「……ふと思うんだけど」
「うん?」
「ダイヤって確かに堅いけど、その分脆いから武器とか道具には向かないんじゃないかなって」
「うん、確かにそうだけど今そこをツッコむの止めない?ROUTEさんめっちゃ見てきてるし」
「うわこわっ!?」
あれだ、「いい加減にしろよテメェら……」という台詞が地獄の底から響いて来そうな顔をしているというか。
結局TASさんには逃げられてしまったみたいだし、鬱憤だけ貯まってるからいつ手が飛んでくるかわかったもんじゃないというか。
そんなわけで、ROUTEさんが現場監督みたいな状態で始まった
現状は天井から釣り下がった明かりくらいしか目ぼしいもののないこの空間を、上手いこと俺達の役に立つように拡張していこうというのが今回の目的である。
……TASさんがクラフトしたかっただけでしょ、とか言ってはいけない。
「そういえば、その当のTASは何処へ?」
「資材を集めてくる、って言いながら地下をピッケルで掘り抜けて行ったよ……」
「真面目にどうなってんだ一体」
TASさんのやることを一々ツッコんでたら身が持たない、といういい証拠だな!
……掘った土が四角くなるのは……なんでなんやろうな……(白目)
いやまぁ、四角くなるのは土だけに限らず、出てきた資材──銀だの銅だの金だのなんだの、ありとあらゆる物質がそうなるわけなんだけども。
なんだ、掘った瞬間全部インゴットになるとかそういうあれなのかな?
……まぁ、深くツッコむとまた余計な部分に触れかねないので、その辺りは置いておくとして。
「役に立つように拡張とは言うが、具体的にはどういうものを用意するつもりなのだ?」
「とりあえず家庭菜園を拡張するのは確定かな……どう考えても色々足りてないし……」
「ああ……」
地下とは言うものの、この空間内は別に薄暗いということもなく、普通に明るくなっている。
空調もしっかりしているため、ここで野菜を育てるのは決して不可能ではないだろう。
というか、そうでないと餌代やら何やらが賄いきれずに詰む。
ただでさえ最近動物達がドッと増えたのだ、彼らをキチンと食べさせようと思うと餌は幾らあっても足りないのだ。
特にハムスター系。
彼らは燃費の問題で食べ続けないと命が危ない、みたいな種類が(後から)混じっているため、その辺を考えると無茶苦茶餌の消費が激しいのだ。
「体が小さいのに餌がいっぱいいる、っていうのはなんだか納得いかないなぁ」
「体が小さいからこそ、というべきなのですけれどね」
「え?」
「エネルギーを蓄えたものが脂肪ですけれど、体が小さいとそうして蓄えたエネルギーが運動を阻害する……なんてことにもなりかねませんもの」
「あー……貯められないから食べ続けるしかないのかー」
まぁ、そういうことである。
……他の面々もそんなに少食というわけではない。
なんやかんや普通の動物に比べると燃費はいいらしいけど、それでも必要な餌の量は少なくはないわけで。
なので、今回のクラフトで俺がするのはまず地下庭園の建築、となるのであった。
「なるほど……では私もそちらを手伝うとしましょう。他にもすべきことはあるかもしれませんが、喫緊で必要なことは他になさそうですし」
「では私もそちらを。どんな野菜を育てるのか、とか話し合いたいですしね」
「おお、そいつはありがたい」
で、そんな俺の手伝いを申し出てくれたのがAUTOさんとDMさん。
二人が居れば百人力、いい感じの畑を作ることができるだろう。
……逆に、二人が早々にやることを示したため、出遅れた形になったのが何人か。
「ぐぬぬ……そこを手伝うのが一番簡単そうだったのにぃ……」
「簡単そうって理由で畑作業を選ぼうとするんじゃないよダミ子さん」
「というか畑作業って、一番簡単って言葉と無縁じゃ?」
「お兄さんが関わってる時点でそこら辺はどうとでもなるんですぅ」
「こいつほぼほぼサボるつもりだったな……」
そのうちの一人が、この通りぐぬぬと唸るダミ子さん。
すさまじく自分本意なことを喋っているが、まぁ確かに彼女が積極的に何かを作ろう、なんてしないだろうことはわかりきっているというか。
そう告げれば彼女は「そうですぅそうですぅ。私にあくせく働けとかバカの言うことですぅ」とかなんとか言っていたが……。
「うん、正直なのはいいけど、周囲を見てから言うべきだったね」
「はい?」
「そうかそうか、作るのは嫌か。じゃあ俺の手伝いなら問題ねぇよなぁ?」
「げ」
「げじゃねぇんだよとっとと来いやぁ!!」
「ひぃーっ!?悪魔?!鬼!?TASさん!!?」
「アレと一緒にすんじゃねぇ!!」
……うん、そんなこと言ってたら
そんなわけで、憐れダミ子さんは
あばよダミ子、成仏しろよ……。