うちの同居人はTASさんである。   作:アークフィア

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似たようなことの繰り返しでも

 思えば、ROUTEさんが実質的に能力を封鎖されている時点で予測できた結果、ということになるのだろうか。

 

 その場その場での判断だけができる状態の彼女は、すなわち()()()()()()()()()()()()である、という風に言い換えることができる。

 となれば、だ。

 現在のように、数珠繋ぎになった列の最後尾に彼女を設置すれば、手前と後ろから列を統率することが可能になるというわけで。

 

 

「結果、このように全員で次々とトリックを決めていく姿が見られるようになった、と」

「いやーははは!これあれだね!同人君とか居たら多分死んでたね!」

「笑い事かなぁ?!これ笑い事かなぁ!?」

 

 

 さっきAUTOさんが演算した最短ルート。

 本来であればあの暗闇の中でしか通用しないはずのそれを()()()()()()()進めさせられている俺と、それを頼りに同じ様に飛び跳ねる後ろの面々達。

 ……端から見ればみんなで次々と華麗なトリックを決めているかのように見えるのだろうが、実態としては色々と残念なことになっているのは間違いあるまい。

 

 そんなわけで、滅茶苦茶キレ散らかしつつ冷静にナビゲートしてくれるAUTOさんの様子に若干恐怖しつつ、前方にいるはずのTASさん目指して走る俺達だったのだけれど。

 

 

「ここでストップです」

「ぐえーっ!!?」

「のわー!!?」

 

 

 突然背負っているAUTOさんに頭をぐいっと引っ張られ、思わず体勢を崩した俺。

 勿論、後ろの面々がそんな急な変化に対応できるわけもなく、みんな纏めてクラッシュする羽目になったのであった。

 久々の俺マットのお時間ですね()

 

 

「衝撃吸収ご苦労様、とでも言えばいいか?」

「労いありがとうございます、と返しておきます」

「そ、そうか……」

 

 

 目的地に着く前に既にボロボロなんだが大丈夫か?

 ……お前なら一コマ後には大体直ってるだろうって?いやまぁそれはそうなんだけども、もう少しくらい優しくしてくれてもバチは当たらないんじゃないかなーって。

 

 などとぼやきつつ、体に付いたホコリを払いながら立ち上がる俺。

 周囲を見渡せば、特に脱落者もなくみんなが揃っていることが確認できる。

 ……ついでに言うと、現在居る場所が少々開けた場所であることも、その確認の際に一緒に確認したわけなのだが。

 

 

「……ん?これってまさか」

「そのまさかです。貴方様、脱いでください

「このやり取りまたやんの!?」

「仕方ないでしょうこうして時間を浪費することも一連の動作の内なのですから!!」

 

 

 まさかまた上着を脱ぐ羽目になるとは思わなかったよ(白目)

 

 ってなわけで、最初の時とは違い「何やってるのこの人達?」みたいな周囲からの視線を受けつつ、脱いだ上着をAUTOさんの肩に掛ける俺である。

 ……違うんや、これはさっきもやったことで、同じ動作をなぞらないといけない仕様上繰り返さないとアカンのや……()

 

 

「というかそんな目をしている場合じゃないぞ君達」

「と、言うと?」

「このあとワープするからね、油断してたら大クラッシュだ」

「……はい?」

 

 

 なお、そうして俺が微妙な顔を晒している最中に、MODさんから他の面々への説明が行われていた。

 ……結果、余計に「何言ってるのこいつ」感が強まった気がするけど、事実なんだから仕方ない。

 

 というか、原理不明なのは俺だって同じなんだから、彼女達と同じ様に間抜け面晒して「何言ってるのこの人」って言いたいくらいなんだよ!

 

 

「間抜け面って……」

「お兄さん時々口が悪くなるけど、そういう時って大抵心底呆れてるか滅茶苦茶余裕がない時かだよね」

「今回は?」

「見たまんま後者。嘲笑ってあげるが吉」

「ほほう」

「なにがほほうじゃなにが」

 

 

 つーか冷静に判断してるんじゃないよ!!

 ……などと小芝居的なものを挟みつつ、改めてAUTOさんを背負い直す俺。

 ここから再び走り出せば、次の瞬間にはTASさんの背が見えることだろう。

 

 

「気になることがあるとすれば、その前にTASさんがちょっかいをかけてこなかったことだけど……」

「あれはこちらの些細なミスを是正するモノですの。今回は一切ミスしていませんからその余地がない、という形ですわ」

「……あ、そういう?」

 

 

 AUTOさんがミスしてたというのもアレだが、ふざけているとしか思えなかったTASさんの行動にもちゃんと意味があった、ということに少々驚きがなくもないというか。

 ……いやまぁ、長い目で見た場合TASさんは無駄なことをしていない、ってのは知ってるけど、今回のそれがそんなに直接的な意味を持ってるものだとは思わなかったというか……。

 

 そんなことを語りつつ、改めて身構える俺。

 次の瞬間、俺達の視界に映る景色はまるで流星雨のように後ろに流れて行き──、

 

 

「──捕まえましたわ」

「わー捕まった」

 

 

 その景色が白一色に染まった次の瞬間、俺達の耳に飛び込んできたのはそんな風に喜色を孕んだ、AUTOさんの喜びの声なのであった。

 

 

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