はてさて、謎のブロック確保の話が終わったところで、改めてROUTEさんの救援へと向かう話に戻るんだけど。
「飼いブロックがついてくると言って聞かない件」
「へ、部屋に置いておいた時ニハこんなに暴れなカッタんデスよ?!」<ピギッ,ピギーッ!!
「いやまぁ、その辺は今の今までバレてなかったことからわかるから」
ご覧の通り、日本被れさんについていくと言って聞かないブロック君という図が繰り広げられることになったのであった。
これには俺達も思わず困惑顔……だけとは限らず。
「……ふむ」
「DMさん?」
自己主張を続けるブロック君を見て、何やら小さく呟いているDMさん。
それから、一頻りブロック君の様子を確認したのち、
「まぁ、連れていっても構わないのではないでしょうか?」
「ハイッ!?」
「DMさん!?」
そんな、一種の爆弾発言を落としたのであった。
……いや連れていけばいいとかそんな軽く言うけど、一応は敵方の子ですよこの子?
そんな感じに彼女へ説明を求めたのだけれど、
「ほら、よくあるじゃないですか。何処かへ行こうとする飼い主に対して、行くなと吠え続け無理だと感じたらついてくる犬、とか」
「なんか唐突に死亡フラグ立ててきたんですけど」
「エッ!?私死ぬんデス!?不死身ナノに?!」
「なんでフラグの上塗りした今???」<ピギーッ!!
返ってきたのは、これまた唐突な死亡フラグ宣言。
……言われた本人が更にフラグを立ててるんだけどこれマジで死にかねんな?()
心なしかブロック君も怒ってるみたいだし。
……うん、怒ってるっぽいんだよね。
それもDMさんに怒ってるんじゃなくて、迂闊なことを口にした日本被れさんの方に怒ってる感じ。
ってことはだ、少なからず何かしらの危険を彼が感じ取っている、というのはほぼ間違いないわけで。
『種族の中で唯一自分のみが、という孤独感を抱いていたのを助けてくれた恩人。そんな相手がよく考えもせず危険な場所に向かおうとしていれば、誰でもそれを止める・ないしはついていこうとする……というわけだな』
「猛烈についていきたくなくなったですぅ……」
『諦めよ、お主は固定メンバーじゃ』
「ぐぬぅ、自分の体質が憎いですぅ……」
……微妙に外道なことを言っている約一名はスルーするとして。
スタンドさんの言う通り、ブロック君にとって日本被れさんは異端として弾かれていた自身を助けてくれた唯一の存在。
いわば命より大切な相手であり、そんな人間がろくに準備も心構えもせずに危険地帯に赴こうとしているのであれば、止めるなりついていくなりするのが自然だろう。
それが行動として出たのが今の彼の姿であり、ゆえにそれを見た俺達はもう少し考察を進めるべきである、となるわけで。
「ハイ?考察?」
「爪弾きにあったのだとしても
「な、ナルホド?」
ここまで明確に騒いでいるとなると、向かう先についての知識を持っていると考えた方がいいだろう。
無論、虫の知らせ的なもので一緒についていくべき、と判断している可能性もあるが……それを踏まえた上で、やはり何かしら情報を持っていると考えた方がいいと俺は思う。
何故かって?
「……ドウいうことデス?」
「虫の知らせで『あの洞窟は危ない』って思ったんなら、ついていくよりも引き留めることを優先するだろうってこと。特に彼の知能が見た目の動き通りのそれなら、要するに犬とか猫とか──人以外の獣くらいのものってことになる。なら、危険には立ち向かうよりも避けようとするのが自然だろ?」
「た、確かニ。ほぼ最初カラ一緒に行くツモリ、というノハ少し不自然な気もしマスね……」
野生動物的な感性の持ち主であるならば、自身が死傷する可能性のある場所になんて近寄らないはず。
よっぽど強い飢餓に飢えているのならともかく、普通ならリスクの大きすぎる行動は回避するものだろう。
必然、それを他者が赴く場所に感じているのなら、止めておけと引き留めるのが普通。
そうでなく一緒に行こうとするのであれば、恐らくは
「自分と一緒なら安全に戻ってこれる、っていう自負があるからついてこようとしている、って風に言い換えられるかな」
「そうですね。この状況からすると、そう予想するのが自然だと私も思います」
「はぁい」
「はいダミ子さん」
「その子が騙そうとしている、という可能性はぁ~?」<ピギッ!?
「その時は叩き壊して逃げるから大丈夫」<ピギィッ!!?
無論、ダミ子さんの言う通り彼の動きが全て演技、なんて可能性もないではない。
とはいえその場合は裏切ってた彼を粉砕して戻るだけの話なので、そこまで問題はないと返す俺なのであった。
……なお、現状の信頼度だとこれでも譲歩している、ってことをブロック君が理解するまで、ダミ子さんと二人ピギャピギャ吠えられる羽目になったことも、合わせて記しておく。
まぁ、仕方ないね()