うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

622 / 728
一人で済むなら安いもの

「せめて拐われたあとどうなるのか、というところがわかっていれば……という話ですねぇ」

「少なくともこうして襲撃してくる理由は減りそうだしねぇ」

「イヤって言ったのに検討が続いてますですぅ……!?」

 

 

 だってねぇ、現状それをするのが一番早そうというか……。

 

 そんなわけで、ダミ子さん生け贄作戦をわりと真面目に考えていたところ、普通にキレられたため諦めた俺達である。

 まぁその代わりに『じゃあどうすんのよ』って感じに、ダミ子さんに立案を頼んだんだけとも。

 

 

「うーんうーん……本拠地にTASさんを投げつけて遅延作戦を行う、とかどうですかねぇ……」

「あくまで殲滅目的じゃなく、相手の動きを遅延させる為だけにってこと?」

「そうそう、そんな感じですぅ」

 

 

 浮かんできた案はある意味囮作戦のスライド案。

 但し向こうに行くのはダミ子さんではなく、TASさんである……というものだった。

 それを聞いた俺達は、暫し顔を見合わせたのち……。

 

 

「なるほど。私がダミ子に扮して連れ去られればいい、と」

「えっあ、そそそそうですねぇそうするのがいいんじゃないでしょうかぁ~?」

「まぁ、あれだけ執拗に狙ってくる辺り、連れていかれるのはほぼ間違いなくアイツらの本拠地だろうねぇ」

「ダミ子さんだと戦闘力皆無だから意味ないけど、その姿に扮した人が行くなら遅滞戦術もある程度形にはなる、ってわけか……」

「ぉー、ダミっちぁたまぃぃねぇー?」

「えっあえへへへそれほどでもえへへぇ~」

(……適当言っただけなんだろうけど、みんなが好意的に受け取ってくれて助かったって感じだな)

(しっ、可哀想だから気付かないフリしてあげなさいっ)

(はーい)

 

 

 ダミ子さんの出した案は素晴らしい、と口々に賞賛することになったのであった。

 ……結果オーライでしかないのはご覧の通りだが、わざわざそこを指摘して彼女のテンションを駄々下げる必要もないだろう……的なあれである。

 

 ともかく、彼女の鶴の一声()により、これからの方針は決まった。

 

 

「これよりTASさんをブロック達に差し出し、相手が油断した隙に戦力を把握。然るべきのちに内外双方からの電撃戦を仕掛ける!」

「おーっ!」

「おーっ!……って、あれぇ?!」

 

 

 ……最後の号令でばれた?些細なこったね()

 

 

 

Σ(・A・

 

 

 

「いやー、私が手伝えればよかったんだけどねぇ?」

「ん、気にしてない。MODがポンコツなのは今に始まったことじゃない」

「あれおかしいな?今の会話の流れで私にそこまで言われるフリってあったかな?」

 

 

 あれー?……とゲーミングしている顔を捻り、不思議そうに唸っているMODさんと、まったく気にしてない様子のTASさんである。

 ……うん、その顔で言われても説得力はないんじゃないかな、というツッコミを呑み込んだ俺は偉いと思う。

 

 ともかく、見事にダミ子さんに変装した(顔がモザイクになってる)TASさん。

 あとはブロック達が襲撃してくるのを待つだけである。

 

 

「そういえば、ダミ子君の方はどうなったんだい?仮にTAS君の変装がバッチリでも、彼女もモザイクのままだと成功しないと思うんだけど」

「その辺は大丈夫」

「ほう、その心は?」

「スタンドの憑依による外界の影響の遮断、ここで使わずいつ使うのかって話だから」

 

「いやったぁー!久方ぶりの元の顔ですぅー!……いえでも待ってください、もうこの姿になって長いですけどぉ、私って元々男性だったはずぅ……ということはこれは元の私の顔ではなくぅ、でもよく考えたらその前の私の顔はさっきのモザイクの方が近くぅ……。…………あれれ????」

『軽くアイデンティティクライシスに陥っとるんだが、これ大丈夫なのかのぅ?』

「あわわ大丈夫じゃなーい!!?」

 

 

 なお、最初に狙われていたダミ子さんの方はどうなっているのかというと、スタンドさんの憑依による外界からの影響の遮断により、久方ぶりに元の?顔へと戻ることに成功していたのであった。

 ……まぁ、すぐさまご覧のように自己認識の壁にぶち当たって混乱していたわけなのですが()

 

 そうだね、言われてみりゃそれってサンタさんの顔をコピったもんだから、ダミ子さんの生来の顔ではないよね。

 無論、生来の顔云々の話をすると『さっきのモザイクの方が近い』なんていう、ある意味ロジックエラー起こしそうな結論に辿り着くわけなのですが。

 ……この人の自画危ういところでバランス取ってんな?

 

 

「あっ、そうだ」

「こんな時に何ぃ?!」

「ダミ子の元の顔とさっきの顔、類似性が認められるの(ガッ)は重要な秘密が……

TASさーんっ!!?

 

 

 なお、そんなダミ子さんの様子に対し、何かを告げようとしていたTASさんはというと。

 その本題となる部分に触れる間際、空から飛来してきた鳥型ブロックに綺麗に鷲掴みにされた挙げ句、彼らの本拠地まで連れ去られて行ったため子細を確認することは叶わなかったのであった。

 

 ……いやまぁこれも乱数調整の一種なんだろうけどさぁ?!

 気になる言葉を置いていかれる方の気持ちになってほしいんだけどぉ!?

 

 そんな俺の愚痴は生憎と届かず、仕方なくダミ子さんを宥める方に集中するのであった……。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。