うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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贈り物を送り返す一つの冴えたやり方

「とりあえず主要な箇所には設置できたかな?」

「ううむ……それはいいんだが流石に疲れてきたぞ……」

「おっとお疲れ様」

 

 

 通信機を上手い具合に設置し続けることはや数分。

 迅速かつ隠密にことを運んだ結果、特に誰かに見つかるようなこともなく、準備を終わらせることができたのであった。

 まぁ、速さを心掛けたり見付からないように気を付けたりと、何かしら疲れるような作業ばっかりであったため、ご覧のようにバテてる人を生み出す結果に繋がったりしているのだが。

 ……え、俺?いつぞやかにやってた『TASさんに引き摺られての尾行』に比べれば……ねぇ?

 

 ともあれ、別に俺達だけが重労働をしているわけでもなし。

 適度に休んだのならさっさと次のところに向かわねば、と成金君に発破を掛ける俺なのであった。

 

 

「……他と言うと……」

「大森林はカバー範囲の広いCHEATちゃん、動きのいい──多分軍人か何かだと思われるブロックが集ってる砦には、対応力の高いAUTOさんなんかが担当してるね」

 

 

 そこで話題になったのが、他の場所で頑張っているだろう面々のこと。

 

 都会なこの辺りと違ってとにかく広く、かつブロック達の分布もなかなかに疎らな大森林には、頭のゲーム機(ドローン)くらいは飛ばせるようになったCHEATちゃんが。

 ヤシの木達との戦闘の前線基地ということなのか、他のブロック達よりきびきび動く個体が多く見られる砦には、隠れるにしろ対処するにしろ手段を幅広く持っているAUTOさんが……。

 

 みたいな感じで、みんなそれぞれこの広い境界世界で頑張っている最中なのである。

 ……まぁ、結局本調子には程遠いままで、結果として『バッドコンディションの中で可能な限りのパフォーマンスを維持する』って方向に舵を切っているため、誰もが余裕なんてない状況なのだけれど。

 

 現状拠点に引きこもっているため何もしていないように見える新聞部君だって、MODさんとかスタンドさんと一緒にせっせと準備をしてるみたいだし。

 

 

「そういう意味では、食糧調達と食事の提供に力を入れてるDMさんが一番楽そう、って話になるのかな?」

「そも彼女はこの世界で動き過ぎるべきではない、と結論が出た上での話だろう?特に言及の意味はないと思うが」

「……それもそうか」

 

 

 なお、そんな中でDMさんだけいつもやってることの延長、みたいなことしかしていないのだが……その辺はこの世界にやってきたばかりの時にも語っていたように、彼女が頑張り過ぎると邪神再誕に繋がる、みたいな事情の上での話なので致し方なし。

 寧ろ、この世界を詳しく調べる毎に何やらキナ臭い話が出てくるので、下手に動かないのが正解なのだろうなー、という感じの方が強かったり。

 

 と、言うのも。

 この境界世界、様々な偶然から生まれたいわゆる『新世界』ではなく、既存の──忘れ去られていた世界を掘り起こしてしまったもの、という要素の方が強いみたいなのだ。

 

 もし仮に、この世界が()()()()()()()()()()()()()()、隣の世界との壁が薄いためにサンタのプレゼントとなる素材達が逃げてきた……というものであったのならば。

 極論、TASさんが()()()()()()()()()()()()()()()()()()解決してしまうのだ。

 

 

「端的に言えばセーブデータの破棄、だったか?」

「TASさんが掘り当てた、って因果が端からなければこうまで大きくなってないでしょ……みたいな考え方だね」

 

 

 平たく言えば()()()()()()()()なので、TASさんが諦めればそこで終わる話ということになるか。

 ここまで成長したモノも、そのきっかけから崩されるのであれば呆気なく崩れてしまうわけだ。

 そのさまをして、(ここまで積み上げてきた)セーブデータの破棄、となるわけである。

 

 最悪、余程面倒ならそっち方面の解決を目指した方がいい……なんて話も出ていたのだけれど、そこに待ったを掛けたのが何を隠そう『ヤシの木』達の存在なのであった。

 

 

「この世界を見付けたきっかけがTASさんで、ブロック達の起源がサンタさんなら、()()()()()()()()()()()()()()()()?……ってなるのはある意味当たり前というか……」

「そうして調べた結果()()()()()()()という話になったのだったな」

 

 

 そう、他のモノには起因となるモノを見付けられたのに、ヤシの木達に関してだけはその元となるモノがわからない。

 まるで突然湧いてきたかのようなその正体不明さは、セーブデータの削除如きで消えてくれるのかわからない……なんて不安をもたらしたのである。

 

 まぁ、そうは言っても別に強いわけでもなく、ただただ多いだけの存在なので問題はないのでは?

 ……なんて意見も出てきた最中、唐突に思い出すこととなったのがスタンドさんの発言。

 

 

『……ああなるほど、何やら懐かしい空気が薫ってくると思っておったが、(わし)らの故郷に程近い植生なのだな、この植物共は』

 

 

 ……である。

 ──思いっきり答え言うとるやんけ!!

 

 そう、正体不明のヤシの木達はスタンドさんが懐かしい、と思うもの。

 そしてDMさんが言い出した「そういえばここの空気もなんだか懐かしいような」という言葉により、みんなは確信したのだった。

 ……この世界、邪神が封印されてた土地とかそういうのだろ、と。

 

 

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