うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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予感はバリバリ、道はぐだぐだ

「でも確かにそうなんだよな……ROUTEさんが連絡もできずにどこかで迷ってるなんて、早々ある話じゃないんだよな……」

「もう確定みたいなものじゃあないですかやだぁー!!」

 

 

 はっはっはっ、泣いても笑ってももう遅い。

 恨むんなら自分の体質を恨むんだな……なんて、遠回しなダミ子さんいじめで精神の安定を図る俺である。

 ……そうでもないとやってらんないんだよ!!

 

 

「っていうか邪神と言えばその信奉者である同人ちゃんだけど、あの子まだ補習中なんだけどいいのか……?」

「いつマデやってんデスあの子……」

 

 

 ついでに言うと、邪神関連の話には積極的に関わりたいはずの同人ちゃんは、現在再テストの再テスト中・かつ全体の行程としては半分終わったかなー終わってないかなーくらいの進行度だったりする。

 ……これ今回も蚊帳の外で終わるやつじゃね?

 

 まぁともかく。

 今回の案件が邪神を倒す……仲間に入れるためのいつものやつなのであれば、そこには必ず困難な道のりが待っているはずなのである!

 

 

「つまり、現状TASさんが動いていない・動けないこの状況、実のところ千載一遇の邪神さん活躍のチャンスなんだよ!」

『羨ましいのぅ……』

「羨ましいんデスか……」

 

 

 はてさて、この繰り返しの世界において、スタンドさんやDMさんのような存在は珍しい部類に区分される。

 何故かと言えば、基本的に前回の仲間フラグを引き継ぐこの世界において、何故か彼女達だけ合流イベントが再度発生するから、というのがとても大きい。

 

 ……いやまぁ、TASさんの繰り返し(追記)人生において、仲間キャラを加入させ始めたのはつい最近のことなんだけどね?

 圧倒的にサンプルとなるデータが少ないんだけどね?

 まぁでも、それを差し引いても珍しい部類なのは確かである。

 

 

「なんだっけ、データ上では同キャラ判定されてるのに、実際には別々のキャラとしてスロットを専有してる……とかだったかな?だから様々なバグやら不具合やらの温床になってるとかなんとか」

(わし)らが増えれば増えるほど、世界の処理に負担が掛かるというわけか。……おかしいのう、邪神としてはもう活動するつもりもないのに、自然と討伐されねばならぬ理由付けがされておるような気がするのだが?』

「大丈夫ですよスタンドさん、いきなり一周で馬鹿みたいに増えるようにでもならない限りそんなことにはなりませんって」

『お主が言うとそういうフラグにしか聞こえんのだがなぁ……』

 

 

 いや、俺をなんだと思ってます?

 ……まぁでも確かに、スタンドさんの懸念もまったくの見当違いかと言われればそうでもなく。

 実際、同じ存在(キャラID)が幾つも増えていく、というのはバグの温床であると同時に、致命的なエラーの起因ともなりうるものである。

 処理がスタックした結果無限ループでも引き起こした日には、そこから世界が崩壊する──ある意味邪神としての本懐を果たすことすらありうるだろう。

 

 とはいえ、それは夢物語に近い話でもある。

 処理のスタック、無限ループの発生に必要な邪神の数は、それこそ周囲を埋め尽くすくらいの量。

 となれば、一周一回のスローペースで増えている今のDMさん達では、早々満たすことのない条件ということになるだろう。

 

 

「あのぅ~、一ついいでしょうかぁ~?」

「ん、なにダミ子さん何か見つけた?」

「ああいえ、特段こっちで何かを見つけたということではなくぅ~、その話について思うことが一つありましてぇ~」

「はぁ、思うこと?」

 

 

 そんな中、おずおずと手を上げたのはダミ子さん。

 なにやら今の話の中で気付いたことがある、とのことだが……はたして何に気付いたというのか、軽い気持ちで聞いてみたところ。

 

 

「見立て、ってあるじゃないですかぁ」

「ああ、特定のものを別の特定のものとして扱う、みたいなやつね。……それが?」

「この世界は邪神の眠っていた場所、もしくは今も邪神が眠っている場所でぇ~、それを目覚めさせるためにヤシの木達が活動している、という風にも言えてしまうじゃないですかぁ~」

「……まぁ、そうだね」

 

 

 ……なんだろう、思ったより不穏な空気が漂ってきたような?

 そんな風に少々困惑し始めた俺に構うことなく、ダミ子さんは話を続けていく。

 曰く、ヤシの木が邪神の眷属であるならば、彼らがエネルギーを求めるのは自身の生存のためではなく、邪神復活のためなのではないかと。

 

 

「でもぉ~、普通に復活しただけじゃダメ、と言うのは他の邪神さん達からなんとなく把握してるような気がするんですよぉ~」

(わし)らから?』

「はいぃ~。TASさんが関わると高確率で失敗する、みたいなぁ~」

「……いや待っていやな予感してきた!」

「待ちません~。で、そうなるとTASさんの干渉を避けつつ、かつその場で颯爽と世界を滅ぼせる策が必要だと思うんですぅ~」

 

 

 ──つまり、ヤシの木達はそれ自体が復活の鍵であると同時に、世界を滅ぼすための火種なのでは?

 ダミ子さんはごく真剣な表情で、そう告げたのだった。

 

 

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