「さて、こっから追っかけるのはいいんだけど……」
「先の追いかけっこの延長戦、ということになるのかなこれって」
はてさて、改めて現状を確認しよう。
奇しくもさっきまでやっていた追走劇の再演のような形となったわけだけど。
アンダーランド内は普通に障害物があり、適当に走っていたらぶつかるし落ちるし転けるし……で、良いことなんて一つもないだろう。
かといって
……到着したあとどうするつもりなのかまったく読めないので、可能であれば二人が接触するタイミングには居合わせたいものだけれども。
「逆を言うと、特に深刻な事態に陥らないのならゆっくり進んでもいいんだよね、何も起きないのなら」
「希望的観測過ぎるから非推奨だがな」
「ですよねー」
……はい。
何が起きるかわからない以上、備えに備えてようやく五分、みたいなもの。
……何が五分なのかはともかくとして、現状急がないわけにもいくまい。
「かといって、このままですと初見殺しに填まるだけのような気がひしひしと……」
「AUTOさん?」
そして、さっきみたいにAUTOさんに最適ルートを演算して貰いながら走る、というのも中々に難しいだろう。
あれは、全体のルートをある程度把握できることを前提としたもの。
そのため、ROUTEさんが細かな選択肢しか見えない──全体像の把握ができないことを暗に示しているような環境下では、本来期待される効果の半分すら満足に満たせない、なんてことになってしまうわけである。
……要するに、ぶっつけ本番でミスったらほぼ死ぬ道を全速力で走るしかない、と言われているようなものってことになるわけで。
その辺の確認も含めたのであろうAUTOさんの言葉に頷こうとした俺は、しかして彼女が唐突に言い淀んだ姿に思わず首を傾げ。
「……もしかして……いやでも……仮にそうだとすると……」
「え、ええと、AUTOさん?」
「──理解しましたわ」
「はい?」
その後突然ぶつぶつと何事かを唱えたかと思えば、バッと頭を上げて目をカッと見開く姿に思わず尻込みする俺。
しかして彼女はそんなこちらの様子など見えていないかのように──彼女にしては珍しい、怒りを抑えるかのような笑みを浮かべ、こう述べたのだった。
「今回のTASさん、徹頭徹尾こちらに喧嘩を売っていらっしゃいますわね」
「……はい?」
……いや、どういうこと?
「思えば、初めからおかしかったのです」
再びAUTOさんを背負い、MODさんボードに乗って滑走する俺。
先程との変化と言えば、背負われているAUTOさんの肩に手を乗せる後ろの面々が居る、ということになるだろうか?
あれだ、ローラースケートとかでたまに見る数珠繋ぎ状の列みたいになっている、と言えばわかるだろうか?
「辺りの見えない世界、されど最短ルートを探ると
「いや……そういうもんなのかなーと」
「なんでこういう時に限って察しが悪いんですの貴方」
無論、単に肩に手を置いている……という形では引き攣られるだけなので、他の面々の足元にも俺と同じ様にボードが存在している。
……流石のMODさんも分身はできないので、これはその辺の石にMODを適用してボードに変化させたもの、ということになる。
そこまでして、隊列行動を取る必要がある理由。
それが、さっきまで暗闇世界で行われていたカーチェイス(?)にあるのだとAUTOさんは言う。
「あれは、私の能力が導きだした最短ルートでした。……ですが、それを演算するのに掛かった時間は決して短いとは言えなかった。それは何故か?……TASさんからの干渉があったから、ですわ!」
「ええと、具体的にはどういう……」
「全部今回の予行演習だったんですのよ!
「ええっ!?」
そう、彼女の能力でうっすらと可視化されていた障害物。
あれは実際に障害物があったわけではなく、TASさんの干渉によって
そして、なんでそんなことになっていたのか、というのが目の前に広がる光景。
……その時と同じ動きをすれば避けられるようになっている──あたかもお誂え向きに配置されたかのように見えてくる障害物達の山、ということになるのであった。
端的に言うと、だ。
TASさんからの『
……そりゃAUTOさんキレ散らかすわ()