うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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夏らしいことをしましょう?

 はてさて、色々あった一学期も終わりを向かえ、待望の夏休みである。

 

 

「例年通りなら異世界に修行に向かうんだけど……」

「今年はなし。異世界フラグはクリスマスまでおあずけ」

「いや、別に預けて貰わんでも構わんけども」

「そう?」

 

 

 ないならない方がいいだろ、というか。

 平凡な毎日が一番ですよー、と一昔前のラノベの主人公みたいなことを言いたくなるラインというか。

 いやまぁ、TASさんと居る以上無理な話ってのもわかるのだが。

 

 ともかく、一学期が終わったのだから明日からは夏休み、あれこれと予定を立てるのが常のこと……の、はずなんだけれど。

 

 

「……うんまぁ、これもまた夏のイベントと言われると、あー確かにって気分になるというか。……もしくは、それはそうなんだけど本当にやるやつがあるか、って気分になるというか……」

「なんっすか!!言いたいことあるならハッキリ言ってくださいっすよ!!!」

「じゃあハッキリ言うけど……いや、夏季補修やらされる羽目になるとは思ってへんかったわ」

「うわぁぁぁ本当にハッキリ言うやつがあるっすかー!?」

 

 

 はい()

 ……もういい加減「はいじゃないが?」ってツッコむのも飽きてきたが、詳細を説明すると。

 ご覧の通り、我がクラスには数名ほど赤点を取ったので補修をしないといけない人が居ます(白目)

 

 その内訳は今しがた叫びながらビターン、と机に踞った同人ちゃん。

 それからダミ子さんにMODさん、んでもって成金君の計四名である。

 

 

「そういうイメージのない人はしっかり点取ってる辺り、ある意味予想通りって感じなわけだけども」

「というか、MODさんはどうしたんですの?提出物はしっかり出していたはずですが」

「……その、纏めて出すのに徹夜したもので」

「なんで試験の前の日になって提出物を慌てて準備しにかかるのか、これがわからない」

「仕方がないだろう!?その日以外空きがなかったんだよ!」

 

 

 この内、MODさんは多分再度試験を受ければ即座に終わると思われる。

 赤点取ったのも提出物を終わらせるのに徹夜した結果、次の日の試験中に思いっきり居眠りしたのが原因だったわけだし。

 ……いや、日頃から提出物を即座に出してればいいってだけの話なんだけどね?

 まぁそれができないからこそのMODさん、みたいなところもなくはないわけだが。

 

 

「成金君は……あーうん、もうちょっと頑張ればいけるかなー?計算ミスとかがちまちまと重なって赤点になったけど、そういう細かいとこ直していけばなんとかなるというか」

「……わかってはいるのだが、中々なぁ」

 

 

 ついでマシなのが成金君。

 赤点ではあったものの、その理由は細かなミスによるものなのでもっとしっかり答案を見返すなどすればすぐにでも点は取れるだろう。

 教える側としても些細なミスを指摘するだけなのでそこまで大変ということでもない。

 

 

「……そんな二人をまるで子供扱い()するかの如く後方に置き去りにしているのが残り二人、ダミ子さんと同人ちゃんなわけです」

「これはひどい」

「何をどうすればこんなことに……?」

「酷い言われようですぅ」

『とはいうが、これは言われても仕方がないと思うぞ……?』

 

 

 そんな、まだ希望の見える二人に対し、思わず手を止めてしまうのが残り二人、ダミ子さんと同人ちゃんである。

 ……見てみなよこの五教科合計百以下とかいう何それ、みたいな点数を(白目)

 

 同人ちゃんの方は化学・科学系列と社会系列が、ダミ子さんの方は数学と社会系列が壊滅的という始末。

 ……残りはまぁまぁって感じなんだけど、逆にいうと苦手に含まれてる方は点数がほぼ一桁なんですわ()

 いや、普通にしてたら最低でも二桁になる程度には点取れるもんじゃないんすかね……?

 

 

「うわ出たっすよこの『授業聞いてればわかるでしょ』みたいな上から目線の指導!!そういうのよくないっす!!」

「……いや、上から目線も何も原則それは正しい話だからなぁ。授業のわかりにくさとかで覚えられない、みたいなことはあっても基本的に必要なことは授業内で出てるはず、というか。あれだ、授業そのものが悪いんじゃなくて教師と生徒との相性の問題みたいな?」

「……そ、それなら私と先生の相性が悪かったってことっすね!」

「そうだねぇ、だから君には特別講師を用意するねぇ」

「え゛」

 

 

 なお、同人ちゃんはご不満だったようなので、俺の代わりに特別講師を用意しておいた。

 俺の教え方が悪かったことは認めるので、今度は骨の髄からしっかりと覚えていってください。()

 

 

「というわけで呼ばれてきました貴方の個人講師、TASコピーです。宜しくね☆」

テンションおかしいし個人用?!

「本体は夏を全力バケーションするのに忙しいからねー、私は代理なのだ☆」

「つまり終わるまで缶詰。頑張って点を取ってね?」

「そ、そんな殺生なー!?っす!!」

 

 

 なお、こうなるのが目に見えてたのか、ダミ子さんは文句一つ言わずに黙々とノートに向き合っていたのでしたとさ。

 流石はこういう時いっつも真っ先に被害にあっていた人だけある、というか?

 

 

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