うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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季節は巡って行くのでラグる

 なんだかとんでもない裏事情を抱えた、ダミ子さんことDUMMYさんとの邂逅からはや数日。

 今日は周辺の学校の終業式があり、TASさん達もまた半日学校で式に参加したのち、そうして制服のままうちに集まってきていたのであった。

 

 

「流石に終業式には行くんだね?」

「一応、通知表は貰わないといけないし」

 

 

 とはTASさんの言。……判定は置いてある云々言ってたし、そもそもテストもほどほどに良い点数を取ってるらしいし、成績については恐らく平均点くらいになっているんじゃないかなー、みたいなことを言っていた。

 

 

「いつもはトップが云々言ってるのに、なんで成績は普通なんだ?」

「変に成績トップだと目立つ。目立つといらないフラグが立つ。フラグが立つと、飛ばせないムービーが来る……」<ガクガクブルブル

「ムービー恐怖症は相変わらずなんだね、君」

 

 

 なお、集まっている四人の制服は、全て別の学校のもの。……問題事を起こす面々が、一つの学校に集まってなくてよかったねと言うべきか、はたまた色んなところに火種があるのよくないねと言うべきか、微妙に悩ましくなる状況である。

 

 

「いいですねぇ、若いって」

「あー、ダミ子さんホントは成人してるんだっけ?」

「おかげさまで、以前やけ酒してた時に買ってた銘柄、全部購入できなくなりましたですぅ」

 

 

 なお、さっきの四人組に含まれていなかったダミ子さんはというと、朝からちゃぶ台に乗っけた甘味類をもくもくと食べ続けていたのだった。……俺以外だとこの人だけ学生ではないので、ずっと暇だったらしい。

 

 なにが悲しいって、この人身分証がないのである。

 正確にはどこかに無くした、ということになるらしいのだが……そもそも無くした時の記憶も飛んでいるため、探しようもないのだとか。

 なので、名前も戸籍も性別も失った彼女は、こうして家の中でだらだらする以外の作業を、行う余地がなくなってしまっているのであった。

 

 

「いいお仕事紹介するよ?」

「この前紹介された場所で確信しました。──TASさん、貴方はド畜生だ」

「そんなこと言われると、照れる」

「誉め言葉ではないと思うのですけど……」

 

 

 俺以上にヒモでしかない現状に、彼女もまた当初は抗う気概を見せていたのだが……戸籍や名前もあやふやな状態で働ける場所、なんてものが現代日本にあるはずもなく。

 ……いやまぁ、正確なことを言えば、()()()()()()ないこともないのである。が、それは即ち半強制的にブラック職業への片道切符、ということになってしまうわけで。

 

 それは流石に嫌ですぅ、となったダミ子さんは、TASさんから『じゃあ仕方ない。貴方には犬になって貰う。手始めにUFOの操縦から覚えて』と、謎のマニュアルを渡されることとなっていたのだった。

 ……UFO?と首を傾げたそこの君。またもやTASさんが勝手にエンディング作ろうとしているだけなので、あんまり深く考えないように。

 

 

「さて、そこら辺の話は置いとくとして。時に、私達はこれから夏休み、というものに突入するわけだ」

「ふむ、確かに」

 

 

 さて、話は戻ってMODさん。

 彼女が口にしたように、これから彼女達は嬉し恥ずかし夏休み、ということになる。

 そしてこれが最も重要なことなのだが──実は彼女達、まともに夏休みを満喫したことがない、のだという。

 それもそのはず、彼女達はどいつもこいつもお転婆ガール、一般の人々にはちと刺激の強すぎる存在ばかりなのだ。

 

 

えっ、なんなんそのテンション、怖っ……

「シャラップCHEATちゃん、そして聞けっ!流石の俺も、真夏に爺ちゃん婆ちゃん家に里帰りするだけの長期休暇はどうかと思うんだよっ!」

「……えらく具体的な話ですが、今までそんな感じだったので?」

「孫が増えたみたい、と好評だった」

「……あれ?なにかおかしなこと仰ってませんか貴方?」

「そこの二人!こっちをスルーするんじゃない!」

 

 

 それは無論、俺に関しても同じこと。

 ……いや違うのよ、爺ちゃん婆ちゃんに「その子はなんなんだい」「かわいいねぇ、うちの孫にならないかい」とかなんとか言われるのに耐えられなくなった、とかではないのようん。

 

 一体いつからの付き合いなんだよお前ら、みたいなCHEATちゃんからの視線をスルーしつつ、MODさんに視線を送る俺。

 彼女はそれに応えるように、擬音とか聞こえてきそうなほどの見事なウィンクをこちらに投げ付けながら、その言葉を口にするのだった。

 

 

「そう、だから私達は、今までの青春の遅れを取り戻すかのように──」

「無人島での合宿を執り行いたいと思う!」

「が、」

「「「合宿ぅ!?」」」

「無人島……トラブルの香り……わくわく」

 

 

 そう、一夏の思い出を作るため、彼女所有の無人島に出掛けよう、という提案を!

 ……約一名を除いてみんなが驚愕する姿を見て、掴みはバッチリだと頷きあう俺達二人なのであった。……え、残り一人?勝手にジャンルをホラーにしないように、目を光らせていますがなにか?

 

 

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