うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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裏道知るは孤独の証

「ブロック君が騒ぐからってんで動きを見てみたけど……」

「ドウにも私達を何処かに誘導してイルみたいデシタね」

 

 

 はてさて、騒ぎ始めたブロック君を暫く観察したところ、どうやら俺達を何処かへと誘導しようとしている様子。

 現状取れる行動も多くないし、折角だから任せてみるか……みたいな感じで彼の誘導に従ってみたのだけれど。

 

 

「……横穴、デスかね?」<ピギーッ

「端的に言うとそんな感じっぽいね」

 

 

 そうして彼が案内したのは、木々に隠れるようにして山肌に開いたひび割れのような穴。

 見た感じどこまで続いているのかはわからないが……空気が流れて来ている辺り、何処かに繋がっていることは間違いあるまい。

 

 

「……もしかしてだけど、ここから件の洞窟まで行ける?ってか寧ろ繋がってたりする?」

「なるホド、その可能性は十分ありえマスね!」

「その場合問題なのはぁ~、入り口から結構離れているのでぇ~ROUTEさんの痕跡を辿り辛いことでしょうかぁ~」<ピギッ?

 

 

 この穴がある位置的にも、繋がっている先が目的地である洞窟の可能性は高い。

 ……高いのだが、同時に今回の目的がROUTEさんの捜索であることを思うと、変なすれ違いが発生しそうな気がするというのも事実。

 それと同時、ここから戻って別ルートを辿るのもなぁ……みたいな気分になっていることも事実なわけで……。

 

 

「そうなると、取るべき行動は一つ……か」

『うむ。表のヤシの木を全滅させるのは厳しい、かといって別ルートを目指すのは何日掛かったものかわかったものではない……』

「ジャアもう、ここを通ってROUTEを探すシカありマセンね!」<ピギーッ!

 

 

 結果、虎穴に入らずんば虎児を得ず……はちょっと違うが、ともかくこの横穴を踏破することに決め、意を決して歩を進めた俺達なのであった。

 

 

「……当たり前の話だけど暗いな」

「あ、待っててくださいですぅ。ここに出発前に持たせて貰った懐中電灯がぁ~……あ、ありましたぁ~!」

 

 

 とはいえ、入ってすぐはまだよかったものの、すぐに辺りが暗闇に包まれてしまう。

 入り口付近から差し込む太陽の光以外、ろくな光源がないのだから当たり前といえば、当たり前なのだが……この世界に初めて来た時に通った洞窟は普通に明るかったので、なんだか違和感を覚えてしまった。

 

 無論、そこで止まってしまうと問題しかないので、ダミ子さんがDMさんから持たされたバッグ(リュックサック。中にはお弁当なども詰まっている)の中に入っている懐中電灯を取り出すのを待つ俺達である。

 数秒と掛からず目的のモノを取り出したダミ子さんは、そのまま電灯のスイッチをオン。

 途端に辺りは人工的な明かりに包まれ、内部がどうなっているのかをこちらに見せ付けてくる。

 

 

「……コウモリでも居るかと思ったけど、別にそんなことはなかったな」

『まぁ、ブロック共に明るい暗いの違いはあまり意味もなし、仮にコウモリ型であれ日中潜み続ける理由もないからのぅ』

 

 

 視界に入ってきたのは、ごつごつとした岩肌。

 ……外の木々達とは違い、あくまで単なる岩肌である。

 そこにブロック達(の中身)がいるかは不明だし、仮にいても早々顔を出してくることはあるまい。

 いやまぁ、ダミ子さんが素顔(?)を晒すのなら別の話かもしれんけど。

 

 ともかく、こちらを邪魔するようなものがいないのであれば好都合。

 このままダミ子さんの憑依を維持しつつ、何処かにいるはずのROUTEさんを探していく次第である。

 

 

「そのためにはまず、ここからどっちに向かうかを決めないとだな!」

「ハイ?……ってoh、早速別れ道デース?」

 

 

 ……というわけで、早速の二択クイズのお時間である()

 俺達の目の前に現れたのは、左右に別れた先の見えない道二つ。

 片方──右側に続く道は緩やかに下るような形になっており、そのままだと先は暗闇に包まれていて何も確認できない。

 ダミ子さんが電灯で照らしたところ、ある程度までまっすぐ緩く下に降りていったのち、そこから突き当たりで左にカーブしている……みたいな感じになっているようだ。

 

 対してもう片方──左側に続く道の方はどうなのかと言うと。

 こちらは右側とは反対に少し登っていくような傾斜になっている。

 かつ、ある程度進んだ場所(右側より近い)に壁が見えており、そこから右に──見方によっては右側の通路と同じ方角に向かって進むように曲がり角が設置されている、という感じになるようだ。

 

 

『ふむ、つまりどちらも現在(わし)達が向いている方──前方に向かって道が伸びている、ということになるわけか』

「そうなりますねー。前進したいだけならどっちでも構わない、みたいな感じというか」

「フゥム……ソレは迷いマスねぇ」<ピギッ?

 

 

 試しにブロック君に視線を向けてみるも、彼は不思議そうに首を捻るばかり。

 ……恐らくだが、ここに横穴があることは知っていても、それが何処に繋がっているのかまでは知らない、みたいな感じだろうか?

 

 

「つまり、この別れ道に関してブロック君を頼ることはできないと」

「うーん、どうしましょうかぁ~?」

 

 

 現状、どちらを進んでも大差ないように見える別れ道。

 ゆえに俺達は、そのどちらを選ぶのが正解なのかということに、思わず頭を悩ませることになったのであった……。

 

 

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