「……いつと言わず、帰ってくる最中だよな、変なことになったの」<ジッ
「そうだね、二日ほどのずれ、というのはこちらの思っていた以上に深刻だったということだ」<ジッ
「……エエと、すみマセン。結局どういうコトなんデスか……?」
「「全てはTASのせい」」
「お、オー……」
「人聞きが悪い。私もちょっと想定外」
はてさて、嵐のように過ぎ去っていった不思議さん(仮)。
彼女は本来、異世界へと飛ばされたMODさんの妹、という立ち位置の人物なのだけれど。
……うん、さっきは何故か姉面してましたね?
なんなら角度を変えてあれこれ攻め立てて見たけど、その全てを普通にあしらって
はい、異世界だけじゃなく並行世界案件ですねこれ。……普通にキャパオーバーなんだが???
……並行世界説は何も
「……ROUTEさんがっ、俺達のROUTEさんが……」
「あーまぁ私達のかどうかはともかく、インパクトのある変化だったことは確かだね……」
「
その中でも一番のインパクトを残したのが、何を隠そうROUTEさん。
粗暴で粗野な部分が表面的な彼女は、されどこちら側では楚々にして可憐な文学少女だったのである。……いや、年齢的には少女ではないか?
まぁともかく、見た目的なインパクトが一番強かったのは間違いない。
無論、一番大きな変化がそこというだけで、他の面々も大小様々な変化があった。
そこから、俺達は向こうから帰る際についでに世界の壁も越えてしまったのだろう、と判断したわけである。
「一時期はどうやって世界を越えようか、なんて頭を悩ませたこともあったけど……ははっ、こんなにあっさり越えられるなら、あの時の俺達の苦労はなんだったんだろうな……」
「生憎とお兄さん、異世界と並行世界はまた別」
「仮に別だとしても気分的には似たようなもんなんだよぉ!!」
「むぅ」
心外とばかりにTASさんが声をあげるけどうるせぇ!そんな詳しくない人間からしてみれば大差ないんだよぉ!
……まぁ、嘆いても仕方ないのは本当のことなのだが。
「……っていうか、よくよく考えたら不思議さんが普通に居るってのもおかしいよな?あの人他所の世界に飛ばされてたわけだし」
「その辺りは並行世界ゆえ、ってことなんだろうけど……それ以外にも変化がありそうだね、この分だと」
「そうデスねー。恋人とか言ってたのもありマスし……って
「触れないようにしてたところに触れたからだよぉ!!」
「お、oh……
何せそんなことが屁でもないくらいな大問題が控えてるからな!(白目)
……いやなんやねん恋人て。さっきもちょくちょくニヤニヤしながら不思議さんが聞いてきたけども。
「っていうか冷静に考えてこっちの俺ヤバくねー!?高校生と恋人とか取っ捕まる奴じゃねー!?」
「刑法第百七十四条辺りからとかあと青少年保護育成条例とか?」
「ぎゃー!?生々しい話をするんじゃねー!!?」
TASさんの口からそんなこと聞きたくなかったよ!!
……え?
そりゃそうだけどさ!主にルールの隙間を突くため的な意味で!!
ともかくだ、元のMODさんは(地味に年齢不詳なので)ともかく、こっちの世界の彼女は不思議さんの妹……すなわち学年通りの年齢である可能性が高い。
ってことはだ、つまりこっちの俺は生徒である彼女と……?
「うわああああああああ」
「先生が激しく動揺してマース!?」
「これは不味い。このまま放っておくとお兄さんが罪の意識から自爆してしまう」
「えっ」
「仕方がないからこうする。斜め四十五度」
「機械修理!?」
「寧ろその衝撃で死なないかい?脊髄断裂とかで」
「大丈夫。峰打ち」
「手刀って何処が峰だい???」
なんと、なんと恐ろしいことをしているのか並行世界の俺!お前は世界中の人間達の敵だ!恥だ!
自分ではない自分の恐ろしい行動は俺の息を阻害し、そのまま真綿の如く首を絞めてくる。
聞こえてくるだろう、どこらかともなく響いてくる「犯罪者」の合唱!つまり俺はここでゲームオーバーだ!(錯乱)
こうなったら責任をもって俺の命であがなうしかねぇ!!
ゆえに脇目も振らずにその命の灯火をこの場で終わらせようとした俺であったが、いざ行動する前に首元に飛んできたのは容赦ないTASさんの気付け()だったのであった。
……正気に戻った代わりにこの場で死にそうなんですがそれは。
あれですか、やっぱり俺はこの場で死ぬしかなかったということですか。未来は変わらないのですか。
何故か中空でサムズアップするスタンドさん(『お主の冒険はここで終わりじゃよー』とか言ってた)を幻視しながら、俺の意識は暗闇に呑まれて行くのであった……。