うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

666 / 728
そもそも日中の砂漠を歩くのが自殺行為です

「そういえば、貴方様は何か対処などはなさらないのでしょうか?」

「忘れてるかもしれんけど俺一般庶民なんですわ、能力とかそういう便利なもんなんて持ってないんですわ、仮にあっても根性論なんですわ」

「なるほど……」

 

 

 どっから出してきたのか、何もかもを飲み込みそうなほど真っ黒な日傘を差したAUTOさんにそう返しつつ、砂漠の道なき道を行く俺。

 能力で暑さに対処、とかできない組はみんな似たような感じで進んでいるが……こう、隣の楽しそうな組を見てるとちょっとイラッとするというか?

 

 

「……人類滅ばねぇかなっす」

「気持ちはわかるけどそういうこと言うのは止めとけ、まかり間違って本当に滅びられても困る」

「ぇーとなんだっけ、善意で滅ぼそぅとしてくるのがぃるんだっけ?」

 

 

 因みにその内訳だが、俺・同人ちゃん・ギャル子さんの三人となる。

 ……え?他はともかくダミ子さんがいないのが意外?忘れてるかも知れんがあの人妖怪変化できますので……。

 

 

「砂漠でぇ~雪女ぁ~普通は死ぬけどぉ~なんとかなるぅ~♪」

「なんだあの歌」

「調子に乗ってるのがありありとわかるよ……」

 

 

 あんな感じで、雪女に変身した状態で進んでいる始末である。

 ……フード付きマント内に冷気を充満させて、快適な部屋そのものを連れ歩くような感じにしているらしい。

 

 その他大丈夫なんだ、と驚かれそうなメンバーと言うと……MODさんは砂に変身することで暑くなーいとかやってるし、ROUTEさんは渋々ながらTASさんの真似事してるし……。

 

 

「DMさんはロボなので暑さ無効、スタンドさんも同じく暑さ無効。ブロックさんは若干怪しいけど、融合したキャンピングカーによってエアコン機能を入手したので体内をキンキンに冷やすことで対応中……」

「いや、みんな好き勝手し過ぎじゃないっすかこれ……」

 

 

 うん、みんな砂漠をなんだと思ってるんだ、というか。

 とはいえ確かに、この暑さとまともに付き合うのは馬鹿のすること、と言われると正直否定のしようがない。

 

 

「だったらもう、みんなでTASさんの真似事をするしかないじゃない!」

「えっ」

「ぃぃねーそれ、ゥチそれ乗ったー♪」

「ゑっ」

 

 

 となれば、もうやるべきことは一つしかない。

 TASさんのそれはウルトラスーパー頑張れば一般人でも辛うじて出来なくもないかなー、という所業。

 となれば、この暑さを乗り越えるためには試すしかない技術だということ!

 もうこれは彼女の真似をするしかないよね!(暑さで脳みそをやられた者の発言)

 

 ってなわけで、はりきって温度を回避しようとし始めた能力無し組はというと。

 

 

「できた……」

「何ぃー!?っす!?」

「ぁはははゥチもできたー♪」

「ゑゑゑゑゑゑゑゑっす!?」

 

 

 はい、開始十分ほどでなんとかそれっぽいことができるようになったのでした。

 

 ……あれだ、サウナの中にいたのがぬるま湯にずっと浸かってる程度に軽減されたというか?

 いや、どっちにしろ空気が暖かいことには変わりないんだけど、それでも雲泥の差というか。

 これなら死ぬような感覚ではなく、スポーツの後程度の汗の掻き方で済みそうである。

 

 なお、身体能力的に俺より優れているギャル子さんの方は、俺よりもさらに快適そうな様子になっていた。

 

 

「筋肉をほどよく酷使するから、これ部員の稽古にも使えるかも知れぬ

「あー確かに。暑くはなくなったけど疲労は溜まりそうだなこれ」

「っしょー?」

 

 

 まぁご覧のように、何やら別方向の活用法を見出だしたりもしていたわけなのだが。

 

 ともかく、俺達は比較的簡単?に暑さを回避できたけど、そうなると困るのが同人ちゃんである。

 基本的には単なる女子高生でしかない彼女にとって、能力を使えだの温度を回避しろだのの話は無茶振りでしかなく。

 

 

「誰かー!!この暑さから救ってくださいっすー!!」

「じゃあ私と一緒に入りますかぁ~?」

「ぎゃー!!?この冷たさは命の危機を感じるんでお断りするっすー!!?」

「……あれ?」

「いやそりゃそうだろ、お前さん雪女なんだと思ってるんだ」

「あー……」

 

 

 そのため、周囲に助けを求めたのだけれど、真っ先にそれに反応したダミ子さんはあえなくお断りされてしまったのだった。

 

 いやまぁ、冷静に考えたら当たり前の話なんだけどね?

 彼女のそれはまがりなりにも妖怪変化、人とは相容れない存在の御技。

 となれば必然、それらの持つ技能は人にとって『命を奪うもの』に他ならず。

 ……わかりやすく言い換えると砂漠で()()するレベルなわけで、そりゃ本人はともかく他人には毒でしかないだろう。

 

 その辺想像できてなかったらしいダミ子さんは、呆気に取られたような声を出した後に反省したように縮こまっていたのだった。

 ……え?じゃあ結局同人ちゃんはどうしたのかって?

 

 

「はい、こちらをどうぞ」

「わーすごいっす暑さが吸収され……いやなんか光も吸収されてないっすかこれ?」

「その辺りは適宜調整してくださいまし。一応一般人でも問題ない操作方式ですから」

 

 

 はい、AUTOさんにスペアの傘を借りてました。

 ……ほんのり危険物の香りがしたことはスルーしてあげてください()

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。