うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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これが貴方の生きる道

「さて、これがうまく行けばなんとかなるかも、だけど……」

「うーん、そんなにうまく行くかなぁ?」

『わからん、としか(わし)には言えん』

 

 

 はてさて、思い付いた解決策を早速試してみよう……ってなわけで、準備を整えたCHEATちゃんを見つめる俺。

 やることは至って単純、スタンドさんに()()()()()()()()である。

 

 

「スタンドさんそのものが一種の領域として扱われているのなら、その中に取り込むことで対象を周囲の影響から遮断できるんじゃないかなー、と」

『個の内部は一種の世界である、とかいう話か。……正直それが罷り通るのであれば、他の面々も世界の影響など受けぬと思うがなぁ』

「その辺はほら、肉体が邪魔をしているとかそういうあれで」

『普通こういう状況だと反対に働くもののような気がするがなぁ』

 

 

 この方法を思い付いた理由は単純明快、スタンドさんだけではなく()()()()()()()()()()()()()()ということになる。

 

 ……そう、動く立方体達。

 あれは最初、そういう生き物なのだと思っていたのだが……スタンドさんの言うところによれば、どちらかと言えば霊体──形あるものに憑依して動き回る低級霊に近いもの、ということになるらしい。

 彼らにとっては立方体型のモノが一番憑依しやすく、それを作る存在(TASさんとか俺とか)に惹かれて周囲をうろちょろしていたのだとか。

 

 何度撃退しても変わらずに発生していたのも、ある意味では彼らが形を持たないものだから、ということになる。

 霊体に干渉する手段を持ち合わせていないため、こちらが行った攻撃等はあくまでも憑依先の器を破壊しただけに過ぎず、相手そのものを攻撃したわけではないのでいつまでも纏わりつかれていた、と。

 

 ここで疑問に思ったのが、何故彼らは普通に動けるのか、という点。

 この世界の生き物だから、と流すのは簡単だが、それに待ったを掛ける存在がこちらにもいた。──そう、スタンドさんである。

 

 彼女は常と変わらず、人の周囲をふよふよと浮いているばかり。

 基本的には物理干渉手段を持たないからこそ、こちらの世界からの干渉も受けていないのではとのことだったが……周囲の変なのを見てると、それは間違っているようにも思えてくる。

 

 簡単に言うと、霊的属性を持っている存在は、そもそもこちらの世界の影響を受けないのではないか、という予想。

 もしそれが合っているのであれば、他の面々もどうにかして霊的属性を付与されれば今まで通りに動けるようになる、ということになる。

 

 

「とはいえ、まさかいきなりみんなに死んでみろ、なんて言えるわけもなく……」

「結果、スタンドに憑依して貰って霊的属性を後付けしてみよう、ってことになったと。……言っててなんだけど、バカみたいな作戦だねー」

「言うな、個人的にもどうかとは思ってるんだ」

 

 

 とはいえ、もし仮に今俺が考えていることが正しいのであれば、この作戦は上手く行く可能性が高い。

 なんなら大成功に終わる可能性まであり──もし本当にそうなったのであれば、()()()()()()()も同時に解消されることになるだろう。

 

 

『ぬ?もう一つの懸念?』

「おっとそれについては確かめてから、ってことで。じゃあ早速、やっちゃってくれスタンドさん」

『はいはい。CHEATの方は用意できておるか?』

「心構えってことだよね?できてるよー」

『ならまぁ良いが。……そうれ、っと』

 

 

 俺の懸念はともかく。

 試してみないことにはわからないので、スタンドさんを促す俺。

 彼女は微妙な様子で頬を掻いていたが……やがて諦めたように一つため息を吐くと、特にタメも無しにCHEATちゃんの中へと入り込んで行った。

 

 びくり、と小さく震えたCHEATちゃんは、その後かくんと首を折り項垂れる。

 その数瞬後、跳ね起きるかのように首を持ち上げる姿に、思わずビビる俺である。……いや、あまりにも典型的過ぎる反応じゃねそれ?

 

 もしかしてやらかしたか?なんて風に思わず後悔し始めた俺が見つめる中、CHEATちゃんはゆっくりとこちらに首を向けてきて。

 

 

「……えーと、どうなってるのかよくわかんないんだけど、今どうなってるの?」

ぎゃー!?お化けー!?

「へ?え、えっ、いや待って本当にどうなってるの!?私今どうなってるのこれ?!」

 

 

 そうしてこちらを向いた彼女の顔は、まるで死人かのように真っ青に染まっていて。

 周囲が薄暗いことも手伝って、どう見ても死体が喋ってるとしか思えない状態になっており、率直に言って怖いとしか言えない俺なのであった。

 それはもう、思わず壁際まで後退するレベルである。

 

 

『……まさかこうなるとは』

「ちょっとぉ!?なにこれどうなってんの本当にぃ!?」

「うわぁ……」

 

 

 なお、そうして怖がっている俺を不憫に思ってか、CHEATちゃんの頭の横からにょきっとスタンドさんの顔が様子を窺うように飛び出して来たのだが……。

 いや、余計に怖くしてんじゃないよ、としか言えない俺なのでありました。……下手なホラーかな?

 

 

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