「ぬぉぉぉぉぉぉぉこうなったらこれをこうしてこうじゃ!!」
「ぎゃああああですぅ!?」
「壁が消えたっす!?」
「いやマジかよ!?」
まぁ、なんて軽やかな流れなんでしょう()
ここに来るまでに壁が既に存在していたかは不明だが、仮になかったのであればその前後に俺達がしたこと──すなわちダミ子さんを救出したことこそがキーとなっているのでは?
……などと天才的()な頭脳で導き出した俺は、半ば破れかぶれでダミ子さんを元いた場所に設置。
するとなんということでしょう、先程まで私達を邪魔していた見えない壁が、すっかりとなくなってしまっているではないですか。
……半分冗談だったのに、本当にダミ子さんが鍵だったのかよぅ!!
などと俺が叫んでしまうのも無理のない話である。
まぁ壁がなくなった代わりに、ダミ子さんが再びバリケードと一体化しちゃったんだけどね!……どういう原理なのこれ?
「素直に考えると……ダミ子に中に入って欲しくない、みたいな感じ?」
「あーうん、見えない壁とバリケード、どっちが先に進みやすいかっていうと……退かせばなんとでもなるバリケードの方が明らかに進みやすいもんね……」
「それと、これは意図したものかは不明ですが……TASさんが先行したのもその説を補強しているかも知れませんわね」
「はい?……あー、無理だと言われるとどうにかしたくなる、的な?」
「バリケードを越えたあとにダミ子さんを元に戻して彼女も壁の向こうに入れる……みたいな方法を探し始める可能性が大ですわね」
……とにかく、相手としてはダミ子さんはここに置いておいて欲しい、という気持ちでいることは間違いあるまい。
ただそうなると、この場合どうするのが正解なのか?……という疑問が浮かび上がってきてしまう。
現状、件の呪術師が良いやつなのか悪いやつなのかいまいち判別できないため、相手の思惑を破るべきか遵守するべきか判断に困るのだ。
邪魔した方がいいのなら、なんとかしてダミ子さんを壁の向こう側に入れるべきだが。
仮に邪魔をすると良くないことに繋がるのであれば、このまま(再び虚無った笑みを浮かべている)ダミ子さんを放置していく方がいい、ってことになるわけだし。
「……うーん、こういう時はTASさんを信じよう。TASさんがダミ子さんを置いて先に行ったのだから、ここではダミ子さんを置いて行った方がいい、ってことで」
「悪ぃな、俺がその辺判別できたら良かったんだが……」
「アンダーランド内では大掛かりな選択肢が見えないんでしょ、それは別にROUTEさんのせいってわけじゃないよ」
まぁ、彼女の能力が正常に機能していたらもっと楽だった、というのも間違いではないけれども。
……今の発言からわかるかも知れないが、現在ROUTEさんは選択
いやまぁ、細々とした──目先のことに対しては普段通り使えてるみたいだけど、大きな流れ──この場合はアンダーランド内でのあれこれに対しては、ところどころノイズやらが入ってしまってまともに機能していないとのこと。
まぁ、今までの彼女だと大きな流れが見えない状況だと細かい状況もほぼ見えていない状態だったので、そういう意味では少し前の鍛練?が明確に糧になってる証拠でもあるのだが。
ともかく、彼女の判断に頼れない以上は現場の状況から逆算するより他あるまい。
なので、先に進んでしまったTASさん……という状況がある以上、ダミ子さんについてはここに捨て置くのが正解だと判断させて貰う。
「とはいえ、このまま一人ここに置いていくのも気が引けるし……」
「では、私達はここに残ることにしますわ」
『
「あ、じゃあ私も残るっす。正直ついて行っても足手まといにしかならなさそうっすし」
「おっと?……うん、それじゃあお願いしようかね?」
「うむ!大船に乗ったつもりで我輩達に任せるが良い」
でもまぁ、このまま野ざらしにしとくのもあれだなぁ……って感じで、様子を見るメンバーとして邪神組(?)が居残ることに。
……ついさっき変なことになってたDMさんとかを思えば、確かにこの先に彼女達を連れていくのはあれかなー、とならないでもないので、特に反対意見もなく彼女達に任せることになったんだけども。
「……流石に同人ちゃん以外みんな邪神組……いやまぁ区分としては彼女もそっちな気もするけどそういう意味じゃなく」
「ハイハイ、言ぃたぃことは分かってるってセンセー。ゥチが一緒に残っとくからそれでぃぃっしょ?」
「……うん、お願いするよギャル子さん」
「ここで私だけで大丈夫、と言えない自分の不甲斐なさが情けなくなるっすね……」
ただまぁ、仮にさっきみたいに邪神組が暴走した際、同人ちゃん一人で対処できるかと言われると疑問符が付く。
……そんなわけでもう一人、肉弾戦最強ギャル子さんにも居残りをお願いして、ようやく俺達はTASさんを追い掛ける前準備を終えたのだった。