うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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思った数倍ヤバかった()

 はてさて、ついに男子寮に隠していた二人の存在が明るみに出たわけですが。

 

 

「……ふむ、なるほどなるほど。そちらの方も含め、皆様本来の性別と現在の性別が異なっている、と」

「は、ははは……」

 

 

 ええはい、すっかり二人について説明させられた挙げ句、前回は逃げられていたダミ子さんまで巻き込まれる始末にございます()

 幸いにして、この三人を犠牲にすることにより私についての話はまだ気付かれてないみたいだけど……正直風前の灯でしかない気がするのは私の気のせいじゃないと思う()

 なんでかって言うとね?妹のこちらを見る目がね?半ば何かを確信したモノに変わっていてね?

 ……うん、正直恐怖しか感じない。だってほら、うちの妹ってば、

 

 

「相手をひたすらに詰るのが趣味「……素晴らしい」……なんだって?」

 

 

 皆様お察しの通り、うちの妹は他人を罵倒するのが趣味……?(何か変な言葉が聞こえたため思考フリーズ中)

 思わず視線を向けた先、うちの妹はというと。

 仄かに頬を上気させ、潤んだ眼差しを向けながら薄く微笑んでいた。……端的に言うとヤバい笑みを浮かべていた。

 

 なお、そんな笑みを浮かべていた当人はというと、暫くして周囲の唖然とした表情に気付いたのか、はっとした顔を浮かべたあと何事もなかったような澄まし顔を浮かべ直していたのだった。

 ……ええと、既にツッコミ処が多いんだけど。

 

 

「……その、素晴らしいとは何が素晴らしいので……?」

「……隠しても意味はありませんね。ええ、その通りです。他人を罵倒するのが趣味、などというのは仮初めの姿……」

「え?仮初め?」

「その実態は、いつか相手に反逆されたいと願うばかりの哀れな存在……」

「はい????」

 

 

 とりあえず、目先で一番気になったところに触れた結果、なんかとんでもない地雷を掘り起こしたっぽいんですけどどうすれば???

 ……ええと、わからせられたい系ってやつ?誘い受け?

 色んな言葉が脳裏に浮かんでは消えるけど、正直我が妹がなんか変なことを言い出した、という衝撃の方が強すぎるというか……。

 

 

「ですが、別に相手を詰ること自体は嫌い……というわけでもないのです。最初の内は相手の反抗を促すためのモノでしたが、長くやっているうちに──()()()()()()()()に、それもまた良いものだと思うようになってきましたので」

「待って?ねぇ色々と待って???」

 

 

 衝撃的なことを次々に明かしていくの止めない?

 いやまぁ、こっちが触れちゃったから仕方なく、って部分もなくはないんだろうけどさぁ!?

 それでもこう、この話の流れで最後にどうなるのか、ってのが段々予測できなくなってきたからもうこの辺で切り上げたいかなぁって私思ってきたんだよね!!?

 

 そんなこちらの言葉など知らぬとばかりに、段々ヒートアップしてきた妹の口調。

 戻したはずの頬の赤らみすら戻ってきて、今やその表情は恍惚そのもの……。

 

 

「ええ、ええ。詰って折れるのもいい、折れずにこちらを睨み付けるのもいい……無論、そこからこちらに反抗して下さるのも良いですが、どうしようもなく堕ちていく様を見るのもまた乙なもの……!そういう意味で、貴方達は私的にとても気になる存在……!!ええ、どうなのでしょう、どうなるのでしょう?ある意味既に屈服しきったともいえる、性という本人のアイデンティティを失った状態の貴方達!それを責め立てた結果に待ち受けるのは更なる屈服か、はたまたそこから這い上がる再起の姿か……貴方達は、貴方達は!私にどちらを見せてくださるのですか……!?」

「ひぃっ!?目がヤバい!?目がヤバいぞこの娘!?」

「はっはっはっ。とりあえず逃げていいですか?」

 

 

 ──うわぁ、なんだかすごいことになっちゃったぞ(語彙力ダウン)

 

 いやもう、マジでなんだこれ?

 私は一体何を見せられてるんです?

 なんで私は妹の性癖暴露を目の前で受け取る羽目になってるんです?

 というかこれあれだよね、もし仮に私が兄だと気付いてるなら、今しがた三人に向けられてるのより濃ゆいモノを叩き付けられる展開がこれから待ち受けている、ってことだよね???

 

 いや本当になんだこれ?

 おかしいなぁ、この作品はTASさんがTASらしいことをやって、みんなを巻き込んでいく姿を面白おかしく楽しむだけのわりとライトな作風だったはずなんだけどなぁ?

 こう、いきなり性癖について大っぴらに語るキャラが唐突に現れるような世界観では……え?前作が前作なので見えてた展開?そうかなぁ?

 

 

「どうかは知らない。でも期待されてるみたいだから出ないわけにもいかない」

「その声は……TASさん!!天使!神!!」

「安直すぎる褒め言葉ですわね……」

「AUTOさんまで!?」

 

 

 そうして諦めかけた私に差し伸べられた、救いの手。

 ようやく戻ってきた二人──TASさんとAUTOさんは、現場の状況を見た後にこう告げたのであった。

 

 

「今の状況の遠因は、実のところお兄さんにある」

「え゛」

「正確には、向こうのお兄さん。……つまるところ、向こうの私の策略の一環でもある」

「え」

 

 

 ……え、この間の話終わってなかったんです???

 そう困惑する私を余所に、暴走し始めた妹に当て身を食らわせて沈黙させているTASさんなのであった……。

 

 

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