うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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か弱いところもたまには見せましょう(?)

「いやできないよ!?」

「あれー?」

 

 

 そんな馬鹿な、俺達今まで空中歩行とか色々TASさんに無茶振りされてきた仲間じゃないか!

 

 ……なんて俺の発言に、無理無理と顔を左右に振るCHEATちゃん。

 他の面々はというと、そちらも彼女と同じ様に首を左右に振って無理だと告げていたのであった。

 

 

「私達の場合、あれをする時は基本能力を使っていましたので……」

「補助なしであんな無謀なことできるわけないじゃんかー!?」

「……ゑ?」

 

 

 いやその、できる人ここにいるのですがそれは。

 え、いつの間にか俺の方がおかしい括りになっていたのか?

 いやでも変わらず虚弱体質だぞ俺、大抵の場合普通に死んでるぞ俺???

 

 そんな困惑が脳裏を締める今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?

 俺は現在思ったより今回の話が難易度高いな、ということを実感している最中でございます。

 

 いやだって、ねぇ?

 少なくとも空中歩行くらいはできるものだと思っていたよ、俺。

 少なくともこの洞窟に上から降りてきた時はみんなできてたし?

 ……まぁ本人達の言を聞く限り、ここに降り立って以降能力暴走状態に陥ってしまい、結果できなくなったという感じのようだが。

 

 

「そういうとこも含めて訓練」

「やだとにかくスパルタだわこの子」

 

 

 なお、TASさんはご覧の通り。撤退は許されないらしい()

 となると進むしかないってことになるんだけど……うーん、さっきの時点で出口が見付からず困っていたのに、ここから先はさらに面倒になること前提とか……素直に帰りたい気持ちしかないんですがそれは。

 

 

「わがままなお兄さんに大ヒント。暴走するけど使えないわけじゃないよ」

「……タイミングを見計らって使い分けろ、みたいなこと言ってらっしゃる?」

「そういうことー」

 

 

 そんな俺にTASさんが告げたのは、暴走前提で能力を使うことも時には必要……みたいな旨の言葉。

 必然味方を使い潰せ、という意味にも取れてしまうため、思わず渋面を作ってしまう俺だったが。

 

 

「いえ、それで行きましょう」

「AUTOさん?」

「ここがそういう場所だということはもう崩せませんわ。でしたら、できることをやっていくだけです」

「AUTOさん……」

「それに、暴走して自滅すること前提で語られている、というのも面白くないですからね」

「AUTOさん………」

 

 

 みんなを代表して声をあげたAUTOさんの様子に、思わず呆れてしまう。

 うーむ、TASさんの発破が上手いこと引火した感じ……。

 とはいえここの問題を片付けないと向こうに帰れないことが確定している以上、このままここでぐだぐだしていても仕方がないことも事実。

 いやまぁ、一日の終わりにはセーブしに帰れるけど、それはそれとしてね?

 

 

「……休み休み行動する、ってことでいいんだな?」

「ですわね。正直能力に頼りきっていたことを実感している真っ最中ですの」

 

 

 はぁ、とため息を一つ溢したのち、みんなに確認を取る俺である。

 みんなの反応はそれぞれだが、どうにも少し疲れが出ている面子が多そうなのでその辺を考慮し、一度休憩を取ることに。

 

 時刻が何時ぐらいなのかは生憎周囲からは察せられないが、なんとなくお腹がすいている気がする辺り、多分お昼頃とかだろうか?

 そうとなれば善は急げ、昼食の準備である。

 

 

「こういう時のためにDMさんに調理器具収納できるようにしておいてよかったね」

「ですねぇ」

「……これはツッコむところか?」

 

 

 DMさんの背中にあるコンソールを叩き、彼女の体内空間に収納されていた調理器具(と言いつつシステムキッチンとかの場所ごと)を取りだし、早速昼食の準備をし始めた俺達。

 その様子を見て、ROUTEさんがジト目を向けてきていたけれど……フッ、言いたいことはわかっているさ。

 

 

「DMさんの収納機能は彼女由来の能力じゃないからここで阻害される謂れはないってわけさ!」

「ツッコミてぇのはそこじゃねぇからな???」

 

 

 なので、サムズアップしながら答えたのだけれど……んん?なんだかお気に召さなかったご様子。

 仕方がないのでデザートでも一品追加しておくかぁ、と考えていたら後頭部を小突かれた。

 

 俺ぁガキか、とのことだったが……じゃあ要らないんです?プリン。

 ……と告げたところ、「要らないとは言ってねぇ」とのことであった。やっぱり欲しいんじゃないか、この欲しがりさんめ。

 

 

「わ、私も!私にも何か欲しいですわ!」

「あ、ずるい私にも追加追加ー!」

「へいへい、みんな甘いもの好きねー。心配しなくてもいっぱいあるからねー」

(……まるでお母さんに群がる子供のようですねぇ)

 

 

 なお、一人だけ贔屓してると思われたためか、他のみんなも追加が欲しい、と詰め寄ってきたが……その辺は抜かりなし。

 今回は色々持ってきているため大丈夫、と告げたところ嬉しそうだけど何処か残念そう、という微妙な反応が返ってくることになったのだった。

 ……いや、どっちだよ?

 

 

「~♪」

「TASさんはTASさんで好き勝手食べてるし」

 

 

 なお、話に混ざってなかったTASさんは早速デザートを味わっており、CHEATちゃんにずるいずるいと詰め寄られていたが余談である。

 

 

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