うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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思ったより大事だった()

 こっちの世界のTASさんが引き起こしたと思われる今回の事件。

 どうやらそれは、この世界の危機どころか並行世界を含んだレベルの話のようで……?

 

 思わず困惑する私達に、部長さんはその子細を話し始めたのだった。

 

 

「あれは今から三年……いや六千五百年前の話だったかしら?」

おい

「いや違うの、みんな緊張してるからちょっとそれを解そうとね?」

 

 

 懲りないなこの人()

 隣のコス子さんに冷ややかな視線を向けられ、『あっでも相棒のその視線いい』とかなんとか寝言をほざいていた彼女は、そのままチラリと横に顔を向けた際に、その顔色をあっという間に真っ青に染めたのであった。

 ……何があったか?察しろ、私は隣を確認したくない(白目)

 

 まぁともかく、命の危機を感じてまでふざけ倒す人ではなかったようで、彼女は本当の子細を語りだしたのである。

 ……さっきも同じこと言ってたとか言うのは禁句。

 

 

「まず大前提なんだけど──私ってば転生者なのよね」

「いきなりぶっ込みやがったなこの人……あ゛っストップ!申し訳ないんだけど説明ストップ!!」

「え?なんでよ?ちゃんと真面目に話そうと思っ……!?」

 

 

 で、彼女は今後の話の前提となること、と称して自身のことを説明し始めたのだが……内容が非常によろしくなかった。

 なんでって?隣のTASさんが興奮し始めたからだよ!!(絶望)

 

 

「お姉さん」<ガシッ

「は、はい?」

「私は貴方を見誤ってた。まさかそんなに重要な人材だとは思ってなかった。つまり何が言いたいかと言うと──貴方が欲しい

あ゛っ

「──結婚を前提にお付き合いお願げふぅっ!?

「おう、未成年略取だバカ野郎」

 

 

 ほら見ろ、真面目な空気に傾き始めてたのに、すっかりご覧の有り様だよ!!

 

 何があれって、TASさん的には『自分の更なる飛躍のために』物珍しい()部長さんを確保したい、みたいなノリなのに対し。

 相手側の部長さんは、意図的に誤解をして結婚を申し込み始めた……というギャグ以外の何物でもない構図が、その実彼女達の未来視技能持ちとしての性能の違いを表しているという頭の痛い事実が含まれてる部分だよ!

 多分部長さんはコス子さんに思いっきりド突かれたことの方が痛いだろうけど!!

 

 

何言ってるんデスか(what's)!?」

「あーなるほど。TAS君が彼女を欲しがったのは、相手が自身の予測を悉く外しているから。そして彼女がそんなことをできる理由は、偏にTAS君の未来視を察知して事前に引っ掛からないように動いているから……ということだね?」

なにいってるんデスか(what's)???」

 

 

 そんな私の言葉に思わず叫んだ日本被れさんと、冷静にこちらの言いたいことを分析してくれるMODさん。

 ……これ収拾付かねえな?などと思い至った私は多分悪くない。

 

 

 

;´・A・

 

 

 

「えー話を纏めると。君がうちのを欲しがったのは自身のレベルアップのため」

「うん」

「うちのバカが結婚だなんだだの言い出すのはよくあることだからよく言い聞かせるとして」

ギャー!?アイボウストップストップ!!ワタシシヌ!コノママダトフツウニシヌ!?ニギャーッ!!?

(……物理的に(コブラツイストで)お話してる……)

 

 

 はてさて、こういう展開に慣れていらっしゃるのか、とりあえず一番の問題発言をしていた身内(部長さん)に制裁をぶちかまし、空気感を強制的に真面目な方向に修正し直したコス子さん。

 ……意外と強いなこの人、なんて感想が思い浮かんだが、口に出すとまた話が逸れそうなので脳裏に留めておく私である。

 

 ともあれ、話題は戻って部長さんが転生者だなんだの話。

 大雑把に言えば、彼女はよくあるネット小説の主人公みたいな経歴、ということになるわけだが……。

 

 

「偏見まみれじゃないその例え方?……まぁともかく、私には前世の記憶って奴があるのよね。そこから、ちょっとそれ由来の能力を幾つか持ってるってわけ」

「転生特典だ……」

「なるほど美少女なのも特典……」

「……おあいにくさまだけど、この美貌に関しては自前よ!女と生まれたからには、誰でも一度は夢見る願望を努力して叶えたってだけの話!」

「……一応ツッコんでおくが、今の俺達本来の姿じゃないからな?ほとんど同じだからあれだけど」

「…………そういえばそうだったわね」

 

 この人達、どうしてこうも締まらないのだろうか?

 ……そんなこちらの視線を感じたのか、ごまかすように一つ咳払いをしながら部長さんは話を続ける。

 

 

「とにかく。私がちょっと不思議な力を持っている、というのは事実。……で、その不思議な能力である日、私はとんでもない事実に気付いたの」

「とんでもない事実?」

「仰ぎ見た遠い世界。そこに、見通せない未明の無が広がっているということに」

「未明の無……?」

「TASちゃんにはわかるんじゃない?今しがた貴方が私を見て思ったこと。──それが、あちこちの世界に広がっていたのよ」

「……なるほど。つまり貴方を倒せばクリアー?」

そう聞こえなくもない言い方をした私が悪かったから、思いっきり血祭りにあげようとするの止めて貰える?!違うから!私倒しても何にもドロップしないから!!」

「ちぇー」

 

 

 ……最終的にうちのTASさんが話をとっ散らかしたけど、私は元気です()

 

 

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