うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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地底探検隊は見た!

「……異世界厄介者なんだからリリースするのよくないのでは?」

「あっ」

 

 

 ……ま、まぁ危険性なさそう&ここから移動できなさそうな魚であるということを考慮して、この湖から移動しないなら目を瞑っておこう……。

 みたいな結論を出しつつ、湖を離れ一路外への道を探す俺達。

 

 ……なんだけど、それは地味に難航していた。なんでかって?

 

 

「迷路かよここは!!」

「なるほど、先程の場所はこの天然の迷路によって、容易に辿り着けないモノになっていたのですね。ゆえにそこに住まう者達も、外敵に対する反応に問題があったと」

「冷静に分析している場合じゃなくない!?」

 

 

 ご覧の通り、外への道が全くわからんからだよ!!

 網の目状というか、根っこ状というか……ともかく、道が複雑に入り組んでいるせいで、どれが正解の道なのか全くわからんのである。

 というか、地味に上下にも蛇行しているせいで、方角を頼りにしても元の道に戻ってくる、みたいなことが頻発してるし。

 

 

「こういう時頼りになる風の流れも、そもそも出発地点である湖の上……つまり俺達がここに来る時に使った穴のせいで、微妙にあてにならない始末だし……」

「循環しちゃってるもんね、出口に付く前に」

 

 

 いやまぁ、もうちょっと詳しく調べられるのなら、細かな違いから穴じゃない方に向かう風の流れ、みたいなものも発見できるのかもしれないけれど……。

 少なくとも、今現在そういうことができそうな人はいないというか、準備が足りてないというか。

 

 ……具体的にはCHEATなら例のパッドを持ってきてないので手段がなく、ROUTEさんは『出てくる選択肢の数がいきなりバグったので見たくねぇ』って言っている……みたいな感じだ。

 わりとなんでもありな二人がこの有り様なので、地道に道を確認し続けるしかないわけである。

 ……AUTOさん?道探しのプロ的な技能に至ればなんとかなるかもだが、現状その気配はないので無理筋である。

 

 

「……あれ、でもAUTO姉ちゃんってばなんとなくの認識でも系統技術が使えるようになる、みたいな感じじゃなかったっけ?」

「それなのですが、どうにもこの辺り普通の洞窟ではないようでして。……普通の洞窟探索スキルは確かにすぐさま会得できたのですが、ここでは役立たずなのですわ」

「ええ……?」

 

 

 まぁ、今しがた本人が述べた通り、理由はもうちょっと複雑な話のようだが。

 その辺詳しく知ってそうなTASさんはというと『合宿の代わりみたいなものだから助言はしない』とのことで、俺達の後方に陣取って腕組みしながらこっちの様子を窺っている始末である。

 ……一応、一旦家に戻る(セーブする)時には声掛けしてくれれば連れ帰る、とは言ってる分いつもよりマシなような気もしないではない。

 

 ともかく、特殊能力でなんとかー、みたいなことが難しそうな場所であることは間違いあるまい。

 そこら辺を前提にした上で、現状取るべき対策はというと……。

 

 

せんせー(TASさーん)!」

「なに?」

「一度家に戻るのはありでs()「却下」……っち!!バレたか!!」

「え、あれ?なんで断られたの今?」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと思ったのだけれど、そんな甘い考えはお見通しとばかりにTASさんに却下された次第である。

 ……これ、仮に日が暮れて家に戻ってさぁ次の日再度探索に、ってなってもCHEATちゃんのパッドは没収されるやつだな?

 

 

「じゃあ仕方がない!こうなったら禁断のDMさんを端末代わりにCHEATちゃんにあれこれやって貰う作戦を「それするとDMがラスボス化するからおすすめしない」……ぐぅ、そっちのパターンだったか……!!」

「いやあの、勝手に話を進めないでくださいまし!?」

 

 

 じゃあ今あるものを使うしかねぇ、ってことで同行しているDMさんを久方ぶりにメイド型パソコンとして運用しようとしたところ、そっちはそっちでよくない選択だと警告されてしまった。

 ……うーむ、ROUTEさんの選択肢がバグった発言の時点で悪い予感はしていたが、これ中々に難儀な話だな?

 

 なお、勝手に納得している俺に対して他の面々が困惑の表情を見せているわけなのだが……あれ?俺だけ察しがいいとか珍しいパターンだな?

 とかなんとか不思議な気分になってくる次第である。

 とはいえそれもそのはず、

 

 

「……あ、なるほど。みんなTASさんの訓練バージョンワン(ver.1)を体験したことがないから、こういうのが頻発する時代を知らないんだな」

「いや待てなんて???」

「TASさんの訓練バージョンワン(ver.1)。今ほど洗練されてなかったのでとりあえず起こりうる可能性全部突っ込んだみたいな、なんでも起こりうるので頑張って正解引いてねって感じのノリな訓練のことだけど何か?」

「何その地獄みたいなヤツ!?」

 

 

 これに関しては、みんなと出会う前──まだ実家に居た時分にTASさんがやっていた訓練と、それに付き合わされて死にかけていた俺(と、それを見ていた家族)くらいしか知らない話だったのだから。

 いやー、なんだか懐かしいなー(死んだような瞳)。

 

 

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