うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

557 / 728
男はケダモノなのよ、気を付けるように(適当)

「……ところがどっこい終わりません、贖罪の旅はここから……それこそが現実……ッ!!」

「起きて早々何言ってるんだい君?」

 

 

 暗闇に呑まれた俺の意識が再浮上し、写った景色は見知った天井であった。

 どうやら自身の部屋まで担ぎ込まれたらしい。

 敷かれた自身の布団を退かしながら上半身を起こせば、すぐ隣にはこちらを呆れたような顔で見るMODさんが、畳の上に正座した状態で居座っていたのであった。

 

 …………ふむ。

 

 

実は俺を亡き者にしようとしてます???

言っておくけど反対側にTAS君達もいるからね?

「おおっと」

 

 

 自室で二人きり……恋人と目されている……なるほど、これは死亡フラグじゃな?(白目)

 

 よもやMODさんが積極的に俺を殺しに来るとは思わなんだが、こうなってしまっては仕方がない。

 一応その辺りの意思があるのかを確認したのち、即座に腹を切るか……と構えた俺は、続く彼女の言葉に一旦その判断を脇に置くことにしたのであった。

 

 

「なんで保留?」

「こっちの俺がとんだクソ(ハーレム志望)野郎の可能性があるから」

こっちの君のこと信用してなさすぎじゃないかい???

 

 

 いやだって、ねぇ?

 さっきの不思議さんの反応見るに、多分こっちの俺『法律はともかく僕は許すよ?』レベルで相手を納得させてる可能性大だったし。

 ってことはだ。女子寮管理者の男先生……なんてポジションを悪用しないわけがないのだ、多分。

 

 

「男なんてのはなぁ、一枚皮を剥けば全部狼なんだよぉ!」

「どうにも錯乱しっぱ。仕方ないから強行手段」

うわぁぁぁぁぁ女になるぅぅぅぅぅぅっ!?

「なんか色々と酷い台詞デース……」

 

 

 そんな感じに喚き散らしていた俺は、TASさんによる強制性転換によりどうにか落ち着きを取り戻したのであった。

 

 

「……まさか(こっち)の姿に安らぎを覚える時が来るとは……」

「重症デスね、これはさっさと元の世界に戻らないとヤバいことになるやつデース」

「確かに……」

 

 

 このままでは以前までの俺に忌避感を抱く羽目になる!

 ってなわけで、早急に元の世界に戻る手段を模索することを決めた俺達なのであった。

 

 ……あったんだけども。

 

 

「……前の時と同じように、できるなら『偶然』帰った方がいいんだよね、これ」

「ん。その時に比べれば緩いけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのは変わってない」

「そっかー」

 

 

 お目こぼしがある、ということだろうか?

 ……まぁともかく、あからさまに転移技能を使って戻った、とかすると向こうに帰れても別の問題が発生しかねない、というのは変わらないらしい。

 

 なので、それとなーくなんとなーく戻れるきっかけがあればいいなー?

 ……的な動きをしないといけないらしい、面倒臭っ。

 

 

「というか、()達と入れ替わりでこっちの()が向こうに行ってる、とかないよね?仮にその場合、軟派でチャラ男な俺が向こうでぐへへ、とかしてないよね???」

「先生の心配の仕方が色々とおかしいデース……」

「ん、その辺りは大丈夫」

「どこがさぁ!?」

()も一緒にいるから」

「……そうですねなら大丈夫ですね」

「うわぁ!?いきなり落ち着かナイでくだサーイ!?」

 

 

 それとは別に、こっちの俺が元の世界で無法を働いてないか?……という心配もなくはなかったが、そっちは『こっちのTASさん』が一緒に向こうに行っている、という発言であっさりと霧散した。

 

 いやまぁ、たまーに例外?っぽいのもあるけど、基本的に()ってばTASさんに頭が上がらないのがほとんどだからね!

 じゃあまぁ、お目付け役(TASさん)付きなら下手なことはできないかぁ……と冷静になったわけである。

 

 

「……ん?こっちにもTASさんが居たってのは間違いないんだよね?」

「ん。じゃないとそもそも繋がらない」

「……もしかするんだけど、私達がこっちに来たのってこっちのTASさんのせいだったりするのでは……?」

「あ」

「あっ、ておま」

 

 

 まぁ、冷静になったらなったで、MODさんからの指摘に固まる羽目になったんですけどね(白目)

 ……うん、そもそも他所の世界には偶然じゃないと移動しないとは言いつつ、TASさんが関わってるなら半ば必然の言い換えでしかないのも事実なわけで。

 

 で、目の前のTASさんが『違う』と言ったからと言って、他のTASさんまでそうかと言われればノーだろう。

 すなわち、私達がこんなことになってるのはこっちの世界のTASさんのせい、という予測だって立てておくべきなのだ。

 ……今気付いた、みたいなTASさんの様子からするに、どうやらその予測は正解だったようである。

 

 となれば、だ。

 

 

「……目的によってはさっさと帰らないとヤバいのでは?」

「「…………」」

 

 

 思ったより状況は安泰じゃないかも、という疑念も浮かぶのが筋、ということになるわけだ。

 いやどないしろと!?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。