「なるほど、神に愛されて過ぎて夜も眠れないのがデフォルトだと……」
「ありがた迷惑な話ですけどね。……一応、この姿の時だけの話なのが救いですが」
はてさて、新聞部君がこの姿のままだと困る理由。
それは彼が唯一、神の声を聞こえるという属性を持つせいで、神々がこぞって彼を甘やかしに来るから……という、構われ過ぎて辟易している猫みたいなものだったわけだが。
……うん、『唯一』って部分に引っ掛かりを覚える人多数だよね。
なんならDMさんなんて、こっちで普通に生徒として暮らしてるからみんなに言葉は届いているわけだし。
それなのに現在彼女は新聞部君を抱き寄せ、よーしよーしと頭を撫で続けているわけで。
というかこの間からDMさん、母属性発揮しまくりですね?
そんなキャラだったかなぁこの人……いやわりとすぐにこんな感じになってたなこの人?
みたいな感じで、微妙に困惑しきりな俺なのでありました。
「……ええまぁ、疑問に思うのは当然のこと。ですが逆にこうとも言えませんか?
「……んん?」
「なるほど、ここで問題となるのは
「んん……???」
いや、二人だけで勝手に納得されても困るんだけど?
ほら見てみろよ、TASさんなんてこの話が『
……ってな感じに説明を求めたところ、AUTOさんが分かりやすく説明してくれた内容は次のようなものであった。
曰く、神というのはそもそも形を持つものの方が珍しいということ。
現代の信仰薄い世界において、彼らは精神を保つことすら難しく、基本的には世界に融けて意思なき意思としてあるのだそうだ。
とはいえ、それでも彼らは歴とした神々。
常に世界を見守る彼らは、意思を持たずともそこに働きかけたい・話を聞いて欲しいと思い続けているのだそうで。
そういう相手から唯一、複雑な手続きを必要とせずに話を聞けるのが彼・新聞部君なのだとか。
「一応、普通の人でも準備をすればそれらの声を聞くことは可能。……ですが、大体の場合その準備というのは揃えることが不可能・ないし極端に難しい、いわゆる
「なるほど、結果として君の希少性を妨げるようなものじゃあない、と。……じゃあ、あからさまに力のある存在に分類されるはずのDMさんまであんな感じになってる理由は?」
「それこそ彼の述べたように、
「なるほど……」
で、DMさんがあんな感じなのも、AUTOさんの説明通り。
今姿を保てるほどの力があるからといって、それが永遠に続くわけでもない。
存在の根幹に人の信仰心を必要とする神々は、それらを失えば容易く消え去るという事実は変わらない。
ゆえに、自身が姿を失ったあとでも人々に言葉を繋ぐための窓口となりうる新聞部君の存在は、まさに命綱のようなものとなるのだそうな。
そりゃまぁ、甘い対応が出てきてしまうのも仕方あるまい。
……で、その話を聞いて思ったことが一つ。
「……人に声を届けられることが神様にとって嬉しいことなのだとするなら、もしかして最近DMさんが俺達に若干過保護だったのって」
「その辺りを改めて自覚した結果、今の状況をもたらしてくれた相手への感謝が溢れ出たから……ということなのかもしれませんね」
「……?なんで殴り倒したのに喜ばれるのかわからない」
「TASさんにとってはそうだろうね……」
もしかして、最近DMさんが寮母として張り切っていたのって、彼女が現在こうして暮らせるのが俺達の──厳密に言えばTASさんのお陰だと改めて気付いたからなのでは?
……みたいな予想が脳裏を過ったわけだけど、AUTOさんからは恐らく間違いないとお墨付きを貰うことになったのであった。
なお、TASさんの反応に関しては、新聞部君から『荒御霊か何かですか?』というツッコミを頂きました。
……微妙に否定し辛いこと言うの止めない?
荒ぶらないように対応すると何かしら益を得られそうって辺り、余計に。