うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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夏だ、クラフトだ、冒険だ?

「というわけで、こっちはこっちで別なことをする」

「具体的には?」

「合宿はやらないから、代わりに地下の拡張」

「それ夏っぽいことかなぁ……?」

 

 

 補修をコピーTASさんに任せ、早々に寮に戻ってきた俺達。

 同人ちゃんがどうなるかはともかく、他の面々はわりと早い段階で戻ってきそうだなー……などと思いながら、こっちはこっちで何をするのかを決めることになったのだが……。

 

 合宿がないというのは、裏を返すと遠出しないということ。

 必然的に近場でできることに行事が限られるため、結果として地下の拡張という普段もやってるじゃん、みたいなことが今回の目的として定められることになったのであった。

 まぁ、それだけならちょっとショボいなー、くらいの話で済むところだったんだけど、そうはTASさんが卸さないというか。

 

 

「今回はこの地下世界に蔓延った外来種の駆除も兼ねてる」

ちょっと待てぃ

「……?どうしたのお兄さん、何かおかしなところでも?」

「何かって何もかもおかしいわい!なんじゃこの地下の様子ぅ!!?」

 

 

 はい、食堂にある入り口から階下へと降り立った俺達が目にしたのは、普段使いしている畑達と、それに半ば侵食するようにしてどこからか生えてきている南国?っぽい植物達の群れ……山?

 ともかく、明らかになんかおかしい光景が目の前にあるわけで、そりゃもうツッコまざるを得ないでしょこの状況……みたいな感じというか。

 

 

「ん。私がここからさらに地下を掘っていたことは知っていると思う」

「あー知ってる知ってる。ダイヤとかゴールドとかなんか四角い箱になったやつをぽいぽい上に放ってきてたよね」

「見た目がどこかしらから怒られそうな形過ぎて俺としてはそっちの方が気になるわけだが」

 

 

 その状況の解説のためということか、自身がこれまでやってきたことを説明し始めるTASさん。

 彼女の作業風景を思い出したのか、CHEATちゃんがしみじみといった風に頷いているけれど……俺的にはやっぱり()()()クラフトなゲームを思い出すその形がどうにも気になって仕方なかった、みたいな思いでしか蘇ってこない始末である()

 いやまぁ、資材の保管の際あの形だと管理しやすいってのは確かなんだけどね?

 丸っこくないから積み上げて置いとけるわけだし。

 

 ……ともかく、今までTASさんが元気にクラフトしまくっていたことは周知の事実。

 とはいえそれが、今現在南国な植物が畑を侵食している理由には繋がらないような気もするのだけれど……。

 

 

「話は最後まで聞いてほしい。以前サンタの存在に連鎖して異世界の動植物がこっちの世界に侵食してくる、いわゆる異世界厄介者の話をしたことがあると思う」

「あああの、今にして思えば順調に開墾道を邁進してるからある意味参考元みたいになってるって個人的に話題の」

(……何の話をしてるんだこいつ?)

 

 

 こっちもこっちであんまり深堀りすると変なところにぶち当たりそうな、既視感マシマシの企画(?)だったっけか。

 ……なんかROUTEさんが怪訝そうな表情をこっちに向けて来てるけどスルーして、ともかく以前サンタがきっかけで外来種が蔓延りそうになったことがあるのは事実。

 …………ん?外来種?

 

 

「……えーと、まさかとは思うけど、TASさん?」

「そのまさか。私は元気にクラフトしてただけなんだけど、どうやら偶然余所の世界に程近い壁へうっかりヒビを入れちゃったみたいで」

「……つまりこの南国風の植物は」

「異世界産の植物達。その侵食スピードはミントとタメを張る」

ミントとってヤベーやつやんけ!?

 

 

 嫌な予感がした俺が確認したところ、その予感は的中。

 どうやらこの植物達、単なる外来種ではなく異世界由来の外来種、それもこっちでいうところの侵略的外来種にあたるレベルの厄介者になるらしい。

 ……まさかの異世界厄介再び、だと……?!

 

 思わず唖然とする俺だが、話はこれで終わらない。

 そう、こいつらは畑に侵食してきているわけだが、そこからわかるようにここはあくまで群生地ではない。

 繁殖の最先端であって、彼らが本格的に繁っているのはもっと奥なのだ。

 

 

『……ああなるほど、何やら懐かしい空気が薫ってくると思っておったが、(わし)らの故郷に程近い植生なのだな、この植物共は』

「なんかスタンドさんが気になること言ってるけど、それを気にしている場合じゃない!これ下の方もっと酷いってことだよね?!」

「そう。最早完全に異世界。正確にはこっちの世界で新しくできた彼らの楽園。無論そのまま放置すると影響甚大だから早々に伐採する必要がある」

「ぎゃー!?」

「さらに、こうなってからそれなりに時間が経過してるから、もしかしたら植物だけじゃなくて向こう由来の動物とかもポップしてるかもしれない」

「ねぇTASさん!?わざとじゃないよね?!あくまでうっかりであって面白そうだから黙認したとか言わないよね!?」

「いやーうっかりうっかり」

「うっわすっげぇ棒読み!!?」

 

 

 普段もあんまり抑揚のある喋り方じゃないけど、今のはそれに輪を掛けて抑揚なかったよ!?そんな露骨な反応する!?

 

 思わず叫ぶ俺に対して、TASさんはてへ、と小さく笑みを返してごまかしてくるのであった。

 ……いや、ごまかされないが!?

 

 

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