うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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早速それっぽいお仕事の時間です

「……は!?もしかして似たようなあれだけどCHEATちゃんにコード頼むよりなんとなく世界への悪影響がすくなかったりする?!」

「もしかして豊穣を言祝げとか言ってます?」

「うん!」

「即答!?」

 

 

 いや、巫覡ってそういうのも仕事っぽくない?

 ……ってなわけで、畑の豊穣を新聞部君に祈願して貰うことにした俺達である。

 

 

「なるほど、それで私の出番と言うわけだね!効果とか無視して姿だけ再現って話なら幾らでもこいだ!」

さっきの僕の話聞いてましたか?!まったく……」

 

 

 なお、姿は巫女さんスタイルである()

 ……うむ、近年ソシャゲとかで見るような改造タイプではない、普通の巫女姿の新聞部君なわけだが。

 いや、これが滅茶苦茶似合ってるのなんの。変な色気があって見ちゃいけないもの見てる気になるねこれ?

 

 

女形(おやま)みたいなもの、ということかもしれない」

「ああ、男性が好む女性像は寧ろ男性の方が表現できる……みたいな?なるほど……」

なんでこんな目に……今日は厄日ですね、まったく……掛けまくも畏き豊穣を祝うやんごとなき神よ、我が願いに応えここに印を給えばや。恐み恐みも白す

「おお、それっぽい」

「やらせといてそれっぽいはないでしょう、まったく……」

 

 

 神社の神主が持っている棒──祓串(はらえぐし)?とやらを持ち、何やらやんごとないっぽい祝詞を捧げた新聞部君。

 その効果は目に見えて現れた。……と言っても、祓串から何やら光が漏れだして畑に降り注いだ、というだけなのだけれども。

 

 とはいえ、それを見たDMさんが興味深げに片眉を上げていた辺り、何かしらの効果があったことは間違いないだろう。

 どういう風に作用してくるかは不明だが、良い感じに畑の作物が育ってくれればありがたいと思う。

 

 

「……ところで、いい加減元の服に戻して貰っても?」

「おお、そうだったやることやったんだから戻してあげ……あれ?MODさんは?」

「え?さっきまでそこに……って居ない?!」

 

 

 ……良い感じの締めに移行しそうになったタイミングで、新聞部君から不満の声があがる。

 まぁ、本人が「良い思い出がない」とか言ってたし……ってわけで、目的も達成したし元に戻してあげてとMODさんに頼もうとしたのだけれど、肝心のMODさんの姿が何処にもない。

 

 思わず困惑する俺達の元に、上からひらりひらりと落ちてくる物が一つ。

 ……特に引っ張る意味もないのでその正体を明かすと、それは一枚の紙切れであった。

 裏面とおぼしき場所には何も書かれておらず、裏側──表に相当する部分には、走り書きと思われる一文が記されている。曰く、

 

 

「……『急な仕事が入ったので(KSH)』……だってさ」

はいっ!?

「そういえば、今の時期からやっておかないとまた名声が足りなくなる……とかなんとか言ってた」

「あの人一人だけなんか別法則に縛られてない?」

 

 

 前回もそうだったけど、今回もその辺りの設定引き継いでるのか……。

 ってことはまたその内彼女の魂の故郷的なあの国に行かなければならない……?

 

 とかなんとかうんざりしていると、その横で何かが落ちる音。

 それは新聞部君が持っていた祓串を地面に落としてしまった音で、見れば彼は顔を真っ青にして狼狽えていたのであった。

 

 

「つ、つまり、この状況は……?!」

「ああうん、その格好に変化させたMODさんが今この場に居ない以上、彼女が帰ってくるまではその姿のままだね」

 

 

 あれだ、装備欄に常に『(そうび):巫女服』って表示されているような状態、みたいな?

 一応、あくまで上からテスクチャを被せているだけであるため、その巫女服が何かに引っ掛かるとか水が沁みるとか、そういう被害は発生しないのは救い……救い?だとは思うけど。

 

 

「でも同時に何をしても巫女服固定ってことでもあるから、最悪湯船にその格好で浸かる……みたいな珍妙な光景が発生する可能性もあるね」

ギャー!!?

「滅茶苦茶嫌がるじゃん」

 

 

 なんでそんなに嫌がるのさ、って疑問が口をついて出そうになる位に嫌がるじゃん?

 いやまぁ、嫌な思い出があるとか言ってたし、それが仮にトラウマ級ならこの焦りようも納得だけど。

 ただ、どうにも彼の話を聞く限りそういうことではないようで……?

 

 

「この姿のままだと、不都合があるんですよ!」

「はぁ、不都合?そりゃ一体……ってあれ、DMさん?」

 

 

 慌てたように言葉を紡ぐ新聞部君の様子に首を傾げる俺。

 ……の、隣で動く相手の気配あり。それはDMさんだったわけなのだけれど……うん、なんか様子がおかしいね???

 

 

「……よく見ると、何だか甘やかしたくなる姿をしていらっしゃいますね……?」

「いやいいです!甘やかさなくていいですから!!」

「いえいえそう言わず。欲しいものなんでもあげちゃいますよー、何が欲しいです?世界の半分?不老不死?使いきれないほどの冨の山?」

「いりませんってば!?」

 

「……お、おう?」

「これはひどい。神の言葉を唯一聞けるから、凄まじく甘やかされてる」

「あ、そういう?」

 

 

 様子のおかしくなってしまったDMさんと、そんな彼女に迫られてたじたじとなっている新聞部君。

 この時俺は、彼が巫女の姿でいたくない理由をなんとなく察したのであった……。

 

 

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