うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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かわいそうなぼすとひさしぶりのそれ

「……それで、返す刀で件の組織も壊滅させてきた、と?」

「これがその首領。どやっ」<ドヤッ

ぴえん

「語彙力が極度に死んでる……」

 

 

 はてさて、画面の向こうでふんぞり返っていた(?)黒幕を取っ捕まえて帰宅した俺達。

 可哀想な黒幕さんは、隣で同人ちゃんの慰めを聞きながらさめざめと泣いていたのであった。

 

 

「……いや、私がどうとかは関係なく、普通に同情するっすよこの状況は……」

ぴえん

「治らないですねぇ、この人」

 

 

 つんつん、とダミ子さんがつついていたため、流石にそういうのは止めなさいと止めておく俺である。

 ……まぁ止めたからなんだ、と言われると困るのだけれど。

 

 ともあれ、連れてこられた黒幕さんは暫くしたのち、TASさんの手によって何処かへと送り込まれて(転送されて)いなくなった。

 多分最寄りの警察とかそういうところに投げた、ということなのだろうが……うん、強く生きてください()

 

 

「つーか、いきなり送られても困るんじゃねぇか?基本ああいうのって顔割れてねぇだろうし」

「あ、その辺りは私が予めあることないこと垂れ込んで起きました!」

「おいこら、ないこと垂れ込んでんじゃねぇ」

「あははは」

「笑い事か!?」

 

 

 そんな一連の流れにROUTEさんがツッコミを入れるけど……うむ、新聞部君のアシスト(?)によりその辺りはクリアされてるとのこと。

 ……いやこれクリアされてるかな?

 

 まぁともかく、こちらの手持ちの案件じゃなくなったことは確かなので、一旦思考から投げ捨てる俺である。

 

 

「薄情すぎない?」

「寧ろ牢屋の中の方が快適だったりする、みたいな話も聞くしあの人もきっと大丈夫だよ」

「そうかなぁ?」

 

 

 細かいことはいいんだよ!()

 ……ともあれ、当初の目的──MODさんの仕事を手伝って爆速で終わらせて帰ろう……みたいなものが果たされ、こうして再び日本の地を踏んだということは事実。

 となれば、元の目的に戻るのが筋、ということになるんだけど……。

 

 

「……なんか、時空が捩れてない?おかしくない?確か俺達その日の内に(?)帰ってきたよね?」

「もー、お兄さんってば寝惚けてる。今日はこっちを出てから二日経過、他のみんなはしっかり仕事を終わらせてるよ?」

「アレー!?壁も塗り終わってマース!?」

「会心のできぞ!」

 

 

 何やら帰ってくる時?もしくは向こうに行く時?……に、時空が歪んでしまっていたらしく。

 こちらに着いた時、本来引き続いて行うはずだった作業──日本被れさんなら壁塗り──などは、すっかり完了してしまっていたのであった。

 いやまぁ、二日も経過しててこの面々で仕事が終わらない、なんて可能性は万に一つもないので当たり前なのだが。

 

 

「ふむふむ。いきなり地下に潜って何をしているのかと思えば──なるほど。身も蓋もない物言いをすれば、君達は秘密基地の建築中だったと言うわけだね」

「はっはっはっその通りでs敵襲ー!敵襲ー!!

「おや?」

 

 

 そうして崩れ落ちる日本被れさんを前に、小さく苦笑をしていたら──聞き覚えのない、否や()()()()()()()声が隣から聞こえてきたことに、思わず大声をあげてしまった俺なのである。

 え、なんでいきなり叫びだしたのかって?そりゃ勿論、

 

 

()()()()()()ことを言わせて貰うと、そういう奇行が周囲からの悪評に繋がっていると、僕は思うのだけどね?」

「ふ、()()()()()……だと!?」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()──不思議さんの姿がそこにあったからである。

 そりゃもう、異常事態に叫びだすこと請け合いと言うものだ。

 ──そしてそれは、とある人物の情動を激しく揺さぶるものであり。

 

 

「──()!」

「うむ?」

 

 

 その当人、MODさんが彼女に走り寄って行くのも当たり前のこと。

 感極まってなのか、はたまた他の何かか。

 とはいえそれも些細なこと、何せ彼女はMODさんにとっての──、

 

 

「──こら」

「あだっ!?な、なな何をするっ!?」

 

 

 どっこい、そんな感動的な場面は訪れない。

 彼女の胸に飛び込むかのようにして抱きつくはずだったMODさんは、その直前で相手からの妨害──具体的には脳天へのチョップ──によって、無惨にも停止させられたのであった。

 これにはMODさんも珍しく激おこ。()

 

 だがしかし、そうして憤慨する彼女を前にした不思議さんは、されどそれに怯むことなくこう言い返したのであった。

 

 

「確かにここは学校ではないけど、幾ら家族とはいえ気安く名前を呼ぶものじゃあないよ、特に他の生徒の居る前ではね」

「ぬぐっ」

「ははは。まぁ、身も蓋もないことを言えば──()()()()が胸に飛び込んでくる、というシチュエーションそのものは、ちょっと惜しいけどね」

「────はい?」

 

 

 その言葉を受け、思わず固まるMODさん(と、俺)。

 いやだって、気のせいじゃなければ、不思議さんはMODさんにとって、

 

 

「……ん?どうしたんだい君まで固まって。……あ、もしかして恋人()との会瀬を邪魔しに来たと思ってる?」

「  」

ぬわっ!?突然額を壁に打ち付けた!?一体何が!?」

「すみません夢なら覚めて欲しいんですが???」

「失礼なこと言ってないかね君?!」

 

 

 本来は妹、のはず。

 にも関わらず、まるで姉のように振る舞ったうえ、何やら聞き捨てのならないことを述べ始めた彼女の姿に、俺は思わず目眩を感じていた()のだった。

 

 ──MODさん編、まだ終わってないやんけ!!

 

 

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