うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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みんなの頼れるお姉さんよ!(欺瞞)

「おおっと、なんだか勘違いされてるような気がするから始めに言っておくけど、私は君の知ってる私で間違いないわよ!本当は違うんだけど説明ややこしいからそういうことで納得しておいて!」

「はぁ……ところで、なんでTASさんを抱き抱えて頭を撫でてるんです?」

「なんでって……そんなの、ようやく実物に会えたからに決まってるでしょ?!前回は写真の中だったし!こんな美ロリを前に抱き締めることもできなかった前回の私に謝れ!!」

「ええ……何この人すっごい面倒臭い……」

 

 

 色々と聞きたいこともあるのだが、なんかハイ()テンション過ぎて躊躇が勝るというか……。

 

 ともかく、私も知ってる部長さんらしき人が近付いてきたわけなのだけれど。

 ……うん、こっちの知ってる姿そのままなのはどういう了見なので?

 

 

「どういう了見、とは?」

「いやそこで不思議そうにこっちを見られても……そもそも不思議さんが先生になってたりする辺り、部長さんだって変化があって然るべきでしょう?」

「それはつまりあれね?私がいつまでも綺麗で美しいと言いたいのね?いい心掛けだわ」

「誰もそんなこと言ってねぇ」

 

 

 思い起こすのは、こちらの世界の不思議さんのこと。

 彼女はどうにも以前出会った彼女とは別人らしく、ゆえに見た目にも多少の変化があった。

 具体的にはあっちより幾分歳を重ねた感が見えた、というか?

 まぁ元々中高生くらいに見えていたのが、そこから高校~大学生くらいの年齢の見た目に変化した、くらいの変化なのだが。

 ……教師になれる年齢、ってことは相応に歳取ってるはずなのに若すぎやしないあの人?

 

 でもまぁ、それを踏まえてもなおおかしいのがこっちの部長さん。

 何せ彼女、どこからどう見ても高校生くらいにしか見えないのである。

 以前別のところで出会った時も大学生には見えなかったが、こっちでも不思議さんとの年齢差が変わらないのなら、彼女だって相応に歳を取ってるはず。

 ……まったく変化無し、というのは流石におかしくないだろうか?

 

 

「んー、その辺りは企業秘密と言うことでお願いするわ。良い女には秘密が付き物、でしょ?」

「そうですね、秘密は最高のスパイスというものです……!」

「あら、気が合うわね妹ちゃん。いえーい♪」

「いえーい♪」

(の、ノリに付いて行けマセン!?)

 

 

 そんな私の疑問を前に、彼女はのらりくらりとすっとぼけるばかり。

 なんなら横のMODさんと謎のシンパシーを感じ始める始末である。……はしゃぐのは止めろ!収拾が付かなくなるだろ!?

 

 

「というか、私のことをどうこう言う前に、貴方の方こそ色々とおかしくないかしら?確か貴方、生物学的には男性だったわよね?」

「ぬぐっ」

「まさか遅れてきた転生特典?美少女になりたーい、とか願っちゃった系?」

「そんなことは……なくもないなぁ……

「……うん、事情があるのはわかったから、元気だしなさいよ」

 

 

 はは、笑えよ皆の者。これが道化の姿じゃ(自虐)。

 

 ……前回までならいざ知らず、今回に関しては自ら望んで選んだようなもの。

 それゆえ、部長さんの妄言も否定しきれない私である。

 お陰さまでさっきまでおちゃらけてた部長さんがマジ顔で慰めて来る始末である。……うるせー優しくすんな寧ろ嘲笑えー!!

 

 

「そう?じゃあお言葉に甘えまして……舐め回してもいい?

!?

「止めんか」

あ痛ぁっ!?ほし、星が出た!今絶対目玉から星が飛び散った!?」

「そうかよかったな。じゃあそのまま悪いもの全部絞り出そうな」

「ぎゃー!?止めて止めてこめかみを抉るの止めてー!?」

「ひぃ……!?」

 

 

 突然現れた第三者によって、部長さんがマットに瞬く間に沈められた!?()

 ……というかなんださっきの部長さんのムーヴ、一瞬身の毛のよだつような悪寒を感じたんだけど……。

 

 流れるようにあれこれ起きすぎて正直混乱中の私に、部長さんを撃沈させた人物──いつぞやかに(世界を移動する際に)すれ違ったメイド服の誰かは、こっちの視線に気付くや否やさっと頭を下げてきたのであった。

 

 

「うちの馬鹿が悪かった。後でよく言い聞かせておくから、今回のことは不問にしてくれると嬉しい。こんなのでも俺の家族なんでな」

「はぁ、それはどうもご丁寧に……家族ぅ!?

 

 

 混乱に混乱を被せてくるの止めません???

 ……見た目メイドの美少女でしかないその人物は、されど女性にしては低めの声でこちらに謝りながら、唐突な爆弾発言を投下。

 よく見りゃ薬指にリングしてらっしゃるんですけど、もしかしてもしかしなくても家族ってそういう意味でいらっしゃる???

 

 困惑しきりのこちらの様子を不審に思ったのか、彼……彼?は小さく首を捻ったのち、何かを納得したように頷きながら声を発したのであった。

 

 

「こいつからは『相方』とか『相棒』とかって呼ばれてる。それだとわかり辛いだろうから、気軽に『コス子』とでも呼んでくれ」

「ツッコミ処で畳み掛けてくるの止めませんかー!?」

「……ん?」

 

 

 何かおかしなこと言ったか?

 とばかりに再度首を捻る彼──コス子さん?とやらに、私は思わず頭を抱えたのであった……。

 

 

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