちゃんは元気だねぇ。その元気を撃退に使って欲しいんだけど、ほら都合よくなんか転がってきたし」

「ひぃっ!?ガラの悪いスキンヘッドのおじさんがっ!?」

 

 

 そんな風に疑問を呈する俺を他所に、同人ちゃんは床下から上がってこようとしているスキンヘッドを発見。

 そのままもぐら叩き?の要領で、出てこようとする襲撃者を槍の柄でボカボカ殴り続けていた。

 

 ……うん、もう気絶してるからほどほどにねっていうか、仮にも何かしらの組織の長っぽいんだからもう少し余裕を見せるべきというか……。

 

 

「肉体労働は……専門外なんっすよ……」

「そうですか。残念ですが向こうはそんなこと(おもんぱか)ってはくれないぞ」

「だと思いましたよこんちくしょー!!」

 

 

 そういえば長であること否定しないな?その余裕もなくなったか……。

 なんてことを思いながら、大挙する刺客達に立ち向かう俺達なのであった。目指せ目標残機獲得!

 

 

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