うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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まるで遠足だな……

 日付は変わって次の日の朝。

 糠喜びからの地獄への落下、みたいなことになった同人ちゃんが、昨日と同じように学校へと登校して行くのを見送ってから、改めて作戦会議へと移行する俺達一行なのであった。

 

 

「……とは言ったものの、一体何を会議で決めるの?」

「昨日のCHEATちゃんの頑張り()で、多分外まで続いているながーい穴が空いたわけだけど。……そこをどういう順番で通るべきか、っていうことを決めるための会議かな?」

「……付かぬことを聞くんだけど、それって重要な話なの?」

 

 

 そうして出された議題が、洞窟を通る順番だったわけなんだけれども。

 どうやらみんな、これについてピンと来ていない様子。 

 とはいえこれは、とても重要な話なので決して疎かにはできない案件なのであった。

 

 何度も言っているように、あの洞窟はそもそも序盤も序盤、いわゆるチュートリアルダンジョンの類いなのだ。

 となれば、外に出た瞬間今まで以上に大変な目に遭う可能性は少なくないわけで。

 なんなら、その時先行している面子によっては後の問題の対処が簡単になったり難しくなったりする……なんてパターンだってありえるだろう。

 

 

「というと、具体的には?」

「妨害音波とか出てるようなところだったら、DMさんとかを前に出すのはよくないし。視認外から何か飛んでくるような場所なら、それを先んじて察知できる人じゃないと危ないだろ?」

「……なるほど?」

「まぁ、そういうのを包括して俺を盾にする、というのならそれもそれでありだけど」

「あれ?話が変な方向に転がっていったような?」

 

 

 何を言うやらCHEATちゃん。

 洞窟から外に出れば能力制限が解除されるのなら問題はないが、もし仮に外に出ても変わらんのなら頼れるのはTASさん、もしくは俺が肉盾()になるくらいしか有効な手段はないんだぞ?

 

 いやまぁ、同人ちゃん以外の昨日居なかった面々のうち、今回参加となる面々が能力使えるかどうかを確認してからやるべき、ってのもわからんでもないのだけれど。

 

 

「というと……我か。というか能力使えないとはどういう?」

「言葉通りの意味ですが?まぁ下手に使おうとすると加減が利かなくなる、みたいな方向性であって一切使えないってわけじゃないんだけども」

 

 

 場の空気がみんなに合いすぎている(ので抑えが利かなくなっている)、という方が近いのだろうか?

 

 まぁともかく、特に何も考えずに行動すると酷い目に遭う、というのは間違いあるまい。

 考えていても酷いことになるけど(前回のCHEATちゃんを思い出しながら)。

 

 

「……結局あれって成功ってことでいいのかな」

「まぁうん、多分成功ではあるんだと思うよ。結果別方向に暴走したってだけの話で」

「どっち由来の暴走なのかによって、使える手段かどうかが別れますわね……」

 

 

 で、改めて前回のCHEATちゃんのあれこれを思い出すと。

 一応、彼女の能力の制限(周囲からの影響)の排除を目的とした、スタンドさんを利用してのパワーアップは上手く行っていたと思う。

 

 ……思うのだが、同時にやり方がよくなかったかもしれない、と反省する部分があったことも事実である。

 どういうことかって?スタンドさんはDMさんと元を同一とする存在。

 つまりは邪神の類いであるため、変に憑依とか合体とかすると意識に悪影響をもたらす可能性があったのかもしれない、みたいな話である。

 

 

「今でこそ人畜無害っぽいけど、それで過去の二人が邪神だったって事実が消えるわけでもないからね。なんなら特定の行動にはまだこの世界にいるはずの同位体──三番目の邪神と同期してしまう、なんて弊害があるかもしれないし」

「……そういえば、まだ今回の邪神には出会ってないんだよね」

 

 

 あれだ、DMさんとスタンドさんである、という事実が崩れるとこの世界にまだいるはずの邪神との同一視が進む、みたいな話というか。

 これが三番目(この世界)の邪神をなんとかした後なら話は違うのかもしれないが、生憎俺達はまだ()()と戦うどころか出会ってすらいない。

 なので、そこを起因とする影響を排除する手段はなく、結果として変な方向に進むともれなく暴走の危険を孕む状態になっている……みたいな感じというか。

 

 そのうちTASさんがまた(ダンジョン)攻略したい、とか言い出したら蹴散らされる宿命なので、それまで好きにさせておいてやろう……みたいな優しさゆえの放置だったのだが、こうなるとさっさと終わらせておけば良かったかなー、などと思わなくもなく。

 

 

『しれっと怖いこと言うの止めぬか?』

「やだなーもうスタンドさん。怖いのは俺やこの話じゃなくて、それを遂行するTASさんですよ?」

「そうかもしれませんけどそれを今この場で言う必要性ありましたか?」

 

 

 なお、自分ではないとはいえ『自分と同じ存在』についての話をしているとなれば、当然気になるのが当たり前……とばかりに二人が反応していたけれど。

 正直、TASさんがその気になっていれば気にする間もなく終わっていただろう、ということも事実であるため笑ってごまかす俺である。

 

 ……え?噛み付かれてる辺りごまかせてない?いつものことだから仕方ないね()

 

 

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