「うーん、いけると思ったんだけどなー。男の娘な我が相棒に続いて、後天的に性転換をした他所の世界の知り合い……ほらー、ルート入るやつじゃねー?これ追加ディスクでちょい役がヒロインに抜粋されるやつじゃねー?」
「寝言は寝て言え」
「ははーっ、相棒が辛辣ぅー!」
……なんだこの状況?
部長さんがひたすらコス子さん()にド突かれ続けているのだが、それにしてはなんだか痛そうというより嬉しそうな。
つまり遠回しにイチャ付いてると言い換えてもいいような状況なわけだけど、これを見せられた私達はどう反応すればいいんです……?
そんな感じで困惑しきりだが、その状況を打破してくれるのが我らがTASさんなのであった。空気を読まないともいう。
「お姉さんには後で話があります。……それはともかく、さっき言ってたことを詳しく説明して欲しい」
「さっき言ってたこと?」
「わぁ相棒からの視線が
……この数分で二人の力関係がよーくわかった。
もし今度部長さんが何か問題行動を起こすことがあれば、その時は迅速にコス子さんに告げ口することにしよう。(そんな殺生な、と喚く部長さんは無視)
「ええと、さっきの話。さっきの話ってーと、確か貴方達の世界は滅ぼー、まで言ったやつよね?」
「そうだけど……君、さっきと口調が違わないかい?」
「どっちも私の素よ、気にしないで」
ここで話すにはちょっと長い話なので……ってなわけで、私の部屋まで移動したわけなんだけど。
うん……
具体的に言葉にしろと言われても困るけど、なんかこう『違うなー』って気分になるというか。
とはいえここ以外に移動する先もなく、仕方なく遠い自分の部屋を使わせて貰うことにしたのだった。
……お、こんなところにお菓子隠してある。
隣のMODさんが微妙な顔をしている気がする?気のせい気のせい。
まぁともかく、人数分の座布団を出して机の前に座った私達は、改めて部長さんに対峙。
先程彼女が口にしかけた『滅ぼ』云々の話に焦点を当てたわけだけど。
「私が未来視能力持ち、ってのは話したことあったっけ?」
「え?……いやどうだろう、聞いた覚えはないかも」
「なるほど。じゃあまぁ今から言う私の台詞はそれを前提とした上で聞いて頂戴な」
「はぁ……」
……なんか、未来視能力持ち多くね?
TASさんは言わずもがなだし、こっちはどうか知らんけどROUTEさんだってそうだ。
作劇とかだと扱い辛すぎる能力なので、こうして二人以上揃うことなんてほとんどないと思うんだけども。
そんな私の言葉に、部長さんは『ああ、こっちのROUTEちゃん?とやらは多分未来視持ってないわよ』と軽ーく述べたのだった。……いやホントに軽いな?
「今の君の発言は中々鋭いところを突いていてね。基本的に、未来視能力者なんてのは早々集うことはないのよ。他所の世界はいざ知らず、少なくともこの世界では……ね」
「……部長さんこの世界の人ではないんじゃ?」
「だからこそよ。さっきややこしいとか言ったけど、今の私はこの世界の私に意識を憑依させてるだけなんだもの」
「俺はそれに巻き込まれた。実のところこういう経験は一度や二度じゃ利かないけど、いい加減慣れた」
「コス子さん……」
やだ、なんだか知らないけど今のやり取りで急激にコス子さんへの親近感が上がったわ!主に
その辺は向こうも同じだったのか、こちらの視線に気付いた彼?はこっちに小さく頷いてくれたのだった。……意味があるかは知らんけど、後で連絡先交換したい。
「言っておくけど、
「はいはい。変なところで独占欲発揮してなくていいから、さっさと続きを話せって」
「むぅ、さっきから相棒が冷たい……」
「後で優しくしてやるから」
「やんもう!相棒ったら飴と鞭の使い分けが上手!好き!」
「いいから。さっさと話して」
「「あっはい」」
なんて茶番が繰り広げられていることにいい加減我慢の限界が来たのか、あんまり見たことのない剣幕で先を促したTASさんなのであった。……
「あーうん、これ以上時間を掛けるとそろそろ命の危機を感じるから大雑把に必要なことだけ喋るけど……実のところ今回の話、並行世界崩壊級の話なのよね」
「なんだって???」
で、再度話を始めた結果、ドドーンと本題が明かされたわけなんだけど。
……うん、思ったより大きな話だったねこれ???
スケールが大きすぎて思わず宇宙猫になる私達に、部長さんはさもありなんとばかりに大きく頷いていたのだった。
……あ、TASさんだけは「春の特大スペシャル!」とばかりに嬉しそうにしてたんですけどね()