うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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君らどういうカテゴリなので?

 まさかのよくわからん宣言。

 

 TASさんの衝撃的な物言いに、思わずフリーズしてしまった俺達。

 そんな中、お犬様や巨大猫達は首を傾げ、こちらを不思議そうに眺めている。

 

 ……うん、なんだろうねこの状況?

 いまいち理解を拒む光景に、さらに意識を宇宙(そら)へと飛ばす俺達なのであった──。

 

 

 

゚Д゚)~゜

 

 

 

「いやはや、まさかしばらく意識を飛ばしていたら、正気を疑われて猫さんに頭からがぶりと行かれるとは思わなんだ」

「気付けにしてはちょっと派手でしたわね……」

「そこでお兄さんを食べたりしない辺り、この子はいい子」

『に゛ゃ゛う゛』<ドヤッ

 

 

 まぁうん、野生動物なら血の味とかしたらそのまま噛み砕きそうだもんね……。

 

 なんて微妙に恐ろしい話をしつつ、現在俺達は巨大猫の毛繕い中。

 本人……本猫?にやらせると時間が掛かるため、積極的に手伝っていく方針とかなんとか。

 まぁ、先程ちょっとだけ触れていたアニマルセラピー的効果を期待しての行為、という面もあるのだろうが。

 

 

「……大きさに目をつぶれば、確かに可愛らしくはありますものね」

『に゛ゃ゛う゛っ』<ドヤッ

「そうして褒めるとドヤ顔をするのは、あまり可愛らしいとは言えないと思いますけど」

『に゛ゃ゛う゛っ!?』

 

 

 うーん、あからさまにこっちの言葉を認識して反応してる感。

 いやまぁ、今までの動きからしてすさまじく今更な指摘ではあるのだが、だからといって指摘せずにいるのもアレというか?

 ……ともあれ、AUTOさんの指摘に落ち込む巨大猫を慰めつつ、全身の毛繕いを進めていく俺達である。

 

 

『わんっ』

「お、お前も毛繕いして欲しいのか?じゃあ……暇そうなCHEATちゃんに頼むか」

『わぅ~?』

「……なんか今『えー?こいつに頼むのー?』みたいなこと言わなかったそいつ?」

『わふっ?』

「気のせいじゃ?って言ってるみたいだけど」

「先生はワウリンガルか何かなのデスか?」

 

 

 いや、なんとなくこう考えてるんじゃないかなーって予想してるだけで、実際に相手が何て言ってるかは知らんよ俺?

 ……みたいな感じで、しれっと混ざっていた日本被れさんに答える俺である。

 

 で、そのまま流れで彼女達二人がお犬様の毛繕いをすることになったのだけれど。

 

 

「……なんとイウカこう、手触りがおかしい気がシマスね?」

「そうだねぇ、見た目よりごわごわしてるような気が……」

『わうっ!!』

「失礼しちゃうわ、ってか?……丁度いいし本格的に洗うか?ペット用シャンプーとか持ってくるけど」

『わうっ!?』

「あ、いいねそれ。ふわっふわの仕上がりになったら多分今よりもっと可愛くなるよ!」

『……わう』

(心揺れてる、って顔をしてマスね)

 

 

 ……うむ、ある程度高度なごまかしをしているとはいえ、二人にはなんとなく察せられてしまった様子。

 

 確かに、向こうから連れてくる際にTASさんによる簡易的な清掃や検査は行われているものの、それ以上のことは何もしていない。

 言い換えると、上に張られているテスクチャを貫通してしまえば、そこにあるのは野生で暮らしてきた彼らの毛並みというわけだ。

 そりゃまぁ、多少どころかかなりごわごわしていてもおかしくはあるまい。

 多少で済んでるだけ御の字なので、ここらで本格的に体を洗ってあげるのもいいのかもしれない。

 

 ほら、話をしてたら都合のよいことに、背中にシャンプーを乗せて歩いてきた猪君が見えてきたし。

 

 

「おや、本当ですネー。猪君はおりこうさんデスね!」<ブヒー

「あ、意外とお高いところのシャンプーだ。これ自腹?」

「少なくとも公費とかでは落ちないと思うぞ……」

「だよねー。よーし、これで洗えば超美人さんになれるぞお前!」

『わうっ!』

「ものすごく喜んでいますわね……」

 

 

 シャンプーを持ってきてくれた猪君の頭を撫でて労いつつ、これまたいつの間にか巨大猫が咥えて持ってきてくれていたシャワーの先を受け取り、そのまま宣言。

 

 

「よーし、コイツらをみんな綺麗にするぞー!」

「「「おー!」」」

 

 

 巨大猫がに゛ゃ゛う゛と鳴き、お犬様がわうっと嬉しそうに吠え、そして猪君がのんきにぶひーと鳴く。

 我が寮の動物達は今日も元気よく、そして楽しそうに庭を駆け回っているのであった。

 

 

 

・A・

 

 

 

 さて、そうして俺達が動物達と戯れるのをみながら、ぼそりと呟くモノが一人。

 

 

「……巨大な猫もあの犬らしからぬ犬も、大概おかしいと思っていたっすけど……」

 

 

 その当人──同人ちゃんは、部屋の外が騒がしいことを不審に思い自身の部屋の窓を開け、そこから見える庭にてあれこれやっている俺達を見つけたわけなのだけれど。

 

 

「……しれっと背中にシャンプー乗っけて歩いてきた猪が、実は一番意味わかんないやつっすよねこれ」

 

 

 その状況の最終的な引き金となった猪君の行動を見て、密かに戦慄していたとかなんとか。

 

 

『細かいことを気にしてはいけませんよ。かつて猪が神々の一種であったことは確かなのですから』

「……!?だだだだ誰っすか!?」

『通りすがりの神です。神託です』

ぬわーっ!!?失った組織への思いが今更ながらぁー!!!すみません邪神様貴方の使徒はとても無様でしたーっ!!

『あら』

『……いや、止めてやらんか可哀想に。色んな意味で』

 

 

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