うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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あっちこっちでわちゃこちゃ

「とりあえず殺風景過ぎるから、私は外壁をどうにかしようかな」

「あ、じゃあ私もそっち手伝うー」

「オー、じゃあ私もソッチに混ぜて欲しいネー!」

 

 

 そんな感じで、あちこちで何をするのかがさくさくと決まっていく。

 そんな中、手持ち無沙汰になっているが数名。具体的には、

 

 

『いや、そもそも(わし)霊体だからの?こういう案件において何ができるわけもなかろうが』

「いや案件て」

 

 

 区分的には幽霊とかその辺りになるため、モノを積み上げ施設を作る……みたいなイベントにおいては役立たずも役立たずなスタンドさんと。

 

 

「肉体労働は苦手なんですよね」

「うるせえ馬車馬のように走り回りやがれこのマスゴミヤロー(まぁまぁそう言わず、ちょっとこれ持って走り回ってみない?)」

「うーんこの清々しいまでの主音声と副音声のひっくり返った姿」

(気のせいでなければ副音声も大概だの?)

 

 

 腑抜けたことを抜かす(運動不足を主張する)新聞部(マスゴミ)君の計二人。

 ……このうちスタンドさんは、設計方面で手伝って貰うのがいいだろうというのがわかるけど……。

 

 

「……君はどうしようね?今のは半ば冗談だけど」

(半ばだけなのか……)

「実際、現状でして貰えそうなことなんてTASさんが掘り出してきた資材をあちこちに運ぶとか、そういうことくらいしかないような気がするんだけど。……というか、君のできることって何さ?」

「それは勿論、真実を追い求めそれを記事にする……」

それはいいから(シャラップ)

 

 

 それ以上口を開くな、って言いそうになるからそっち方面を主張するのは止めてもろて。

 ……などと告げたところ、彼は困ったような笑みを浮かべたのであった。

 

 

「いや、別に特別なことができなくてもええんやで?ここには同人ちゃんみたいに薄い本を描くこと以外大したことのできない人や、」

「唐突に話題に出した挙げ句、思いっきりディスって行くのは酷くないっすかー!?」

「元々の役割が『ただそこにあること』なせいで、基本的に何やらせてもドジな人とか」

「ぷっ、誰ですかぁそんな可哀想な人ぉ。……え、なんでみなさん私の方を黙って見てるんですぅ?……な、何か言って下さいぃ~!!?」

「……まぁうん、とにかく色んな人がいるから、別に自分の不出来を気にする必要はないんやで?」

「ははは。その二人と比べられるとか最早切腹するより他ありませんね」<チャキ

「流石にそれは思い詰めすぎじゃねぇかなぁ!?」

 

 

 いや確かにあの二人はこの面々の中では下の方だけど!

 でもほら、最下層は俺であって俺が生きていられるんだから誰だって大丈夫!

 俺に比べれば誰だって世界に生きていていい存在だから気にするなって!!

 

 

「うつだしのう」

「慰める側が追い詰められてどうするのですか」

「あ痛っ」

 

 

 ……うん、言ってるうちにテンションが駄々下がっちゃったんだZE☆うん鬱だ死のう。

 

 よくよく考えたら同人ちゃんは秘密結社の(元)首領だし、ダミ子さんだっていてくれないと世界崩壊を招きかねない要石みたいなもんだし。

 つまりは生誕を望まれた者、生きていくことを言祝がれたものということ。

 TASさんのデコピン一つで死にそうな俺とは比べ物にならないくらい、誰からも祝福された……え?TASさんのデコピンで生き残れるやつの方が希少?それはそう。

 

 まぁともかく、俺みたいなのを比較対象におけば誰だって生きていていい存在。

 誰もが祝福された存在になることは確かなので、新聞部君におかれましてはマス()ミという誹謗中傷に決して負けることなく、己の道を貫き通していただきたいややっぱマスゴミはダメだわ(突然の豹変)

 

 

「偏向報道許しません!はい復唱!!」

「え、え?……ええと、偏向報道許しませんわ……?」

「はいDMさんも!」

「ふふ、はいはい。偏向報道許しません、よ?」

どうだ!!

「これ僕どういう反応したらいいんですかね?」

「この二人からこう言われたら涙ながらに土下座しながら承諾するのが筋だろぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「ふふふ、嫌です♪」

「即答!?」

 

 

 て、手強い……。

 この二人のお願いを聞いておいて、その上で自分の意思を貫ける……だと……?!

 

 なんという強心臓、なんという強情さなのだろう。

 最早これは他人からの矯正は不可能、彼は永遠にマスゴミ系新聞部として暗き道を進み続けるしかない存在……。

 

 

「だがその瞳には希望は失われず、まだ見ぬゴシップを求めて進み続けると……ふっ、乾杯だ。その方向性は好かないが、そこまで貫き通すのなら俺から言うことは何もない。──やってみせろよ、新聞部」

「言われずとも、ですよ」

 

 

 何事も、貫き通す姿は美しいということだろうか。

 目指す場所は褒められたようなものではないが、しかしてそこへ向かう新聞部君の足取りは確かなもの。

 一瞬だけ、それを褒めてもいいような気分になった俺は、その気持ちに任せて彼にエールを送ったのであった。

 

 

「言いてぇことは、それだけか?」

「「」」

「真面目にやれ、わかったな?」

「「はーい……」」

 

 

 無論、ふざけすぎとROUTEさんに怒られたことは言うまでもない。

 

 

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