えー、なんやかんやありましたが二人を抱えて跳ぶことで向こう岸へと辿り着くことに成功した俺なのですが。
「今度は川に着いたんですがそれは」
「山の中に流れる川……ですかぁ」
「道理でなんダカ寒いと思ったデスよ……」
そのまま道なりに進んだ結果、今度は山中?を流れる川へと行き着いたのであった。
……なお、こちらはさっきとは違って軽くジャンプすれば飛び越せそうな幅の、そこまで大きくない川である。
なら特記することはなく、別にそのまま通ればいいだろうって?
「それができないから困ってるんだよなぁ……」
「……多分、あの岩みたいな魚の稚魚?ですよねぇ」
「滅茶苦茶跳び跳ねてマース、それダケならマダしも、跳び跳ねた際にこっちを滅茶苦茶見てきマース」
そうだったらわざわざ話題にはあげないんだよなぁ……。
問題だったのは川そのものではなく、そこに住んでいる生き物の方。
見れば、川の中にはスタート地点に固まっていた岩のような魚を、幾らか小さくしてちょっと鋭利にした感じの生き物が泳いでいるのが見える。
……いわゆる出世魚の類いなのだろうか?
大きいのが
それは冗談にしても、この魚がぴょんぴょん跳ねているのが問題だった。
……そう、この魚と同種と思われる岩魚の食性を思い出して欲しい。
そうだね、ヤシの木バリボリ食べてたね!
「まぁそれでも?あっちと同じく湖?池?の中で固まってるなら問題ないんだ。でもコイツら積極的に跳び跳ねてるってことは……」
『食事の確保のために動く気がある、それからその視線を見るに雑食性という可能性が高いのぅ』
「食べるのは良くてもぉ~、食べられるのはごめんですぅ~……」
謎の多い生き物である岩魚だが、それでも彼らがヤシの木と同じく食料を必要とする
……となればだ、仮に川を越えようと飛び出した瞬間、水中から彼らも飛び出して来て、こっちにかじりついてくる可能性はゼロじゃない……どころか、かなりの高確率でそうなると思っていた方がいいということになってしまうのである。
そりゃまぁ、渡るに渡れず立ち往生もするよな、というか?
「橋とか掛けてみるか?」
「どうデショウね……大人にナッタ彼らラシキものの食事を思い出スト、下手な橋は単ナルおやつなのデハ?……という気もしてキマスが」
「ですよねー」
何より問題なのが、やっぱり彼らが雑食だということ。
……ヤシの木をバリボリ?食べるんだったら、下手に橋なんて作っても普通に食い尽くされるだけだろう。
さらに言えば、成魚と思われる方は積極的に襲ってこないのに対し、若い彼らは襲う気満々。
……うん、そもそも橋を掛けようと準備した段階で食い付いてくる可能性大だよねー。
そりゃこんなもん、渡ろうなんて気になるわけないんだわ。
「かといって迂回しようにも、ねぇ?」
「またもや左右がどこまで伸びてるのかわからないくらい広いですぅ」
『横に広すぎるであろうこの山』
じゃあ渡らなければいいのでは?
……というのも、中々上手くいきそうもない。
何故かと言えば、さっきの底無し飛び地と同じく、左右がどこまで続いているのか視認できないのである。
ライトで照らしても壁に当たらない……一般的なライトが照らせる範囲が数十メートルと聞くので、少なくともその範囲内に壁はないと見ていいだろう。
いやまぁ、数十メートル程度なら歩いて行けばいいのでは、って気もするんだけどね?
「なんでかな、そう考えること自体ミスですって言われそうな気がするんだ」
『奇遇だのう、
既に底無しの谷間?的なものを越えてきた後なのだ、左右の道が再び底無し谷に繋がっている可能性はゼロではない。
というか、どっちかに行って仮に水が落ちる轟音とか聞こえてきたりしたら、俺その場で崩れ落ちるよ?
「……アア、滝がアルってことデスね」
「完全に行き止まりの類いですぅ」
「行き止まりだったらいいんだけどねー既に跳んだあとだから途中で横穴に入れとか言われそうな気もしてねー」
「うわぁ」
……うん、元が邪神の
いや、別に俺達深層目指してないんだけども、そんな難路求めてないんだけども。
『もしROUTEが迷い込んだのがそこであれば、必然そういうところも通らねばならぬのう』
「わーっ!!?それ絶対フラグですぅ!深層まで行って新しい邪神と戦う羽目になるやつですぅ!!?」
「はっはっはっ、本来それ冬の出来事のはずなんだけどなぁ!」
また順番狂ったのかな?(白目)
……ここまで要素が揃えば嫌でも察してしまうというもの。
これあれだな、DMさん・スタンドさんに続く三人目の邪神の加入イベントだな?
……いや、そんなにポコポコ出てこなくていいよ!?