下手に戦闘を選ぶと、今の状況だと泥沼になる……。
そんなTASさんの言葉により、互いの陣営を取り持つのが最短ルートであることを理解した俺達。
とはいえ、それが理解できたとしても今から何をするのか、って部分についてはいまいち把握できてないのだが。
「それはとても単純。みんなにもこんな感じで遠隔操作できるブロック体を作って貰う」
「つくってもらうー」
「……なんでしょうこの、こうして横に並ばれると確かに違うはずなのに、個別に見るとどっちもTASさんにしか見えなくなってくる不思議な現象は……」
「ん、それが理由」
「はい?」
そう疑問を溢した俺に対し、TASさんが答えとして示したのはさっきから沈黙していた──TASさんが操作してたんだから、それをやってない今は当たり前だが──ブロックスタイルのTASさん。
再び操作を始めたために動き出したそれは、しかしてAUTOさんの言う通り、明確に別物だとわかるくらいに違うのにも関わらず、こうして動いていると本人だと勘違いしてしまう
そんな感じのことを彼女が述べたところ、TASさんはさもありなんとばかりに頷いていたのだった。
……彼女の語るところによれば、それこそがこのブロックスタイルの特徴なのだという。
「この子は私の魂を分けた存在、まさに半身」
「えっ」
「まぁ半身とは言っても魂のほんの一部を与えたってだけなんだけど」
「えっ」
「今回はみんなにも同じ事をやって貰う」
「ゑっ」
わぁ、みんな困惑しきりだぁ(白目)
……いや当たり前だっつーの。今の説明で全体像を理解できるやつがいたらやべーっつーの。
『魂に関する技術は数日後かはたまた遥か未来かはともかく、確実に存在する技術だということであろう?それを使って遠隔操作……と言っても、己が魂によって動く人形を作り、それを前線に出すというある種原始的とも言えるやり方をする……というのが今回の話だと』
「わかってる人いたよ」
「すごい」
『ぬ?……ええと、ありがとう?』
やだ、説明できる人いたよ……正確には人じゃないけど……。
思わず周囲から鳴り響く拍手に困惑するスタンドさん、彼女?の言葉を纏めるとこうなる。
要するに、念じれば動く人形を作れば本人判定出るから、これを使って安全な位置から戦争に介入しよう……というわけだ。
「ん、その通り。ついでに言うとブロックの姿はブロック達の関心を、そこに宿る魂に関してはヤシの木達の興味を惹くことになる。そこに邪神ブロックを連れていくと、互いの種族のハーフとして認識してくれるようになる」
「なるほどハーフとして……ハーフとして???」
「そう。戦争を納めるのは互いの種族の血を引く落胤。わかりやすいけど効果覿面な策でしょ?」
「ああうん、そだねー……」
凄まじくマッチポンプ臭がする、とは言わないでおく俺なのであった……。
「なるほどなるほど。それからどうなったんっすか?」
「そこからはまた修行のお時間だな。いやまぁ、流石に何日も掛けてらんないから、急ピッチの修行だったんだけども。何せそこにいた面々全員参加だからね、以外にもダミ子さんは(予想に反して)すぐにできるようになったんだけど、それ以外の面々が意外と苦戦して……」
「そ、その辺りの話はもう宜しいのではないでしょうか?!」
「ん、おう。じゃあ実際の戦場での話について……」
……はい、ってなわけで久方ぶりの地上である。
相も変わらず同人ちゃんの補修は終わってなかったわけだけど、それはそれとして地下で何があったのかを解説中、というわけだ。
いやだって、ねぇ?
今んとこぼかして伝えてるけど、ブロックさんのことについて触れなきゃならんのは確定事項なわけで。
みんな忘れてるかもしれないが、この子(隠してるつもりっぽいけど)邪神の信徒だからね、明らかに。
……となると、だ。
都合三人目となる邪神の化身?的な存在が現れたとなれば、そりゃもう困惑を通り越して『????』って感じに宇宙を背負うこと不可避だろう。
ってなわけで、彼女に心の準備をさせる意味も含めつつ、ちまちまと地下で起こったことを(一部改変しつつ)伝えている、というわけなのである。
その甲斐あってか、なんとなーく邪神が関わってることとか、最終的にどんな結末に至るのかとか、朧気ながらも理解しつつある様子。
そんな彼女の様子に満足しつつ、さていよいよ本題に入っていこう、と姿勢を正す俺。
そんなこちらの様子を受けて、聞いていた同人ちゃんも空気の変化を察したのか居住まいを正し始める。
それを見届けてから、俺はいよいよ話の核心となる部分について語り始めたのだった──。
「──始まりに曰く、神は箱を御作りになった」
「なんかすっごい仰々しい語りになったっす!?」
え?話した結果?
やっぱり受け止めきれずに『無』になってる同人ちゃんがいましたが何か?
いやまぁ、三人が半ば悪ノリで彼女の周りをぐるぐる回ってたから、って面もあると思うけども。