「ここが外の世界ね!」
「わぁキレイ。具体的には緑がおどってるねー(白目)」
はてさて、都合一時間ほどかけて洞窟の外へと到着した俺達。
……いや長ぇよ、どんだけ歩かすんだよ……みたいなツッコミを呑み込みつつ外に出てみれば、待ち受けていたのは一面の緑であった。
うん、文字通り
「普通の
「素直に例のヤシの木いっぱいって言えばよくない?」
「この状況を明確に表現したくねぇ……」
「それは確かに」
……うん、最初に地下世界に降りる前に散見された歩くヤシの木、それらの近縁種と思わしきモノが視界を埋め尽くす勢いで蠢いてるんだよね。
それはもう、なんというか見てるだけでちょっと気持ち悪くなってくるレベルというか、そんな感じの光景なわけでして。
そりゃ、可能なら説明するのは避けたいって気分にもなるよっていうか?
なお、そんな気味の悪い光景を(昨日居なかったせいで)初めて見ることになった今回初同行組の面々は、皆一様に絶句・ないし発狂していたのであった。
「ギャーッ!?キモぃキモぃマジ無理ちょーキモぃんですけどぉー!!?」
「まぁド派手。木々が吹っ飛んで空中で粉々になってるわ(白目)」
『その結果粉微塵になった木々を摂取しようとまた他の木々共が集まり始めておるのだが』
「なんというエンドレス爆撃……」
特に酷いことになっているのがギャル子さん。
案外感性が普通である彼女、この光景は流石に色々と無理があったようで、結果その細腕()が縦横無尽に振るわれる結果となったのであった。
……このレベルのパワーだと能力じゃなくても能力みたいなもんだよなぁ、としみじみする俺である()
なおご存じの通りこのヤシの木達、普通に雑食性なので同種の死骸も普通に接触する。
結果、決して早くない速度ながら、粉々になったヤシの木が落ちてくる地点にうぞうぞ集まっていく彼らの姿、という想定以上にキモい光景が増産されることになり……。
そしてそれを見たギャル子さんがさらに半狂乱になって寄ってくるヤシの木達を粉々にするため、その光景が全く終わらない……というある種の地獄を形成していたのであった。
「まぁ、当初の目的を思えばそれでも構わんのだけど」
「……そういえば異世界厄介者達の駆除が私達の目的でしたわね……」
「その前段階で躓きまくってたもんねー」
なおこの地獄、率先して起こしているのが現在ギャル子さんであるというだけで、本来なら俺達みんなでやってるはずのことな模様。
先述通りこのヤシの木達異世界産の生き物(?)だからね、仕方ないね。
……え?この空間そのものは異世界じゃないのかって?
一応うちから歩いて行けるのでお隣さん扱いですね……。
そうでなくとも、放置しておくとうちの地下菜園に浸食してくるのだ、そりゃ駆除するしかあるまいよって話である。
「え、食べるんですかぁこのヤシの木達、他の野菜を?」
「そうだね、共食いだね。……幸いにして生き物食ってる姿は見てないけど」
とはいえそれも、単にのろまなので他の生き物を捕食できない、ってだけの話なのかも知れないわけだが。
そう告げたところ、露骨に気持ち悪がり始めたダミ子さんでありましたとさ。
「にしても……本当にのろいなこいつら」
「そもそも逃げてるのか何処かに向かっているのかも判然しない件」
「その辺どうなん新聞部君?」
「なんで僕に聞いたんです?……少なくとも声はしてませんよ。超生物とかではなく、普通の生き物の範疇みたいですね」
「そっかー」
とりあえず歩くか、ってなノリで動き始めた俺達一行。
当初は滅茶苦茶嫌がっていたギャル子さん以下数名も、いい加減慣れてきたのか叫び声もあげす普通についてきているわけなのだけれど……。
そうして余裕ができてくると、周りの木々がどういう性質のモノなのか、微妙に気になってくるわけで。
そうして尋ねた相手である新聞部君はというと、困ったような笑みを浮かべながらこちらの疑問に返答し……。
「……いやちょっと待ったTASさん、何やってるのそれ」
「ん、メッセージウィンドウを使ってちょっと細工を」
「それ最悪そこら中まとめてか い め つするやつでしょ!?却下だ却下!!」
「最近大人しいと思ってたら唐突にとんでもないことしようとしてた件について」
いやみんなのための合宿みたいなもんだったんじゃないんかい!!
……そんな風にツッコむ俺に対し、彼女は「出来そうだったからつい……」と悪びれる様子もなく答えたのだった。
いや油断も隙もねぇな!?