うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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邁進する冥界紀行(偽)

「……見えましたわ!これこそ細くともしっかりとした勝利への道!」

「おお、やっと終わったか」

 

 

 はてさて、AUTOさんの作業が終わるのを待っていた俺達だが、どうやらこの様子だと解決への取っ掛かりを見つけた様子。

 となれば、こちらとしては彼女に帯同してさくさく道を進むのが最良、ということになるんだろうけど……。

 

 

「ええと、その事なのですが……」

「おっとAUTOさんが言い淀むとか嫌な予感しかしないぞう」

「ああいえ、そこまで甚大な問題というわけではありませんのよ?……ただちょっと、見つけた解決策的に少々制限があると申しましょうか……」

「ほう、制限とな?」

 

 

 当の解決策を見つけたAUTOさんの様子が少しおかしい。

 話を聞くと、どうにも見つけた解決策が一部の隙もない完璧な策……というわけではなく、微妙に欠陥のあるものなのだとか。

 

 AUTOさんの見つけた策なのに穴があるとは面妖な……と思わないでもないが、その穴が次の解決策に連鎖するので安易に埋められない……みたいな話はTASさんの方で散々体験したことだったため、まぁそんなもんかと納得。

 何より解決策の一つも見せないままこれ以上時間が経過すると、それこそTASさんが動き出すきっかけになりかねないので、一先ず彼女の策を試してみよう、という話になったんだけども……。

 

 

「……なにこれ?」

「なんなんだろうねぇ」

 

 

 そうしてもたらされた解決法に、皆が皆唖然とすることになったのであった。

 ……いやだって、ねぇ?見てみなよこの、なんだこれとしか言えないような、俺達の目の前にあるものをよぉ。

 

 

「まず、必要な人員として真っ先に挙がるのが私です。……まぁ、当然といえば当然ですわね。解決策を提示し続ける必要があるのですから、必然私が前に出ないわけにもいきませんもの」

「まぁうん、それはわかるんだけどさ……なんでこんな状態に?」

「それは……あ、あれですの。解決策の演算中は自発的な行動はほとんどできませんから。いわゆる処理落ち、というやつです」

「ああうん……そんなこと言ってたっけね……」

 

 

 なんだっけ、複雑な動作が嵩み過ぎると結果的に最適行動ができなくなるんだっけ?元ネタ準拠的な意味で(譜面多過ぎて落ちる)

 だからって()()はどうなんだ、って気がしないでも無いんだけども。

 

 ……いい加減勿体ぶらずに現状を(一部)説明すると、AUTOさんは現在()()()()()()()()()状態である。

 おんぶって言うのが一番わかりやすいだろうか?……いや、真面目にどうしてこうなった?

 

 いやね?言いたいことはわかるんだよ?

 元々今回のこれって先に行ってるTASさんに追い付くことが最大かつ最優先の目標なわけで、そのためにはこちらも高速移動──走るなりなんなりする必要性があるってのは。

 そうなると、必要な演算をしてると処理落ちするAUTOさんは向いてないってことになるのも、それを補助する誰かが必要ってのも、理屈の上では理解できるわけだ。できるんだけども……。

 

 

「じゃあMODさんだけでよくね!?俺必要かなこれ!?」

「おっと謙遜するなよ君。自慢じゃないが私がAUTO君を背負うとなると五秒も経たずに撃沈するぞ?」

「本当に自慢でもねぇ!?」

 

 

 今のこのフォーメーションの答えにはなってない、というか?

 ……ここでもう一つの現状を開示すると、上半身部分は先程述べた通りAUTOさんを背負ってるわけなのだが、下半身はスケートボードに足を乗せた状態になっているのである。……あ、このスケートボードの正体は変身したMODさんね。……何やってるのこの人(真顔)

 

 AUTOさんに耳打ちをされた結果、徐に変身し始めたMODさんと、唐突にこちらの背に飛び乗ってきたAUTOさんに急かされるようにしてこの状態になったわけだが……何?ここから大道芸人にでもなるの俺達???

 

 

「解決策を見つけたのは事実ですが、同時にそれを見付けるまでTASさんが待ってくれていたわけでもありませんから。……あ、いいえその、待ってなかったというのは言葉の綾で、正確には速度を落としながらも前進していたというのが正解でですね?」

「まー要するに、単純に走っていっても間に合わないくらい向こうとの距離は離れてるってことさ。そうなると高速移動の手段が必要となるけど、仮にCHEAT君にその辺りの道具を作って貰った場合TAS君が張り切る可能性大だってROUTE君がだね?」

「……あー、それは確かに。直前までなんで自分が減速してたのかとかも全部放り投げて高速移動しだすのが目に見える……」

(……後から怒られるやつじゃないかな、その言い方)

 

 

 まぁ、その辺の疑問は続けて彼女達からもたらされた説明によって、ある程度は氷解したわけなのだが。

 ……要するに、このメンバー以外を取り揃えると難易度が上がる、ということらしい。

 

 

「まぁだからといって俺に投げるのはどうかと思う、」

「よしスタートだ」

「んだけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

「おお、見事なロケットスタート」

 

 

 そんなこんなで、ぶっつけ本文のスケートゲームが開始したのであった。

 ……大丈夫なんですかねこれ?(胸中を渦巻く不安に顔を顰めつつ)

 

 

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