うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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おおTASよ、寝ておられるのですか!?

 悲報、俺達ってば典型的な悪役だった。……邪神がパーティメンバーに居る時点で今更な話だな?

 

 ってなわけで、どっちかに肩入れせずどっちもキムゼムオール(み な ご ろ し ☆)しなきゃいけなくなった俺達。

 となればやることは一つ、ただ一つの例外も溢さないようにするため、ここに住まう生き物達の調査である。

 

 

「人聞きがすごく悪い!」

「とは言ってもねー。要するに族滅しようとしてるわけだから、万が一にも生き残りなんて許すわけにはいかんのだよねー」

「パーフェクト以外許されない。こういう時の緊張感はワクワクもの」<ワクワク

「あ、さいですか」

 

 

 やだ、TASさんってばめっちゃ楽しそう。

 ……これ他の子らの訓練的なあれで、TASさんは関わらないって話だったんじゃないんです?

 そう遠回しに尋ねてみたところ、流石にこの量を貴方達に全て任せるのは無謀、とのお答えが返ってきたのでありましたとさ。

 

 まぁでも確かに、荷が重いというか無謀な挑戦に区分されるとか、そういう論調そのものに異論はない。

 なんでかって?洞窟の中よりはマシそうだけど、結局この青空の下でも基本的にみんな調子悪そうだからだよ!

 一応、成金君辺りのグロッキーさ加減は中よりはマシ、ってレベルには収まってるみたいだけどもさ!

 

 

「酩酊が軽い頭痛にランクダウンした、という程度だがな……」

『うーむ、こうなるとやはりあの霊魂?共が悪影響を及ぼしておる、ということで間違いないかのう。結局あれがなんなのかはてんでわからぬが』

「能力の行使に影響を──それも増幅方向に与えているとなると、ともすれば能力の源であるなどという可能性も出てきますわね」

「あー、漫画で言うところの『実』とか『ウイルス』とかみたいな?」

 

 

 余所からもたらされる覚醒のきっかけ、と言うべきか。

 本来一人に一つ与えられるそれが、この世界では無数にあるような扱いになるので、結果として能力の源が過剰に供給された状態となり、結果として暴走しやすくなっている……みたいな?

 

 まぁ、あくまでも状況からの逆算・予想の類いであり、これが正解と言うわけでも無いのだろうが。

 

 

「ともかく、この状態でこの量を瞬時に殲滅、というのは夢物語の類い。なので私が出張るのも問題ない」<フンスフンス

「少なくとも、この状況を密かに誘導した可能性のある人間がしていい主張じゃないんだよなぁ……」

 

 

 八割がたTASさんやったでしょ、みたいな疑いのある時にやっていいことじゃないんだよなぁ……。

 仮に二割の方だったとしても、そこでTASさん無双になったら意味ないでしょ、というか。

 

 とはいえ、現状うまい手があるわけでもない。

 ゆえに仕方なく、TASさんの参戦は認められたのであった。

 

 

「それじゃあ早速色々探しに行こう」<キラキラ

「やだめっちゃ楽しそう」

「不穏な気配しかしてこない件」

 

 ……ただまぁ、珍しいくらいにいきいきしているTASさんが不穏すぎる、という不安は拭えないわけだが。……大丈夫かこれ?

 

 

 

´・A・

 

 

 

「やっぱり大丈夫じゃなかったー!!?」

「ナンデこうなるんデスかー!?」

 

 

 はてさて数分後、懸念通り()に酷い目に遭ってる俺達である。

 話は少し前、森林エリア()から見晴らしのよい草原エリアへと移動したばかりに遡る。

 

 

「あれ、ここから先はヤシの木いないね?」

「四角い草は生えてるんだけどねぇ」

 

 

 不思議そうに遠くを眺めながらそう呟くCHEATちゃんに相槌を打ちながら、俺もまた可能な限り遠くの方へと視線を向ける。

 

 先程までヤシの木達に囲まれるようにして歩いていた俺達だが、現在俺達が立っている地点の数歩前くらいの場所で、ヤシの木達は直角にカーブを決めていたのだった。

 まるで何かを避けるために急にカーブしたようにも見えるその行動に、密かに警戒を高めつつ前へと進んだわけなのだけれど……。

 うん、正直ヤシの木達が居なくなっただけで、さっきまでの区域との決定的な差、みたいなものは見つけられない。

 四角い草達にしたって、それらはさっきまでの道程にも普通に生えていたもの。

 特段変化があるわけでもなく、ゆえにヤシの木達の突然の方針転換の答えも見付けられず……って、ん?

 

 

「なんかいきなり暗く……上!?」

「なんじゃありゃあ!?」

 

 

 ふと周囲が薄暗くなったような気がした俺は、視線を横に向けることでそれが勘違いであることを認識。

 暗くなっているのは周囲ではなく、あくまでこの辺りだけ。

 簡潔に言うと頭上に影が差したのだと気付いて上を向けば、そこにいたのは大きな鳥のような何か。

 

 何か、と表したのは、それが一般的な鳥のシルエットとかけ離れていたため。

 具体的には、その鳥は巨大で、何よりなんだか角張っていたのだ!

 

 

「ブロックバードだ!!」

「幾らなんでもそのまま過ぎない!?」

「言ってる場合か、襲ってくるぞ!!」

「のわーっ!!?」

 

 

 その巨大な角鳥は、脇目も振らずにこちらへと降下して来たのであった。

 ……なんでいきなり猛禽類(?)に襲われにゃならんので!?

 

 

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