うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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提出物をいつまでに終わらせるか、というありがちな問い

 はい、そんなこんなで登校日。

 真夏のくそあっつい日にわざわざ学校に来させようという上層部の陰謀()に逆らう気概を見せる間もなく、俺達は久方ぶりの教室に集まっていたのだった。

 

 

「クーラーの冷気が行き渡るまでのこの時間があまりに地獄……」

「確かに。だから今日はこんなものを用意し「やらせねーよ?!」ちぇー」

 

 

 なお、そんな時でも様子の変わらないTASさんである。

 口では暑いと言ってるけど、まったく暑そうに見えないんですがそれは。

 

 

「汗の一つも掻いていませんものね……いえまぁ、その辺りは私達にも言えることなのですが」

「一緒にしないでくれたまえ私とか普通に汗掻いてるぞ!?」

「ダメですぅ~死にますぅ~この世の中はくそですぅ~……」

 

 

 因みにだが、今しがたAUTOさんが触れた通り、暑そうに見えない──汗をまったく掻いてない人間も何人か居たりする。

 主に該当するのはTASさん・AUTOさん・CHEATちゃんにROUTEさん、それから新聞部君に読書家ちゃんとかになるだろうか?……あっ、邪神三銃士(DM・スタンド・ブロック)は端から除外で。

 

 

「ロボでーす」

『扱いとしてはロボか?』

「ブロックじゃ。……冷静に考えてみると我輩色々場違いでは?」

「その辺はすっごい今さらだと……」

 

 

 何せ彼女達、そもそも汗を掻くシステムがない……みたいなのばっかりだからね。

 DMさんはメイドロボだし、スタンドさんは文字通りだし、ブロックさんはブロックだし(?)。

 いやまぁ、汗を掻いてない面々と比べると、別に暑くないってわけではないみたいだけどね?

 

 

「機械に熱は厳禁、ですからね。一応自前の能力で熱を発散させたりはしていますが」

(わし)は暑いとは思うが別にキツくはないの。その辺ブロックのはどうなのだ?』

「率直に言ってバカみたいに暑い」

『そ、そうか……』

 

 

 まぁ、その辺を考慮しても辛そうなのはブロックさんくらいのものみたいだが。

 日本被れさんから氷嚢を受け取って体を冷やしてるけど、あっという間に溶けてしまってたし。

 

 そんな彼女達と違って汗を掻いてないTASさん達はどうなっているのかと言うと、それぞれ独自のやり方で暑さを回避している、ということになる。

 

 

「聞いてても意味わかんないんっすけど……なんすか暑さを回避って」

「ん、空間に対して接触する体表を減らすことにより、そこから体内に入ってくる熱の量を減らしてる」

「未来のどこかで人間が獲得する『低温が高温の方に()()()移動する』技術を使っていますわ」

「単純に私の周りの空気だけ冷やしてるよー」

「温度自体に話し掛けて避けて貰ってますね」

「やり方としてはTASのとさほど変わんねーよ」

「ん、ROUTEに同じ」

「なるほど。何人かわかりやすく変なことしてるのがいる、ってのはわかるっす」

 

 

 はっはっはっ、全員意味不明な回避方法でやんの。

 ……まぁその中でも、同人ちゃんの言う通り素人目にすらわかるようなヤバイのが何人かいるわけなのだが。

 

 

「……どれもヤバイようにしか見えんが、やはりTASか?」

「残念成金君、今回一番ヤバイのはTASさんじゃないです」

「なんと?」

「まぁ、TASっちの真似してるの二人ぃるしね~」

「む、それもそうか」

 

 

 そんな同人ちゃんの言葉を聞いて、成金君がどうせいつも通りだろう、とばかりに予想を述べるが……残念、今回に関してはだが、やってることのヤバさが一番なのは彼女ではない。

 ギャル子さんが言ったように、そもそも同じことしてるのがあと二人はいるからね。

 なので、同率一位三人になる辺り『一番』ヤバい、とは言い辛い話になってくるのであった。

 

 じゃあ誰が一番ヤバいのかと言うと、だ。

 

 

「この中だとAUTOさんだね」

「えっ!?」

「……いや、なんで本人が驚いてるし」

「えっその、こういう時矢面に立つのはTASさんのお仕事だと思っていましたので……」

「ん、冷静に考えればわかること、私のやってることは一応誰にでもできること。AUTO達のは明らかにその辺考えてない」

「……いや、この中だと一番じゃないだけで、TASさんもしっかりおかしいからね?」

 

 

 いやまぁ、以前光を避けてたのの延長だろうなー、と予測はできるけど。

 逆に言うと何やってるのかはわかるけど、それを真似するのは難しいどころの話ではないだろうなー、というか?

 

 ではAUTOさんのやってることの何がおかしいのかと言うと、なんというかもう最初から最後まで、全部である。

 

 

「そ、そこまで仰るほどのことですの!?」

「ん。基本的に熱というのは高いところから低いところには勝手に動くけど、低いところから高いところには移動しない。暑いところにあるものが勝手に冷める、というのは宇宙の法則に喧嘩を売る行為」

「というか、さらっとエネルギー問題解決してるやつっすよそれ」

「ええ……?」

 

 

 いわゆるエントロピー云々の話、というか。

 ……どっから見付けてきたのその法則、と真顔になる類いの話というか。

 

 そんなわけなので、現状だと一番変なことをしているのはAUTOさんになる……という話を、部屋が冷えるまで行っていた俺達なのでしたとさ。

 ……え?完全に単なる雑談でしかありませんけど何か?

 

 

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