うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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ブロックを投げ付ける戦い、すなわちブロックマ(ry)

「よもやすぎる……」

「まぁ、TASさんがトラブルメイカーなのは今に始まったことではありませんし……」

「私としてはワクワクデース!どんなヤツらが待ち構えているノデショーか!」

「あ、日本被れは突撃禁止」

なぜ(what's)!?」

「合宿しないとは言ったけど、状況を利用しないとは言ってないから。貴方は自分の安全を度外視するのいい加減止めるべき。この間のあれで懲りてないみたいだから、今回はもっと酷いのにする」

「なんで私に対してソンナにスパルタなんデスか!?」

「?貴方だけじゃなくてみんなにスパルタだけど」

「ソレはソレでどうかと思いマース!?」

 

 

 はてさて、今日も今日とて絶好調なTASさん(と、日本被れさん)を横目に、改めて侵略的外来異世界植物に近付いて見る俺達。

 見たところ南国風──ヤシの木みたいな見た目のその植物は、その実地面に根を張っている、というわけではないようだ。

 なんでかって?そりゃほら、見ればわかる()

 

 

「……気のせいじゃなくて、マジで動いてやがる……」

「ゆっくりではありますが、根の部分を足代わりに歩いているようですわね……」

 

 

 ヤシの木の根というのは、一般的な樹木のそれ──太い根を主体としたものではなく、ひげ根と呼ばれる細い根を無数に生やすものとなっている。

 成長が遅いという点もあいまって、狭い場所に植えられかつ植え直しも必要ない……と、観葉植物として人気なのがヤシの木なのだけれど。

 

 目の前のそれは、そのひげ根をもそもそと動かしながら、ゆっくりとではあるが移動しているのである。正直虫みたいで気持ち悪い()

 一つだけでもそんな感じなのだ、それが群れを成して迫ってきているとなれば、感じる圧迫感もそりゃ酷いものになるというか……。

 ゆっくりとではあるが、確実に進行してくるヤシの木軍団とか、なんの三流ホラーなんだか。

 

 

「なるほど、つまりヤシの木サメを作れと?」

誰もそんなこと頼んどらんが?

「いや、お兄さんが三流ホラーって言うから」

「いや確かにサメ映画は三流ホラーだけどね?……いやサメ映画ってホラーかな?ホラーかなあれどっちかというとコメディでは?」

「しっかりしてくださいまし貴方様」

 

 

 わからん……わからねば……(混乱)

 絵面的には、サメ軍団とヤシの木軍団から感じる印象は大差ないのだし。本来サメの方がヤバイはずなのに、なんでだろうね?

 

 ともあれ、このまま彼らの進行を放置していてもいいことはない。

 なのでかわいそう(?)ではあるが、もそもそ動いているヤシの木の幹を掴んでスポッ、と地面から引き剥がす。

 そしてそのまま、地面にTASさんが開けた掘削後にシュー!!

 

 

「駆除が簡単でよかったね……」

「絵面がトテモ酷いデース!」

「これはこれで怪獣映画っぽいねー」

 

 

 あーなるほど、木を引っこ抜いて投げる巨大猿的な?

 ……って誰が巨大猿じゃい、誰が。

 

 失礼なことを抜かすCHEATちゃんに憤慨しつつ、畑に乗っかっていたヤシの木達を次々引っこ抜いて?行く俺だったのだけれど。

 

 

「……野菜噛られてね?」

「アイツら雑食性かよこわっ!?」

 

 

 下敷きになっていた一部の野菜達が、よくよく確認すると噛られたような跡が付いていることに気が付いた俺は、思わず引っこ抜いたヤシの木の根っこを確認。

 裏返した?その根っこの中心部には、ヒトデのそれによく似た口が存在していたのであった。……お前ら野菜食うんかい!?

 

 まさかそっちの意味でも侵略的であるとは思わなかった俺は、先程にも増した速度でヤシの木撲滅に取り掛かるのであった。

 

 で、そうしたヤシの木撲滅活動開始から早数分。

 目に付く範囲のヤシの木を全て地下へと放り込んだ俺達は、改めてその穴の周囲に集合。

 

 

「……で、これからこの穴の中に降りるわけですが……TASさん」

「なに?」

「これ、深さどんくらいあるの?ヤシの木滅茶苦茶放り込んだけど、折り重なって上に出てくるとかもないんだけど?」

 

 

 覗き込んだその穴は暗く、どこまで深いのか見通すこともできない。

 投げ込んだヤシの木の姿も見えない辺り、かなりの深さがあることは間違いないわけだが……その辺をTASさんに尋ねたところ、返ってきた答えは「わからん」であった。

 

 

「いや、わからんて……」

「仕方がない。だってこの入り口使ったの最初の日だけだもの」

「ああなるほど、一旦開けたあとはずっとポータル移動しかしてなかったと……」

「そういうこと。早々にここに戻るのが億劫なほど掘ったから、ワープしないとやってられなかった」

 

 

 自分で掘ったんだから自分で把握しておいてくれよ、って感じだがその辺はTASさん、寧ろ彼女だからこそ把握してなかったみたいなノリに。

 流石、命が軽い世界なら死亡時のリスタートすら単なるショートカットに使うだけはある。……いや褒め言葉じゃねーからねこれ?

 

 ……ともかく、彼女にもわからない以上俺達にはもっとわからないわけで。

 そんな一抹の不安を覚えつつ、俺達は渋々穴の中へと飛び込んで行ったのであった。

 命綱?そんなものなくても君達着地できるでしょ、ってTASさんのスパルタが発揮されましたが何か?(白目)

 

 

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