「……つまり」
「あのヤシの木、もしかしたら邪神そのもの、なんて判定があるかもぉ~?」
「うわぁないとは言いきれねぇ」
はてさて、邪神が邪神らしく行動してるかも?
……って話の延長で、この状況から世界を滅ぼそうとする場合何が最善手か?
となった時に有効な手として目されたのが、処理のオーバーフローによるフリーズである……というのがダミ子さんの主張なわけだが。
正直、あり得ない話だと一笑できないのが一番の問題な気がしてくる俺である。
いやだって、ねぇ?
DMさんとスタンドさんほど人?が変わっていても世界的には同一人物判定なのだ。
ならば、ヤシの木達に自身と同一人物であるという判定を仕込み、それによって擬似的に自分という存在をオーバーフローさせようとしている……なんて言われたとしても、与太話と切って捨てるのは難しいのである。
というか、なんなら実際TASさんが似たようなことやってたし。
『……
「そうだよ?一時期
『聞き間違いであって欲しかった……!!』
いやまぁ、仮にぶっ壊しても
……改めて考えてみると、あの時のTASさんって本人じゃなかったんだなー。
まぁその辺は昔の話なので置いとくとして。
ともあれ、今は目の前の危機についての話。
TASさんがやってたということは、すなわち(限りなく困難ではあるが)普通の人にもできる範疇のことである、という意味になるわけで。
「……つマリ、ヤシの木達全部邪神とイウ理論は罷り通る、ト?」
「そういうことになるね……」
「自分で想定しておいてなんですがぁ、あまりにクソゲーですぅ」
そりゃまぁ、みんな沈痛な面持ちにもなるというもの。
それが本当ならば、この洞窟は実質ダンジョンだと言うことになるのだから。
……え、気にするのはそっちなのかって?
いやまぁ、ヤシの木が邪神扱いされてるからといって、結局最後にはみんな殲滅することには変わらないので……。
そういう意味では、目の前の問題の方が優先されるのは当たり前というか?
「まぁ、だからってまったく今回の話と無関係、ってわけでもないんだけど」
『……あー、ここに入る前に外に集まっておったヤシの木達は、この洞窟から溢れてきたものだという可能性があるわけか』
「意図セズ本拠地に乗り込んでシマッタと?」
「それもあるけど、もしかしたらヤシの木達もこの洞窟を攻略しようとしてる、なんてパターンもあるかも?」
『なに?』
とはいえ、ヤシの木の属性が邪神である、とするならば別方向に問題になってくるのも事実。
現在俺達がこうして道なき道を進んでいる理由は、外でヤシの木達が通せんぼしていたからなのだが……。
もし仮に、彼らがあそこに集まっていたのは見方が間違っていて、
この場合、考えられるパターンは二つ。
一つ、ここが邪神の封印された場所で、そこに意図せず入ってしまった侵入者であるROUTEさんを追って各地のヤシの木達が集まってきた結果。
一つ、ここが邪神の封印された場所であることは同じだが、実はヤシの木達もこの洞窟の攻略中であり、ROUTEさんはあくまでその大群に巻き込まれたパターン。
前者に関してはこれまでの予想とほぼ同じなので割愛するとして、問題は今回増えた後者の予想の方。
先程ダミ子さんが『ヤシの木達は封印解除の鍵なのでは』と述べたことから派生したこの予想は、スタンドさん達が三人目の
『……確かに、懐かしい気配は感じたものの、
「つまり、邪神がオーバーフローによるフリーズを狙っているのが本当だとしても、現在のヤシの木達にその権限はないってことだと思うんだよね。そもそもヤシの木が端末だって気付かれると、とりあえずTASさんに蹂躙されかねないし」
「嬉々として殴り倒す姿が見えますねぇ……」
「一騎当千はTAS動画の華デスからね……」
本人とイコールで結べなかったということは、この世界の邪神は今なお封印されているということ。
大方、ヤシの木の一本でも封印にたどり着ければ復活する、みたいな話なのではないだろうか?
で、現状は誰も最深部にはたどり着けてないと。
「その理由がもしこの魚達にあるとしたら、どうします?」
『あー、確かにこやつらはヤシの木を食べるのだったか。……となれば、こやつらを排除するのは悪手も悪手だのぅ』
そしてその理由がもし、こうして俺達の目の前で飛び跳ねている魚達にあるのだとすれば。
……向こうに渡るのにも方法を考えないと、巡り巡って自分達の首を絞める結果になりかねないと俺は警戒するのであった。