一応目的通りにTASさんが拐われてから暫く。
さっきまでの様子が嘘のように、こちらにやってくるブロック達の姿は減ってしまっていた。
やはり、彼らの目的は何処までいってもダミ子さんだった、もといモザイク顔の存在だったということなのだろう。
「……だからってずっと憑依モードなのはどうなんですぅ?」
『とは言うがな。解いたら戻るぞ、まず間違いなく』
「そうなったら元の木阿弥、TASさんの頑張りも無駄になるから……ね?」
「むぅー」
なお、ダミ子さんは相変わらず憑依状態である。
折角TASさんが代わりに向こうに行ったのに、ここでまたダミ子さんがあの顔を晒したら意味ないからね、仕方ないね。
……まぁ、本人的にはなんというか変な感じがするとかで、できれば早急に止めたいらしいけど、憑依。
「まぁ、この世界を壊滅させるまでの我慢ってことで」
『言ってることがどう足掻いても悪役の台詞だのぅ』
「まぁ、実際あちら側からしてみれば悪役以外の何者でもありませんし……」
それもこれも、この地下世界に蔓延する増幅電波?的なものが原因。
そしてそれを発しているのが現状ブロック達であることを考えれば、彼らが絶滅すればダミ子さんが憑依し続けている必要もなくなるわけで。
すなわち、今現在俺達がやるべきことはさっさとこの地下世界の分布図を完成させること、ということになるのであった。
……スタンドさんのツッコミに関してはノーコメント。
ともかく、うだうだ言いながら行動を再開した俺達。
結果、ある程度外周に関しては把握できたんじゃないかなぁ、と言うところまで進捗率が上昇したのであった。
「まぁその結果?内陸部が思ってたより広いってことが判明したんだけどね!!」
「オーストラリアくらいありましたわね……」
いや広いわ!!
別の世界が形成されつつあるとはいえ、世界の端から端まで大体オーストラリアくらいの広さがあるとか、実際に地下がくり貫かれてるんだとしたら日本が普通に沈む広さだわ!
いやまぁ、実際には俺達の世界に属しているのは地下の菜園までで、その下の部分は他の世界との境界線上みたいなもんだけど!!
「……それはもう他の世界じゃないのか?」
「区分けの上では一応
「なるほど……?」
こっちでもあっちでもない、微妙な位置に発生した世界。
それゆえあちらの法則も反映されつつ、こっちの法則も反映されている、みたいなことになっているのがこの場所の特徴。
それにどういう利点があるのかというと、この世界で何かしらやらかしても俺達の世界側のペナルティを受けにくい、みたいな感じになる。
あれだ、下手に他所の世界に触れるとヤバイ、みたいな話があったけど、ここだとその辺気にしなくてもいい、みたいな?
向こうでもこっちでもないので、そこら辺をうるさく言われる理由がないとも言う。
まぁそれはそれとして、だ。
高速移動くらいはできるってんでみんなで走ってみたわけだけど、まさかこんなに広いとは思わなかった。
「それを言うなら世界の端に走って行ける、ってのも大概驚いたがな」
「どっちでもないってことは端はちゃんと定まってる、ってことだからねぇ」
「そうか?」
なお、世界の端は見えない壁に遮られてるタイプでした。
……果たしてその壁の向こうに見えたものはなんだったのか。気にしない方がいいのかもしれない()
話を戻して、内陸部について。
ざっと走り回った結果、おおよそオーストラリアと同じくらいの面積があることがわかったわけなのだが、それってつまりどういうことなのかというと。
「日本の国土のおおよそ二十倍とされているわけだが……とてもではないが一日やそこらでなんとかなるなる量ではないな?」
「どー考えても夏休み丸々使うレベルな件について」
そう、日本の端から端まで移動するのにどれだけ掛かるのか、という話。
いや、単に長い広いだけなら、現状の俺達ならそこまで苦労しないかもしれないけれど。
この境界世界、そこにはブロック姿の生物?が暮らしているわけで、必然的に入り組んだ──端的に言えば彼らの居住区などがあるわけで。
「この世界に住まう者達を残さず把握し、それを全て殲滅しなければならない私達からしてみれば、それを遂行する難易度が急上昇したとしか言い様がありませんわね……」
「いやまぁさー!?ちまちま潰していくってよりは一ヶ所に集めてドカン、って方向だったけどさー!?」
『残さず一ヶ所に集める、となると中々に難しい話になったのう』
誘き出すにしても、位置やタイミングなど色々考えることが出てきた、って話になるわけで。
これがもっと狭い世界なら話は楽だったけど、生憎オーストラリアくらいに広いとなると集まるまでにも時間が掛かるって部分も問題になるわけで。
……いや、思ったより難易度高くね?
そんなことを思ってしまった俺を、誰が責められるというのだろうか。
そんなわけで、微妙にどころかがっつりやる気が削がれてきた俺達なのであった……。