再び燃え尽きてしまった同人ちゃんに関しては一先ず放置するとして、改めて今回の目的について再確認。
今日のTASさんは超張り切っており、組織の一つや二つ程度壊滅させた程度ではまったく満足することはないだろう。
すなわち、必然的に複数の秘密結社が今日この日にその命を終える()ことが確定したわけで。
「あーなんまんだぶなんまんだぶ、くわばらくわばら……」
「……?お兄さんは唐突に何を言っているの?」
「いや、これから発生するだろう怨念を先に供養しておこうかと」
「む。それはよくない。仮にそんなものが発生するなら
「そう言うのわかってたから、こうして先に消しておいてあげようって思ってたんだよなぁ……」
何も死後の安寧までむしゃぶり尽くす必要もあるまい……()
ネクロマンサーじゃねぇんだから、というツッコミを飲み込みつつ、でもTASさんならそれが最善であれば幾らでもやるんだろうなぁ……という厚い信頼()を覚えながら、軽く憤慨したのちに目的地に向かって歩き始めたTASさんの背を追い掛ける俺なのであった。
……あっ、いきなり飛ぼうとするのは止めて!
いやお兄さんだって飛べるでしょじゃなく!目立つ!流石にここから行くのは目立つ!
「結局『目立つのが必要』ってTASさんの言葉に押し切られた気分は如何っすか?」
「もう俺あの辺り近付けない……」
「お嫁に行けない、みたいな言い方するの止めるっすよ」
とんだ辱しめである()
……ともかく、街中で唐突に空へ飛び上がった人型存在、みたいな見出しが明日の新聞の一面を飾りそうだなぁ、などと微妙にずれた感想を抱きつつ、改めてたどり着いた場所に目を向ける俺。
始めに向かうことになったのは欧州の方。
移動距離おかしくね?……と思った君は正しい。正しいが、同時にTASさんのことを甘く見すぎである。
「私は尻マイスターにはなれないから、今回は普通にワープゲートを使った」<フンス
「尻マイスターって……なんかこう、いやらしい響きっすね……」
「同人ちゃん同人ちゃん、その名前に見合った思考回路を爆発させてるところ悪いけど、これ
「し、しししし知ってるっすよそれくらい!」
……こんなの(失礼な物言い)が首領だった組織って、滅んでも問題ないんじゃねぇかなぁ。
そんな感想を変な妄想で暴走する同人ちゃんに対して抱きつつ、改めて説明すると。
今回のTASさんは謎の変形武器を中空に放ったのち、それを追い掛けるようにして残像を残しながら飛んでいったのである。
わかりやすく言うと『鳥頭の戦士』のあれ、なわけなのだが……あの動きの初出ってゲームではなくなかったっけ、と思わず疑問に思った俺は悪くないと思う。
まぁ、そうして疑問に思った次の瞬間に、『そのあとゲームでも使われてたよ?』と至極普通な返答が戻ってきたわけなのだが。
……外部出演の話じゃんそれ!
「それはともかくとして、ここにはどういう秘密結社が存在するんっすか?」
「この場所が答え」
「……はい?」
「
「アー!アー!トツゼンデワルインデスケドワタシセイギノココロニメザメタキガシマスッス!ナノデソウキュウニサッキュウニ!センメツシテオワリニシマショウソウシマショウ!!」
「う、うん……?」
などと話している俺達を横目に、比較的冷静さを取り戻した同人ちゃんが今回の目標について確認し……結果壊れた。
でもまぁ、その気持ちはよくわかる。
与えられた情報は二つしかないものの、たったそれだけの情報でも相手がどれほどの厄物なのかは想定できようというもの。
迂闊に子細な描写をした結果、それがあれをあれしてこう(※検閲の為音声データを変更してお送りしております)……みたいなことになって、最終的に俺達の世界ごと滅んでいる可能性も大なのだから。主に圧力的な意味で。
……なので、そんな風に壊れた同人ちゃんを見て静かに引くのは止めなさいよTASさん、とか思ってしまった俺も悪くない。多分。
「……あ、もしかしてここの秘密結社の制服がカッコいいとか、そういう話を」
「アー!アー!!アー!!!イヤーキョウハオヒガラモヨクゼッコウノソシキカイメツビヨリデスナァッスー!!」
「……むぅ」
なお、TASさんはこっちが何を懸念してるのかいまいちわかってないようで、微妙にずれた話をこちらに投げ掛けて来たのだが……。
それもそれで微妙にすれすれ()な話だったため、同人ちゃんの壊れ具合はさらに加速する羽目になってしまったのであったとさ。
まぁ、気持ちはわかるよ。
物書きとして、あれ系の服装って……ってなるもんね、わかるわかる。()