「散歩要求の子達多過ぎデース!!」
「えっと猪だろ、犬に馬に羊と鼠……いや、鼠一つで手間増やし過ぎだろうこれ」
「そもそもこの羊って外に出していいやつなんだろうか……」
朝食の準備を進めていると、食堂に木霊してくる生徒達の声。
新しい朝の日課となったものの一つ、動物達の散歩に出掛けていた面々が戻ってきた合図である。
これに関しては各自持ち回り(朝食作成に関わらない者のみ)の用件であり、今日の面々は声から判別する限り日本被れさん・CHEATちゃん・MODさんの三人、と言ったところだろう。
他の日になるとROUTEさんや成金君、新聞部君などが受け持ってるわけですな。
で、散歩を欲しがる動物というのも決まっている。
鶏はともかく、ツチノコと巨大猫の二匹に関しては普通に散歩しててもおかしくはないのだが……。
「いや、どう考えても目立つどころの話ではありませんわよね???」
……というAUTOさんの鶴の一声により、そこら辺を断念している形でもある。
すまんな二匹とも、今TASさんが急ピッチで何とかする手段を模索してるとかなんとか言ってたから、その成就を待ってくれ。
なんか嫌な予感がしないでもないのが不吉だけど。
で、日によって別れるのが
今日の例で言うと午・亥・未の三匹が散歩行き、丑と卯がここで待機組に別れた形となる。
これに関しては特に傾向があるとかではなく、単にその日の気分によって行くか行かないかを決めているだけ、みたいな話になるようだ。
そして、基本的に散歩に行かない日がないというタイプが
……正確には一グループと一匹だが、ともかく子が散歩に行きたがるというのが問題である。
何せ彼らは群体。総計何匹いるのかは不明だが、少なくとも二十やそこらで利くような数ではない、というのはほぼ間違いあるまい。
それが一塊となって、先導する者についていくのだ。
……音楽隊でもと揶揄したが、そっちの方が遥かにマシな絵面ではなかろうか?
『うぉふっ!』
「え?何々?最悪彼等が無軌道な動きを取ろうとすれば止めるし、そもそもリーダーがしっかりしてるからそういうトラブルに繋がるようなことはさせない?……ホントかー?」
『ちゅー、ちゅちゅー』
「信用しろって?……まぁ疑っても俺にはなんもできんけども。とりあえずみんな連れて小屋に戻れるか?」
『ちゅー』
「よしきた、じゃあそのまま待ってろ。後から朝ごはん持って行ってやるからなー」
『うぉふっ♪』
『ちゅー♪』
(……もはやナチュラルに会話してるなー兄ちゃん)
「……なんだ?朝御飯一品増やしてほしい、とでも言い出すつもりか?」
「私のこといやしんぼか何かと思ってんのそれ???」
まぁ、なんとなく彼等にそのつもりはなさそう……というのは確かっぽいので、今のところはそれを信用しておくが。
それとCHEATちゃん、イラついたのはわかるけど執拗に俺の足を蹴るのは止めていてててて。
……ともあれ動物達の散歩へのスタイルわけもいよいよ大詰め、最後になるのは『よくわからん』枠の
これに関しては言葉通り、よくわからんというのが本音である。
「……えーと何々?『月日は
「真面目に読み取るのであれば、そもそも私は既に散歩をしているようなもの……となるのではないかと」
「ハァ?」
……いかん、思わず疑問を呈するだけの機械みたいになるところだった。
こんな感じでゴリラ君の場合はそもそも何言ってるのかわからん、みたいな結果に落ち着くことがほとんどである。
というか今の台詞確か昔の有名な詩人の言葉じゃなかったっけ?どこで覚えたのそんなもの。
で、彼とは反対の、されど答えは同じく『よくわからん』となるのが、辰担当リュウグウノツカイ君である。
『…………』
「……ダメだ、何言ってるのかさっぱりわからんというか、そもそも何か考えてるのかどうかからしてわからん」
「実際何も考えていないのでは?」
ゴリラ君の方が『小難しいこと言ってて何言いたいのかわからない』のだとすれば、こっちは『そもそも何か話してるのかすらわからない』という有り様。
ボーッと宙を泳いでいるだけにも見えるし、何かを考え続け物思いに耽っているようにも見える……。
そんな不可思議生物リュウグウノツカイ、仮に散歩を望んでいても外には連れ歩けないだろうなってことでとりあえず保留である。
これに関してはゴリラの方に関しても同じ。
「『我としても無用な混乱は望まぬ』……まぁうん、わかってくれるんならいいんだ、わかってくれるんなら……」
(あまりに大人な態度を取られるものですから、自身が大人としてあまりよくない行為をしているのでは?……と自問自答してしまっているようですね)
……まぁ、この大人物極まったゴリラの様子を見ていると、色々と自身について苦しくなってくるんですけどね!
森の賢者ヤバすぎんだろJK……(白目)