「……おかしい、こんなことは許されないですぅ」
「無事だったんだからええんとちゃう?」
はてさて、あれこれやった結果元に戻ったダミ子さんである。
めでたいな、今夜はパーティだ!(?)
……冗談はともかく、少々拍子抜けであることは間違いあるまい。
件の呪術師がダミ子さんを使って何かをしようとしている、みたいな話まで考えていたわけだから、こうして普通に戻ってきてる辺り仕方がないんだけども。
「特にダミ子さんとこの国のことを思うと……ねぇ?」
「やめてください思い出させないでください」
「なんダカダミ子がすっごく嫌そうナ顔してマスけど……何があったんデス?」
「ダミ子星発生の大本だからね」
「……はい?」
「双子惑星なんだったっけ?」
「ナンテ???」
ええまぁ、はい。
この国どころか世界存亡の危機に至ったため、それの解消に色々あってダミ子惑星が誕生した、みたいな話がありましたねぇ(遠い目)
今は三周目、前回とは違う世界なこともあって
「そういえば、前回は双子星って話なのに片方の星にしか滞在しなかったから、もしかしたら今回は両方見に行く羽目になる、とかもあり得るかも?」
「勘弁してくださいですぅ……というかそもそもあの星を作る必要性自体を抹消してほしいですぅ……」
「その辺はなんとも。また世界崩壊級のエネルギーが貯蔵されてたらやらんと不味いだろうし」
「ぐわーっ!!?」
ダミ子さんが頭を抱えてしゃがみ込んでしまったがまぁ問題あるまい、多分。
……ついでに『ダミ子星』云々のせいで一部の満面がフリーズしたけどその辺も些事だよ些事(適当)
ともかく、だ。
「実は無事に戻ってきたと見せかけて入れ換わってる、みたいな線も危惧してたんだけど……この分だとそんなことは無さそうだな」
「えっ」
「お兄さん甘い。もしかしたら記憶と姿を完璧にコピーしたダミ子mark.02なんて可能性も否定しきれない」
「えっ」
「あー、元々ダミーと紐付いてるから増やすのは容易だって?その辺はほら、CHEATちゃんに調べて貰えばすぐわかるし」
「えっ」
「そう言うと思って既に調べてるよー。結果は白、このダミ子は正真正銘私たちの知ってるダミ子だよー」
「よかった、無駄に増やされるダミ子さんは居ませんでしたのね」
「…………えっ???」
ここまで見た感じ、何か変なことをされてるとか、何か仕掛けられてるとかの気配もないようなので、無事にダミ子さんが戻ってきたことは間違いあるまい。
そんな感じのことをみんなと共有して喜びあっていると、困惑したダミ子さんの声が周囲に響き渡ったのであった。
……え?何か変なこと言ったかね俺ら?
「いやほら、今回ってダミ子さんの重要性割りと高いし……」
「何の細工もなく戻ってくるだなんて思ってなかったというか……」
「だからってですねぇ!そんなに疑うのは酷いと思うんですよぉ!!」
いやはや面目ない……。
滅茶苦茶怒ってるダミ子さんをなんとか宥める俺達である。
……でも仕方なくない?相手が墓守さんと似たような空気を纏ってるってことは、下手すると前周回の記録を持ってる可能性大なわけで。
「それの何が問題なんですかぁ!」
「え、わからないの?」
「……えっ」
「いいかいダミ子さん、君を通せば無体な量のエネルギーを安全に処理できる、これは間違いない。それは裏を返せば、君を通せば向こうも無茶できる可能性が高い、ってことでもあるんだよ」
「星を作るだけのエネルギーを他のことに転用できたら実際ヤバい。相手にやれるかは不明だけど、ともすれば賢者の石とか作れるかもしれない」
「はいっ!?」
そうなると、だ。
相手はエネルギーを星に変える手段を知っている、ということになる。
いわゆる物質変換の技術ということになるわけだが、現行の科学ではこれを再現・ないし模倣することは不可能に近い。
それを、ダミ子さんというフィルターを使うことで(見た目がダミ子さんに左右されるという問題点はあるものの)ほぼ安全に・かつ確実に行使できる……
そりゃ、なんで手放したんだとか何か仕込んでるんじゃないかとか、疑心暗鬼になるのも仕方ないわけで。
「つまるところ、君は君の真実を知ってる人からすると喉から手が出るほど欲しい人材だ、ってことをよくよく認知すべきだと思うんだよ。言い換えると『材料さえあればなんでも作れる機械』みたいなものとして扱える、ってことだからね」
「この世界がもう少し危ないタイプだったら、とても口に出すことのできない状態にされててもおかしくなかった。それくらい『ダミー』というのは大きな力」
「……は、はい、肝に命じておきますぅ……?」
こちらの注意・忠告を受けて微妙な顔をしているダミ子さん。
これ多分よくわかってねぇな?……と思いつつ、長くなりそうなので今回は勘弁してやる、とばかりに話を打ち切った俺達なのであった。
……話を打ち切るための方便?ソンナノジャナイヨー()