うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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学生は遊んでなんぼ

「まぁ、一応理屈は理解したっす。極限まで追い詰められた人間が何をするか、なんてのは早々予測できないものっすもんね」

「それが自分のことであっても、ってやつだね。……わかって貰えたところで、改めて今日何をするのか説明しようと思うんだけど」

「はい、何するんっすか?」

「追いかけっこをします」

「追い……かけっこ……??」

 

 

 あらやだ滅茶苦茶困惑した顔していらっしゃる。

 

 でもまぁ、その気持ちはわかる。

 追い詰められるのが悪い、みたいな話をした後に(別方向に)追い詰めに・もしくは追い詰められにかかる内容を出してくるとはどういうことだ、みたいな?

 

 

「でも実態を聞けばきっと納得できるはず。ってなわけで今回の特別ゲストをご紹介しましょう、こちらです」

「はい?特別ゲスト?……ってあ゛っ!!?

 

 

 はっはっは、踏まれた猫みたいな声あげてるわこの子。

 でもまぁそれも仕方のない話、何せ出てきたゲストというのは、DMさんを筆頭とした邪神三銃士だったのだから。……自分で言っといてなんだけど邪神三銃士ってなんだ???

 

 それはともかく、今回することを正確に述べると。

 

 

「チキチキ、憧れの邪神と追いかけっこして心の余裕を得よう作戦~」

「ななななななな」

 

 

 好物用意しておけば多少のマイナスはなんとかなるよね、という安直な作戦である。

 ……その安直な作戦が効果覿面なんだから世の中はわからないというか?

 

 ともかく、今回の目的としては……、

 

 

「奉じているお歴々と戯れることで精神ポイントを回復、かつ心の余裕を取り戻すことでいずれくる可能性のあった滅亡も回避。まさに一石二鳥の解決策ってぇ寸法よぉ!」

「ぐぬぬ、普段ならんなバカなってツッコむところっすけど、これに関してはなんにも言えねぇっす……だって実際効果的!いやまぁ自分別に邪神の信奉者でもなんでもねぇっすけどね!!」

「はっはっはっ、そういう戯れ言はその笑顔を多少隠してから宣いなさいな」

 

 

 滅茶苦茶にっこにこやないかいわれぇ、みたいなツッコミを投げ掛けざるを得ないぞそれは流石に。

 ……とまぁ、同人ちゃんとのお約束的やり取りを終えたのち、当初の目的通りに彼女と邪神三銃士達の追いかけっこが始まったわけですよ。

 それで済んでれば特に問題はなかったんっすよ。

 

 ええまぁはい、それで済まなかったので話が続いているわけで。

 何が起きたのかって?そりゃもちろん、

 

 

「本来なら彼女がやらかした時に起こることが偶然発生しちゃったんだよなぁ……」

「あばばばばばばばばば」

 

 

 歴史の修正力的なやつを感じるね……。

 

 そう、本来なら同人ちゃんがストレスマックスになった結果引き起こす厄災が、何の因果か前倒しで発生してしまったのである。

 ……いや、もうやる気は無かったわけだから前倒しは変か?

 

 まぁともかく、確実なことは一つ。このまま放っておくと世界が滅びる、という至極単純な結末だけである。

 

 

「あばーっ!?お助けください神様仏様邪神様!どうかTAS様にフルボッコにされる結末とかはご勘弁をー!?」

『生憎だがその願いは(わし)の力の範疇を越えておる』

「そんなーっ!?」

『冗談じゃ冗談、冗談じゃから掴めもせぬのにすがり付くではないわ!』

 

 

 んで、そうなると必然的に考えなければならないのが、嬉々としてTASさんが介入してくる可能性である。

 特に、今回のは明確な滅亡案件。……TASさんからしてみると一大イベントに他ならないわけで、そりゃまぁ首を突っ込まないはずがないというか。

 

 となると連鎖的にこの事件の首謀者に該当する相手の首が飛ぶ、ということになり……はい、同人ちゃんの頭と胴体離婚の危機である()

 流石にそんな死に方はいやだ、とスタンドさんに泣き付く同人ちゃん。

 されどすがり付かれた方は『TASをどうにかするとかそれなんて無理ゲー?』とすげなく断るのであった。

 ……いやまぁ、すぐさま冗談だって前言撤回してたんだけどね?

 

 

『とはいえ別にTASを撃退する手段がある、というわけでも無いがのぅ』

「それじゃあ結局冗談じゃないじゃないっすかヤダー!!」

『話を最後まで聞かぬかバカもん。……というかじゃな、よくよく考えれば答えは自ずと導き出せるはずじゃぞ?』

「……はい?」

 

 

 とはいえそれはTASさんを倒そうと頑張る、という意味ではなくもっと別の話。

 冷静に今回の案件を振り返ってみると、自ずとやるべきことが見えてくるタイプの問題である、とスタンドさんは告げる。

 

 その言葉に疑問符を浮かべたのち、それでも自分がやるべきこと、とやらを考え始めた彼女は──途中でニコニコ笑っている俺に視線を向けたのち、震えた声で問いかけ始めたのだった。

 

 

「……ええと、もしかして、ストレス解消と言うのは……」

『お主が最優先じゃが、同時にけあせねばならぬ者がおるよな?──このまま進めておれば巨大ボス戦ができたのに、とか思っておりそうなやつが』

「TASさんんんんんんんっ!?」

「呼んだ?」<ニュッ

「ギャー!?呼んでねぇっすー!?」

 

 

 そう、TASさんも一緒に遊んで()あげないとダメでしょ、というのが今回のもう一つの目的だったと。

 

 その後、TASさんも加えた地獄の鬼ごっこが開催されることになったがそれはまた別の話。

 ……一応、全部終わった後に同人ちゃんに対してプラスで色々あったみたいだけど、その辺は彼女だけの秘密、ということで。

 

 

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