うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

559 / 728
永遠なんてあり得ないから()

「……なんてことだ、TASさんの退屈は止められない!寧ろ加速する!!」

「お姉さんに文句を言いたいのは山々だけど……個人的にも、ないとは言いきれない」

「本人からお墨付きが出てしまった……!!」

 

 

 本人(TASさん)の感性的にも、面白いと言えてしまうような世界。

 ならば、早々に飽きが来ることなんてないはずなんだけど……それもあくまで外から見た時の話。

 この世界における彼女が、同じようにこの世界を面白いと思っているとは断言できない……というのは、ある意味盲点であった。

 

 

「……いいいいやでも、こっちのTASさんだって同じ世界(さくひん)ずっとヘビロテ(繰り返)してるけど、全然飽きてる様子ないし!!」

「お姉さんお姉さん」

「何?!」

「毎回同じルートを繰り返してるわけじゃない。微細でも違いがあるから、私はそこら辺を楽しみにしてる」

「   」

 

 

 とはいえ、飽きたなんだはこっちのTASさんにだって言えること。

 特に彼女は何度も同じ世界を繰り返してるのだ、ならば飽きだって既に来ていてもおかしくないはず……という主張は、他ならぬTASさん自身の言葉によって否定されてしまったのであった。

 ……うん、ROUTEさんが出てきたのが前回ループが初、って時点で毎回同じことしてるわけじゃないのは自明でしたね……。

 

 

「……いや待った!こっちにもROUTEさんは居たんだから、こっちのTASさんだって同じように繰り返してて、かつ同じように細かな違いを楽しんでる可能性も……!!」

「繰り返していなかったとしたら、どうだい?」

「ゑ」

「そもそも繰り返してる世界の方が珍しい、とすればどうだい?……他の彼女(TAS君)からしてみれば、繰り返している私達の世界は羨ましい、なんて可能性も出てくるんじゃないのかな?」

「別方向でこっちのTASさんがやらかす理由が飛んできた!?」

 

 

 そういえば他所からこっちに来る(※手段・形態問わず)TASさんはいるけど、こっちから他所にTASさんが向かってる様子は(積極的には)ありませんでしたね!

 無論タイミングが許せば普通に行く時もあるけど、そうじゃなければそもそも他所に興味が無さげ、というのがうちのTASさんだ。

 

 それがもし、現状の彼女が恵まれているからだとしたら?

 他所の世界のTASさんは、現状に甘んじることを由としていない……もしくは、今の環境に不満があるのだとすれば?

 ……はい、何より恐ろしい侵略者の誕生ですね(白目)

 

 

「あば、あばばばばばば、どどどどどうすればいいんだこりゃ一体!?」

「お、落ち着いてくだサイ先生!貴方が慌てると私もアバババババババ」

(引き摺られてる……)

 

 

 これが落ち着いていられようか?

 だってTASさんがやらかす……のはまぁいつものことだけど、積極的に敵対してくるなんて珍しいどころの話ではない。

 それも単にゲームとかやってて対決する羽目になった、なんてなまっちょろい話じゃなく、ともすれば世界そのものを敵に回すようなレベルの話。

 正直言って、私のキャパなんかとうに越してるんだよぉ!!

 

 そんなわけで、日本被れさんと一緒になって涙目で大慌てしている私なのでありましたとさ。

 ……え?途中の発言(やらかす云々)のせいでTASさんからの眼差しが怖い?ははは言わんといて下さい()

 

 

「ふむ。整理すると……こっちの君が何をやらかすかわからなくて怖い。それからこっちのTAS君が何をやらかすかわからなくて怖い……ということになるのかな?」

「怖いの方向性が全く違うけどね……」

 

 

 一人だけ冷静なMODさんが、代表して現状を纏めてくれる。

 

 まずはこっちの()。なんかMODさんと付き合ってるっぽいんだけど、それだけで話が終わってる気がしなくて怖い()

 いやね、衝撃的な姿のROUTEさんのせいで目立たなかったけど、他の面々からの視線がなんかねっとり()してたんだよね……。

 なんなら成金君や新聞部君からの視線までそんな感じだったから、正直こっちの世界の詳細を知るのが怖いというか、そんなとこ出身のこっちの()が向こうで何をやらかすかわからなくて怖いと言うか……()

 

 そんで二つ目、さっきとは方向性が違うが、寧ろ現状において一番ヤバい問題の種、こっちのTASさん。

 恐らく私達がこっちに来るきっかけを作ったのが彼女なのだが、それをやった理由を予測する度に地雷が掘り起こされてる感覚ががが。

 

 何より問題なのは、こっちのTASさんが本気だった場合。

 ……向こうにはAUTOさん達もいるが、それでも戦力差は圧倒的。

 一騎当千の言葉が、精々一騎当()になる程度に勢いを削ることしかできないだろう。

 

 一応、CHEATちゃんが真の力()を発揮すれば、なんとかなるかもしれないけど……。

 

 

「その場合『勝った方が我々の敵になる』というパターンなわけだね」

「真の力って、要するに良心の呵責とか全部投げ捨てた状態のことだからなぁ……」

 

 

 そこまでやってすら五分なのだ、正直終わったんじゃねぇかな向こうの世界、的な気分が漂ってくるというか……。

 

 

「──なるほど、話は聞かせて貰ったわ」

「はっ、この声は?!」

「え、誰?」

 

 

 そんな風に意気消沈とする私達に、どこからか投げ掛けられたのは一人の女性の声。

 聞き覚えのあるそれが発せられた方向に、私が顔を向ければ。

 

 

「──宣言するわ。貴方達の世界は滅ぼちょっと待って美少女しかいないんだけど何ここ天国???

「うわぁ残念な美女(部長さん)だ」

 

 

 真面目モードで話し掛けてきた……のに、直ぐ様それを崩してしまった残念な美女……もとい、部長さんの姿があったのだった。

 ……うん、不思議さんがいるんだからそりゃいるよね、というか?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。