うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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進めや進めどんどん進め

「結局爆発はシマせんでシタね」

「代わりに雪が依り集まってホワイトゴーレムに変化したけどな……」

『真面目な話、あれはブロック共と何が違ったのだろうな……』<ピギギーッ!!

「全然違う、お前は一体何を見ていたんだ、みたいなことを言ってますよぅ?」

「おう、さっき雲梯渡る時に変身した姿を思い出せやてめぇと返しておいてくれ」<ピギッ!?

 

 

 はい、雪のような何かはゴーレムの構成素材でした。

 ゆえにフロアに足を踏み入れた瞬間、降り積もっていた雪もどき達は全て一ヶ所へと──猛烈な風と共に集まっていき、結果としてバカみたいにデカいゴーレムへと変化したのです。

 ……まぁ、あんまりにもデカくなりすぎた結果、それに比例するようにして相手の死角も増えていたので、こっちはそこに滑り込むようにして足元をちょこまかと動き回り、まんまと先へと進むことに成功したわけなのですが。

 

 

『まぁ、それができなければ(わし)らは潰されておったろうがな。あれはいわゆる「うむ、それはデカくなりすぎ……」というやつだ』

「足を上げテそのママ下ろす、ってダケでも周囲が更地になりソウなレベルの足裏の広さデシタねー」

 

 

 なお、今しがたスタンドさんが述べたように、そうして回避できなければ寧ろ危なかった、というのも間違いではない。

 そういう意味では、今までと変わらず殺意の高いトラップだった、ということになるのだろう。

 金戒はたまたま、簡単に通り抜けられたというだけで。

 

 

「ただこう、それが本当だとすると一つ残念なお知らせがあるんだけど、聞きたい?」

「いやですぅきかないですぅ」<ピギッ!?

「おっと両耳を塞いで徹底抗戦の構え。だがしかし生憎だが君に拒否権はない、聞け」

「ああああああ両手を無理矢理剥がそうとするのは止めてくださいぃぃぃぃぃぃぃ」

 

 

 ……ただまぁ、そうなると一つ懸念が発生するわけで。

 日本被れさんは不思議そうに首を傾げているが、生身の人間の中ではその懸念に一番気付きやすいダミ子さんの反応は別。

 ばっと両耳を塞いで聞きません知りません、の形態に移行したため、それを無理矢理解除しつつ本題に移る俺なのであった。

 

 とはいえそうして大袈裟に騒いだものの、然程難しい話でも変な話でもない。

 単純に次のトラップの殺意が今までより高い可能性がある、というだけの話だし。

 

 

「What's!?ナンデそんなコトに!?」

「いやー……今まで邪神達と戦ってきた中で起きたことなんだけど……基本的に向こうは設置したトラップの数々を解けるものだと思っていない、もしくは解けたとしても易々とクリアできるものだとは思っていない節があってね?……結果、余裕そうにクリアしちゃうと次のトラップの難易度が爆上がりするという、TASさん垂涎(一般人にとっては最悪)のギミックみたいなものがあるのが通例でね……」

「なんデスその理不尽の極み!?」

 

 

 はっはっはっなんなんだろうねその理不尽の極み()

 思わず当事者(スタンドさん)の方に視線を向けてしまうが、当の彼女はどこ吹く風とばかりに口笛を吹いていたのだった。

 

 

 

´・A・

 

 

 

「はい、そんなわけで懸念まみれの次なるトラップ部屋にたどり着いたわけなのですが……」

「いやですぅー!!死にたくなーいぃ!死にたくなーいぃ!!」<ピギィ,ピギギー

「ダミ子の騒ぎ方はドウかと思いマスが……正直気持ち的には以下同文デース!」

「スタンドさん、何か弁明は?」

『おりじなるのしわざ、あっし(わし)のせいじゃない、しらぬ、すでにおわったこと』

「まさかのオアシス構文……」

 

 

 はいまぁ予想は当たるのが通例ですよね、ってなわけで殺意マシマシトラップ部屋のお時間です()

 

 その部屋を一言で説明すると……漏斗のような形、というのが正解なのではないだろうか?

 かなり急な傾斜の着いた坂と、その先に見える底の見えない穴がセットになったそれは、なるほど他に通れそうな道が見えない辺り、ここから下に降りろと指示しているのだと考えられる。

 

 

「問題があるとすれば、傾斜部分に穴がいっぱいあるってことなんだよなぁ……」

『流石に正解がない、とは考え辛いが……中心に空いた穴が正解でないパターンはもちろんのこと、場合によっては正解はあるが今空いている穴ではない、なんて可能性も否定はできぬのぅ……』

「ほぼ勘と運で攻略しろと言ってるようなものじゃないですかぁ!!?」<ピギーーーッ!!

 

 

 ……はい、素直に降りれば終わり、なんて簡単な話のはずがありませんでしたね。

 確かにこの部屋は漏斗状の形をしている。しているが、そこに穴が追加されてないとは言ってない。

 

 仮に漏斗として使おうとすると、途中で漏れまくる欠陥品以外の何物でもないこの空間。

 ゆえにどの穴が正解かだなんて一目では判別できず、かつ底が見えない辺りやり直しの機会はほぼないと考えていいだろう。

 

 まさにロシアンルーレット。

 一寸先は闇を地で行く意地の悪い選択肢に、思わず天を仰ぐ俺達なのであった──。

 

 

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