うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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TASさんを追え!(かなり無理筋)

「どどどどどうしようこのままだと世界があれしてこうしてボカーン!?」

『落ち着け』

「了解」

『いや落ち着くの早っ』

 

 

 こうして慌ててても仕方ないからね、仕方ないね()

 っていうか、冥界と相性が悪い()と予め宣言してたスタンドさんの方がヤバい気もするというか。

 

 

『確かにそんなことも言ったが……とりあえずは問題ないぞ?』

「あれ?なんで?」

『その感想おかしくない?……それはともかく、確かにここは属性的に冥界ではあるが、明らかに様子がおかしいであろう?』

「まぁ……人の姿だけ見えてる、って辺り変としか言えんよね」

 

 

 進んでも進んでも基本的に壁にぶつからなかったり、それでも足はしっかりと地面を踏みしめているように思えたり……。

 まぁ、周囲が見えないという事実以外にも、色々とおかしなところが見え隠れしているのは間違いあるまい。

 

 ……それはつまり、今俺達がいる場所は真っ当な場所ではない──それこそグリッチによって抜けた世界の裏側、ダミーデータの吹き溜まりだったりするのかもしれない。

 

 

「いやまぁ、それだと周囲が見えないんじゃなくてダミ子さんの外見データとかで埋め尽くされてるって方が()()()気もするけども」

「参照先のデータが見付けられない時、自然とダミ子さんの情報が代替品として使われる……みたいな話でしたわね」

 

 

 ただ、本来見えないデータってだけだと、それこそダミ子さんの影響をもろに受ける……ってのは、前周回で生まれたある種の奇跡()、ダミ子星を思えば当たり前の区分になるわけで。

 そこを思うと、ここが単にデータの吹き溜まりである……なんて結論は早々に投げ捨てなければならないこともまた事実だったりするのであった。

 

 

「じゃあどこなん、って議論が再燃するんですけどねその場合」

「スタンドの言うことが間違ってないなら『冥界っぽいどこか』ってことになるんだよね?」

『まぁ、感覚的にはそうなるのう』

 

 

 となると、ここが何処なのか・どういう場所なのか?

 ……という疑問が再び襲ってくるわけだが、一応そのヒントとしてスタンドさんから『冥界ではあるっぽい』との言葉が例示されている。

 かつ、『冥界のような場所』であって、イコール冥界だと断言できるわけでもないと。

 ……スタンドさんが悪影響を受けてない、という辺りその辺も間違ってはいなさそうだ。

 

 

「それらを総合すると、最終的には『冥界のようで冥界じゃない場所』、すなわち今しがたスタンドさんが述べた通りの場所としか言いようがない、なんていうある種本末転倒な答えにたどり着くわけなんですけどね!」

「議論が進んでないどころか明らかに停滞している……」

 

 

 いやだってしょうがねぇじゃん。

 現状物的証拠を並べる以外の手段がねぇんだもの、周りに何があるとか全く見えないし。

 これである程度歩いてたら何かにぶつかる、とかのイベントが起きるんならまだしも、爆走して見えなくなったTASさんを思うとあんまり期待できない話になるし。

 ……あくまでも期待できないだけであって、何かにぶつかる可能性自体は残っている(≒単にTASさんが何らかの手段で物体をすり抜けて行っただけ)という風に見ることもできるけど。

 

 

「正直それを期待して歩き回るのは自殺行為というか……」

「そもそも今の状況がずっと()()()()、という保証もないからねぇ」

 

 

 それを確かめるためだけに、闇雲に走り回るのは悪手中の悪手としか言いようがないだろう。

 無論、危険を侵さなければ答えは得られないと強行することも可能ではあるが、それをした結果元の世界に戻れなくなりましたー、なんてことになったら目も当てられない。

 だってこの世界、俺達が望んでやって来たわけじゃないからね!

 

 

「あくまでTASさんに巻き込まれた結果だから、俺達だけの力で元の世界に復帰できるかもわからねぇ……」

「最悪ここがデータの狭間的なモノであるのならば、CHEATさんに頑張って貰えばなんとかなるかもしれませんが……」

「まぁ、あんまりやりたいことではないよね、通常空間にチートで戻る、ってやり方は」

 

 

 確かに、CHEATちゃんが解析とか頑張ったら元の世界に戻れるかもしれない。

 ……ただその場合、正規の?やり方ではなくなる可能性も高く、その延長線上により変な事態に陥る……なんてパターンが眠っている可能性は否定できない。

 

 というか、その場合はTASさんを放置して戻る、という形になるのでどっちみち詰みの匂いがするというか?

 

 

「……つまり、仮にCHEAT君の力を借りるにしても、あくまでも何処かへ行ったTAS君に追い付くために使う……という体裁を崩すべきではない、ということだね」

「後腐れなく元の世界に戻る、って意味でもそれがベストな判断ってやつだろうな」

 

 

 故にここで俺達がやるべきことは、元の世界に戻ろうと変なことをするのではなく、真面目にTASさんに追い付こうとすること。

 見失った彼女に追い付くためにCHEATちゃんとかの力を使う、という方向で話を進めるべき……という話になるのであった。

 

 ……単純な結論にたどり着くまでが長すぎる?それはそう。

 

 

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